看護師が働くコールセンターの仕事内容って?健康相談・医療機器メーカーなど
PRじゃこ丸
覚えてなくても大丈夫ですよ!
今回は、私がコールセンターに勤務した経験から、コールセンターナースのお仕事についてお話しますね。
コールセンターで働く看護師に関心のある方は、ぜひ参考にしてみてください!
看護師の働いているコールセンターってどんなところ?
コールセンターは、さまざまな問い合わせや相談に、電話で対応する部署です。
製薬会社や医療機器メーカーのコールセンターでは、医薬品や医療機器に関する質問やトラブル対応が主な業務となります。
警備会社や保険会社のコールセンターでは、付加サービスの一つとして電話による健康相談を24時間365日で展開している場合があり、そこでの対応が業務の中心になります。
そうなんです。私の勤務したコールセンターは、24時間365日対応だったので夜勤も休日出勤もありました。
勤務体制などについては後ほどお話しますね。
健康相談だけじゃない?コールセンターの看護師の仕事とは
健康相談以外にも、医療機器のトラブル対応や、訪問診療を行っているクリニックのコール対応の電話を受けていました。
健康相談
健康相談の内容にも色々ありますが、大きく5つに区分してみました。
●応急処置の方法
対応した例をあげると、
- 鼻出血
- 足をくじいた
- コンタクトが取れない
- 包丁で指を切った
- 消毒薬の誤飲
などがありました。よく起こる事例に関しては、マニュアルが用意されており、それに沿って対応します。
マニュアルにない症状や外傷などの場合、インターネットや書籍を検索して、正しい情報を提供します。
納得されない場合や希望される場合には、提携先の病院の医師に電話を取り次いだり、緊急性の高いものは救急車要請を促したりと、その場その場の状況で判断することになります。
インターネット検索に関しては、情報元として信頼のおけるサイト(厚生労働省や医療者向けのサイトなど)を選ぶように指導されていました。
そして、提携先の病院の医師というのは、救急センターの医師なのですが、これがなかなかやっかいなのです。
お察しの通り、戦場のように忙しい救命。まず電話を取ってもらえるかどうかも一難。次に、相談内容を伝えても、そんなことで?と言わんばかりの空気を出されたり、嫌味を言われたり、なんてこともありました。
本来ならば、どんな内容の相談であっても、希望されれば取り次ぐ契約にはなっていたようなのですが、それがすべての医師に伝達されていないという現状があったようです。
いやいや、何年も前の話ですし、きっと医師にも周知されているはずですよ。あくまでも、私の経験談ですから!!!
不安をあおるオフレコはここまでにしましょう。
●症状の緊急性の判断
相談内容から、緊急性を判断しなければならない症例もあります。
次の5つのパターンで振り分けて、後は本人に判断をゆだねる形になります。
- 救急車を要請する
- 時間外であっても早めに自分で受診
- 診療時間内に受診
- 症状が続くようなら受診
- 様子を見る
とても稀ですが、救急車の要請が必要なケースの場合は、コールセンターから直接要請できないため、本人に要請を指示して、緊急対応の担当部署へ情報を伝達する流れになっていました。ちなみに、私は一度もあたりませんでした。
●病気や症状、薬について
一番多かった印象のある相談は、今こんな症状が起きているけど何の病気?という答えにくい内容のものでした。知っての通り、看護師には診断する権限がありません。
一般的に、その症状が出る病気をいくつか伝え、後は応急処置の方法での対応と同じ流れになります。
その他には、すでに診断を受けている病気に関しての相談も多かったです。特に癌などの悪性疾患の場合には、セカンドオピニオンを含めての相談もありました。
よくある相談内容に関しては、マニュアルがしっかりと用意されていました。それでも対応しきれない場合には、常勤の看護師が対応したり、センター長が対応したりと、すべてを最後まで自分ひとりで対応しなければならないわけではないので、その点は安心できました。
常連のクレーマーなど、対応が難しい対象者に関しては、一人ひとり個別に対応マニュアルが用意されていました。たまに、名指しでスタッフを指名してくる人もいましたよ。
●メンタルケア
夜勤帯で特に多いのが、精神疾患のある人からの相談です。30分から1時間ほどかかる場合もありました。
話を聞いているだけでいいわけではなく、健康相談の電話回線は二つしかないため、いかに早く電話を切り上げるかが問題で、私にはそれがプレッシャーでした。
お酒を飲んで電話をしてきては、話の最中に寝てしまう・・・なんて人もいました。ちなみに、本当に寝てしまったときには、こちらから電話を切って対応していました。
●病院案内
みなさんに質問です。いい病院ってどんな病院だと思いますか?
