健診センターの看護師求人の種類と選び方。常勤の転職や採血バイトで働くには
PR健診の仕事というとなんとなくあるのは知っていても実際にどんなところなのか、何をする場所なのかについては知らない方も多いはず。
日勤が多そうだし、転職してみようかな、と考えている方におすすめの健診センターの求人についてお伝えします。
健診センターとはどんなところ?
健診センターと聞いても今まで病院で働いてきたナースにとってはあまり縁がある場所ではありませんよね。
健診センターと聞くと健康診断をする場所で採血業務があるのではないかというところまでは想像がつくかもしれませんが、健診センターとは一体どんなところなのでしょうか?
健診と検診の違い
健診センターとは、その名の通り、健康診断を行うところですが、それだけではありません。
健康診断と言えば、学生の頃に受けたことがあるように身長や体重、視力などの検査を行う検査ですよね。この、身長や体重、視力などの定期的な検査を健診と呼んでいます。
もうひとつ、「検診」というものが存在します。検診とは、子宮頸がん検診や、乳がん検診などのある疾患を対象とした検査のことを指します。
健診センターで行われていること
健診センターでは「健診」と「検診」の両方を行っています。
健診では主に企業や市区町村からの依頼をもとに、身長、体重、視力、レントゲン、採血、診察などの項目を行います。
企業からの依頼での健康診断というのは、労働衛生法に基づいて1年に1回、会社の義務で健康診断を実施しなければなりません。そのため、法律で定められている項目については必ず健康診断を行うため、企業からの依頼が多く、会社で働くビジネスマンの方が主な対象者ですね。
その他にも会社を引退した後の方が、市町村の負担によって実施される健康診断で来られる方もおられます。
もちろん、自分自身の健康のために独自に健康診断を申し込みする方もいますので、それぞれの対象者によって健康診断の項目は異なりますが、一般的な検査項目についてはほぼ同じといえるでしょう。
一般的な健康診断にプラスして胃がんのリスクを測る項目や、マンモグラフィーなどの「検診」を組み合わせて行います。
健康診断保険適応外のため、1回受けると35000円以上もとられる場合が多く、対象者の方は患者さんというよりお客さんと捉えた方がいいのかもしれませんね。
来られる対象者は基本的には元気な人が多いといえるでしょう。
健診センターで働くナースとは
健診センターの業務の中で、ナースが行うものは「採血」ですね。採血以外の項目についてはナースが行わないこともありますが、人数の少ない職場ではナースが行うことも多々あります。健診センターで働くナースの業務について詳しくお伝えしましょう。
健診センターで働くナースの業務
健診センターで働くナースの業務で主に行われるのは採血ですが、その他にも様々な業務が存在します。一般的な健康診断で行われるものは、
- 身長測定
- 体重測定
- 視力測定
- レントゲン撮影
- 採血
- 心電図
- 診察
- 健康相談
これらのことが基本的には行われます。
健康相談というのは保健師が担うことが多いですが、看護師が配置されることもあります。
一つずつの測定の意義や項目の基準値、関連する疾患などについての知識が必要になります。
また、健診センターでは受診する人数が多いため、素早い対応が求められます。そのため、もたもたしていると後ろが詰まってしまい、クレームに繋がったということになりかねません。
健診センターによくある変わった場所
健診センターには、
- 巡回検診
- 採血ルーム
- 献血車
などの聞きなれない言葉が出てくる場合があります。健診センターのちょっと変わった働く場所についてお伝えします。
巡回検診
健診センターの中には、巡回検診と呼ばれる健診を行っている健診センターがあります。
巡回検診とは、健診バスで移動し、健診センターの建物ではない場所、例えば公民館などの公共の施設や大学などの施設を借りて健診をしてしまうことです。
健診センターの健診バスの中はレントゲンを撮影する車になっており、小規模の場合は検査技師1名、看護師2名、受付1名という少ない人員で行うことが多いです。
そのため、早朝の出勤や現地の設営、血液や器械の管理なども看護師の重要な仕事になっており、責任感が増えますね。
採血ルーム
健診センターに必ずある採血室ですが、採血だけ行う採血ブースと、検査室ととなりになった採血ルームがあります。
採血ブースの場合は来た人を採血し続ける場所で、壁で仕切られているわけではない場合も多いですが、採血ルームの場合は検査室があるのでしっかりとした部屋になっています。
採血ルームの場合、採血をした人の血液をすぐに後ろで検査をします。
そのため、採血時に溶血していないか、採血の量が検査に対して十分かをチェックしてもらいます。