なるほど~。そうですよね、みなさんそれぞれいい病院かどうかの判断基準て違いますよね。
つまり、いい病院かどうかはその本人にしかわからない、とても抽象的な表現なのです。
いい病院と聞かれた場合には、手術件数や症例数などの具体的な数字やデータから、相談者の求める病院をいくつかピックアップして案内します。
そして、あくまでも案内であって、紹介ではないことをはっきり伝えます。
夜間・休日の医療機器トラブル対応
医療機器部門のある企業だったので、夜間休日のみトラブル対応の電話がかかってきました。基本的には、マニュアルに沿って対応します。どうしても対応が難しければ担当者へ取り次ぎます。
機器に関しては、詳しい知識は求められませんが、どんな機械なのかくらいの情報は必要になります。
夜間・休日のコール対応
訪問診療を行っているクリニックに、患者さんからかかってきた電話が、診療時間外になるとコールセンターに転送されるしくみです。
専用のヒヤリングシートに沿って、患者さんの状況を確認し、クリニックの医師か看護師に電話を取り次ぎます。取り次ぎのみでコールセンターでは一切対応はしません。
コールセンターで働く看護師の勤務体制と休日・残業
私の働いていた当時は、デスクが6台あり、常勤看護師5人(うちコールセンター長1人)、非常勤看護師5人、非常勤事務員2人が在籍していました。
勤務体制は、
- 日勤(9~18時):常勤2人、非常勤2~3人の4~5人
- 夜勤(18~9時):常勤1人、非常勤1人の2人
*事務員は日勤のみの勤務*
- 常勤の場合→完全週休2日、夜勤が月4〜5回のシフト制
- 非常勤の私の場合→夜勤を週に1〜2回 日勤を月に1~2回
残業に関しては、常勤、非常勤に関わらず、就業ギリギリの入電があれば別ですが、センター長以外のスタッフの残業はほぼゼロでした。
というのも、入電があっても、基本的には非常勤の看護師か事務員が最初に電話を取るという暗黙のルールができていたので、常勤看護師は、マニュアル作成などの自分の仕事(マニュアル作成等)を勤務時間内にこなすことができていたからだと思います。入電件数が多い場合は、もちろん常勤看護師も電話をとっていました。
入電件数は、必然的に夜間の方が多くなります。交代でとる3時間の仮眠休憩中のみ、ワンオペ対応になるので、ごくたまに2.3件重なることもありましたが、基本的にはコールセンターとは思えない静けさでした。眠気との戦いです。
日中に関しても、1人2件受ければ多いくらいで、正直暇でした。
全てのコールセンターが暇なわけではないと思います。スタッフの人数や回線数、契約件数などでもだいぶ状況は違うのではないでしょうか?
気になるお給料に関しては、企業によっても差はあるでしょうが、夜勤や休日勤務がある分、病院勤務(夜勤あり)とさほど変わりないくらいと考えていいと思います。
非常勤の時給は、当時掛け持ちしていた病院のアルバイトよりも良かったですよ。
ちょっとおまけのお話。
コールセンター内は、服装も髪型も自由でした。私服の上に貸し出しの白衣を羽織るだけです。茶髪もピアスも指輪もネックレスもOKというのはとっても気楽でした。
コールセンターの仕事に必要なスキルと向いている人
健康相談業務という特性上、基本的に臨床経験3~5年以上が応募条件である場合がほとんどですが、それ以外の条件として、必須資格やスキルはありません。
私の経験から、あると仕事が楽になると思うスキルは、
- PC(さわり慣れてる程度で◯)
- 電話対応
- コミュニケーション能力
と、意外にも特別なものは必要ありません。スキルよりも重要なことは、適正です。
はい。コールセンターは、向き不向きの大きい職場だからです。
コールセンターは、陸の孤島のごとく、他部署からは完全に閉鎖された空間で、同じ会社の社員であっても入室できないよう、扉にはセキュリティロックがかけられていました。
密室で限られた人数のスタッフで勤務することは、人間関係も濃厚になる傾向にあると思います。そういう環境が息苦しく感じる人もいるかもしれません。
また、対象者が企業にとって大切な顧客であるため、その対応にはとても気を使います。電話という一対一のやり取りの中、お互いの顔が見えない状況では、些細なことでトラブルに発展する可能性もあるからです。
コールセンターの看護師は、医療者であると同時に、サービス業である意識が強い職種かもしれませんね。
私も、勤務する前には『れもん』と同じように思っていました。でも、実際勤務してみると、自分の知識をそのまま伝えられるようなケースはメンタルケアくらいで、ほとんどの場合、マニュアルや書籍・インターネット上の情報をピックアップして伝えることのほうが多かったです。
そして、勤務時間中は、入電時以外は基本的には自由な時間でした。PCはあるものの、インターネットはできませんし、何か好きな本を読んだり、スマホをいじったりすることはできません。
コールセンター内にある医学書や資料を見たり、持参した看護系雑誌を見るなどして待機します。勉強をしているスタッフもいました。
入電時以外は、おしゃべりも自由なので結構雑談も多い職場でした。このまったりとした待機時間からの入電という、急激な頭のスイッチONOFFが苦手というスタッフもいました。
実はいました、それやっちゃったスタッフ。夜勤の時ですけどね。
私が思う、コールセンター看護師に向いている人はこんな人!
- デスクワークが好き
- 体力的に楽な仕事がいい
- 電話対応が苦手ではない
- 書籍やネットを使った調べ物が好き
- 残業がないところがいい
- たまには夜勤をやってもいい
- スタッフの人数が少ない方がいい
- 待機時間を有効に活用したい
- ONOFFの切り替えが得意
私は、コールセンターに非常勤として勤務しましたが、常勤で働きたいかと聞かれると答えはNOです。
健康相談は、メンタルケア以外の対応は、ほぼ一度限りで終わります。自分の対応に間違いがなかったのか、その後相談者はどうなったのか、など自分にダイレクトに返ってくるはっきりとした結果がありません。
成果が目に見えない、感じられないという内容の業務に、やりがいを見出すことができなかったからです。これは、非常勤という立場だったからかもしれませんし、常勤で勤務していれば、考えも違っていたかもしれません。
どちらにしても、実際に働いてみて初めてわかることもたくさんあると思いますよ。
コールセンターの看護師求人をお探しの方は以下の記事を参考にしてください↓
人気記事ベスト5
この記事を読んだ人は以下も読んでいます
登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。