そのため、健診の対象者にとっては正確な検査ができますが、ナースにとっては失敗していないか毎回チェックされるので緊張しますね。
献血ルーム
健康診断とは直接関係はありませんが、健診センターの中には献血もやっているという場合もあります。献血をやっている場合は献血の採血を担当することもありますので、献血についての知識もつけておきましょう。
献血は血球や血小板の損傷を防ぐために、基本的に16Gから18Gの針を使用します。
しかしながら、献血に来る人の中には血管が分かり辛い方も多いです。また、献血はボランティアで行うものなので、採血した後に気持ちよくかえってもらうため、ミスをしないようにすることはもちろん、対応にも気をつけなければならず、プレッシャーに感じる方も多いです。
健診センターであるあるトラブル
健診センターでナースが出くわすトラブルについてお伝えします。
受診者が待ち時間に対してクレームをつけてきたり、採血時のミスにより、受診者の手が麻痺してしまったり、採血後の気分不快によって倒れてしまったりすることがあります。
そのため、正確な採血と迅速な対応が求められます。
また、健康診断に来ている人の既往歴や家族歴などは病院と違って情報量が少ない中での対処が必要となります。そのため、先端恐怖症の方の採血を座位で行ってしまい意識喪失してしまったなどの事象が起きることがありますので、忙しい中でも必ず確認を怠ることなく、ミスのない業務遂行能力が必要といえますね。
健診センターの給与は?
健診センターの給与は平均よりも低いといえるでしょう。
東京などの都市部において夜勤ありの平均所得が480万円程度、夜勤なしの平均所得が400万円前後なのに対して健診センターでの働き方は360万円前後です。健診センターでのアルバイトの場合の時給においても、少し下がる傾向にあります。
健診センターでのバイト
「健診バイト」と聞くことがあるかと思いますので、健診センターでのバイトについてお伝えします。
健診センターでのバイトとは日勤がメインになります。健診センターの中でも土曜日も開けているところは比較的アルバイトを多く募集している場合があります。
パートの勤務になると、朝の採血の人が多い時間帯のみというような働き方も可能です。
また、業務ごとのアルバイトの募集もあり、採血のみのバイトなども存在します。
健診センターでのバイトの就職については自分自身で見つけることは難しいため、転職サイトを活用することで希望の求人を見つけやすくなるでしょう。
健診センターでの期間限定のバイトについて
健診センターでの単発のアルバイトというのは少数の求人となっています。
しかし、採血のみのバイトや繁忙期のバイト、人手不足による単発などは時期によって出現することがあります。
単発のアルバイトは直接募集を行っていない健診センターが多く、基本的に転職サイトを利用する方が見つかりますね。
こんな人には向いている
健診センターの業務は慣れると比較的楽だと感じる方が多いです。急に患者さんがきたり、何が起きるかわからなない夜勤などをするよりもルーチンワークを行うことが基本ですので病棟での勤務よりも体力的には楽だと言われています。
そのため、子育てから復帰したナースにとっては比較的働きやすい職場と言えるでしょう。
子育て中の看護師の働き方はこちら↓
看護師の子育てと仕事の両立は求人選びが大事!ママナースの転職術とおすすめの働き方
健診センターで働くメリットとデメリット
健診センターで働くメリットとデメリットについてまとめてみました。健診センターの特徴を知って転職に役立てていきましょう。
健診ナースのメリット
健診センターのメリットは日勤のみで残業が少なく、早い時間に終わることです。残業や急な出勤も少ないため、保育園のお迎えのために早退などをしなくてもよいため、子育てをしながらでも働くことが可能ですね。
また、業務が比較的同じことが多いということです。健診センターにもよりますが、採血担当であれば採血をしていくということが多いため、様々な業務をこなす必要がありません。
健診にくる人は基本的には健康な人が多く、病気で苦しんでいる患者さんをみてストレスを抱えてしまう方には比較的ストレスの少ない職場と言えるでしょう。
健診ナースのデメリット
毎日同じ業務が多いため、ルーチンワークが苦手な人には向かないといえます。また、比較的時給が安いというのもデメリットでしょう。対象は病気できているわけではないので接遇が求められます。
患者さん1人1人とコミュニュケーションをとったり、関係性を構築していく看護が好きな方には向いていない職場といえるでしょう。
検診車などで遠くに出張検診を行う場合については、早朝に家を出なければならないということも起こるといえるでしょう。
健診のみを行っている場合、キャリアアップやスキルアップが望みにくいという部分もデメリットといえますね。
健診センターの求人とはどんなもの?
健診センターの求人は病院やクリニックなどの求人と比べると募集人数が少なく、離職率も高くないため比較的レアな求人といえます。
そのため、健診ナースになるためにはどのような施設で健診が行われているのかについて知る必要があるといえるでしょう。
健診センターの種類
健診センターには様々な形態をとっている施設があります。健診センターの形態の種類とどのような病院があるのでしょうか。
健診センターには、
- 健診のみを行っているクリニック
- 経営母体は一般の病院で健診部門のみ独自に行っているクリニック
- 病院と一体型となっており、健診部門が設置されている
- 市町村などが主体のクリニック
このようにいくつかの種類にわけることができます。それぞれの特徴についてお伝えします。
健診のみを行っているクリニック
健診のみを行っているクリニックとは、一般診療は基本的には行ってはいませんが、健康診断後のふぃろー体制として、曜日によっては外来診療を行っているというクリニックも存在します。
そのため、求人をよく確認しないと健診だけだと思っていた業務が実は一般外来の業務だったということになりかねません。
その他にも、健診のみを行っているクリニックではサービスを重視している場合が多く、「女性のみのスタッフ」というところや、落ち着いた空間で健康診断を受けられるということを掲げている場合が多く、病院などの健康診断に比べて接客を重視した対応が求められます。
経営母体は一般の病院で健診部門のみ独自に行っているクリニック
健診のみを行っているクリニックに施設規模は近いですが、病院が経営母体ということもあり、健康診断後のフォローはグループの病院で行うことが多いため、外来診療を行っているところが少ないといえます。
そのため、働き方がパートや常勤など、フレキシブルに対応してもらえるクリニックが多いです。
病院と一体型となっており、健診部門が設置されている
病院と一体型になっている施設では就職先は病院になります。
そのため、日勤での勤務ですが他の部署での人員が不足している場合は外来の応援にいかなければならないなどのきまりのある病院も多く、人事異動によって健診部門ではない場所に異動になる可能性もあります。
そのため、病院での健診部門で働きたい場合は就職前の事前交渉をきちんと行うと良いでしょう。
市町村などが主体の健診センター
公益財団法人として、地域で生活する人の健康管理のために建てられた健診センターです。健診センターの中では公益財団法人などの健診センターが比較的主流で、全国に存在します。
巡回検診と呼ばれる出張をして行う健診なども行っており、勤務場所が変更になったり、早出などが多くなることが特徴的といえるでしょう。
パートの勤務よりも常勤での募集がほとんどです。土曜日に出勤がある場合もありますので転職する際は求人の確認が必要でしょう。
色々と職場の形態についてお伝えしてきましたが、転職したい場所によって特徴が変わるため、自分自身で求人を探すのは少し手間かもしれません。
その場合、転職サイトを利用することで効率よく自分自身の働きたい職場にたどり着くことができるでしょう。転職サイトを使ってみたいと思った方はこちらも参考にしてみてくださいね。
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まとめ
いかがでしたか?健診ナースといっても様々な施設があり、施設によって求められるスキルや働き方などが大幅に変わってきますね。
健診ナースとしての一歩を踏み出すには健診センターについての知識や働き方について知ったうえで転職に臨んだ方が自分自身の求めている環境により近づきやすいのではないでしょうか。どのような環境が自分自身にあっているか見極めて転職をおこないましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。