集中治療室(ICU)で働く看護師の仕事内容とICUで学べること
PRしゅみしゅみ
こんにちは☆ 集中治療室(ICU)経験がある看護師経験12年のしゅみしゅみと申します。
ICUって、重症の患者さんが入院しているところだから、急変が多くて忙しそう・・・っていうイメージはみんな持っているのではないでしょうか。
でもICUの看護師がどんな役割をしているのか、詳しくわからないという人は多いと思います。
集中治療室(ICU)で働く看護師の仕事内容と役割についてお話ししますね。
様々な年代、病気の患者さんの看護
ICUには、0歳の赤ちゃんからお年寄りまで、様々な年代の患者さんが入院してきます。
また、内科や外科だけでなく、整形外科・婦人科・小児科・泌尿器科など様々な病気の患者さんが入院してきます。
そのため、たくさんの知識が必要となってきます。
そして今日学んだことは、次にいつ経験するかわかりません。
そのように感じるのは皆同じです。
同じような経験や学習を反復することで、自分の中の知識として根付きます。
私がICUに配属になったときに、ICUで仕事が何でもできるようになるには3年以上はかかるとよく聞きました。
それほど、たくさんの知識を必要とする場所なのです。
多くの医療機器の管理
一般病棟で使う医療機器としては、心電図モニター・輸液ポンプ・経管栄養ポンプ・持続陽圧呼吸療法(CPAP)などです。
ICUでは、人工呼吸器・持続的血液濾過透析(CHDF)・大動脈バルーンパンピング(IABP)・経皮的心肺補助(PCPS)などたくさんの医療機器を扱うことになります。
これらは、患者さんの命に直結する大事な医療機器であるため、正確に扱わなければなりません。
このように医療機器が多いため、臨床工学士(ME)が頻繁に出入りしていたり、ICUに常駐していたりするので、何かあればすぐに臨床工学士に聞いたり、対処することができます。
また、ICUでなければ使う機会がほとんどないため、ICUに配属したばかりの人を対象に勉強会を行ってくれる職場が多いようです。
異常の早期発見のためのアセスメント力
一般病棟では、患者さんの状態に合わせて、バイタルサイン・心電図モニターの波形をみて、患者さんの全身状態のアセスメントをします。
ICUでは、それに加えて、人工呼吸器や、Aライン、中心静脈カテーテル、スワンガンツカテーテルなどたくさんの医療機器やルートがついていることがあります。
そこから様々なデータを読み取り、患者さんの全身状態と合わせて、総合的にアセスメントする必要があります。
重症の患者さんの状態の変化は激しく、一瞬の見逃しや判断ミスで、急変し、命を落としてしまう危険性があります。
そのため、少しの変化も見逃さずに、異常の早期発見をするためには、アセスメント力が大変重要となってきます。
大変ではありますが、一人の患者さんの病態生理について深くアセスメントする機会は、一般病棟ではなかなかありません。
ICUの患者さんの病態生理はとても複雑で難しいですが、この経験は一般病棟や他の職場にいったときに必ず役立つので、看護師としてとても成長できると思います。
ご家族への配慮
ICUに入室しているということは、重症な状態だとご家族の方もよくわかっていると思います。
急な入院に加えて、ICUで入院しているというだけでも、ご家族の不安は大きいのです。
実際にあった出来事を例にあげましょう。
その友人は、看護師のため、一般の人に比べると知識はありましたが、今まで働いた病棟で大動脈瘤の患者さんを看たことがなく、ICUに勤務したこともなかったため、父親の病気に関してわからないことが多く、不安に感じていました。
また、友人の父親は、回復してきたため一般病棟への移動の話も出ていた矢先に急変し、友人が面会にいったときには、人工呼吸器をつけていた状態だったそうです。
看護師である友人ですら、自分の家族のそのような状態をみることがショックで、とても動揺したそうです。
そのときに、担当の医師からの詳しい説明や、看護師の優しく丁寧な対応で、不安が少し和らいだと話していました。
このように、ご家族の方への説明や配慮は、ICUの入室してきたときだけでなく、面会時などにもとても重要です。
ICU入室中は治療や安静が優先されるため、ご家族の面会時間は、一般病棟とは違い、かなり時間が限られている場合が多いです。
ご家族の方は、本当は近くでずっと見守っていたいところを看護師に任せているので、ご家族がみていない間の患者さんの具合がとても気になっていると思います。
状態が悪くなった時だけでなく、状態が良くなってきたことも詳しく伝える事で、ご家族の不安な気持ちなどが少し和らぎます。
他職種や他部署との連携
ICUで患者さんをみるのは、医師と看護師だけではありません。
治療や安静が最優先される中で、ADLが低下してしまう患者さんは高齢の方だけではありません。
生命の危機を脱し、状態が回復傾向になってきたら、早期離床を目指して、ICU入室中から、早期にリハビリが始まることがあります。
沢山の医療機器を使うので、臨床工学士(ME)との関わりもあります。
短期間の内に、様々な医療スタッフと情報共有し、適切な治療がされるように連携することが必要です。
救命のため、あらゆる治療がされるので、手術室、放射線科など他部署との連携は、迅速かつ確実に行う必要があります。
また、患者さんの状態が回復してくれば、ICUから一般病棟へ異動するため、申し送りの時に患者さんの病状や治療・看護などの情報提供もし、治療や看護がスムーズにいくようにしなければなりません。
たくさんの職種や部署の人たちとの連携をうまく行うことで、患者さんの治療や看護が継続されていくので、コミュニケーション能力が必要となります。
ICUで働きたいと思っている看護師に伝えたいこと
このように、ICUでは様々な年代や病気の重症な患者をみるため、たくさんの知識と技術、迅速な判断力が必要となります。
ICUでは1日にみる患者数は日勤では1~3人くらいの事が多く、夜勤でも多くて5人くらいです。
それだけ一人の患者さんの全身状態をしっかりと観察しなければならず、病状の変化も見逃してはなりません。
急変する可能性は、どの部署よりも多く、精神的なストレスは大きいです。
しかし、大変ではありますが、ICUで学んだことは今後どの職場へ行っても必ず役に立ちます。
私は、結婚を機に退職し、最後に働いた職場がICUでした。
看護師11年目でICUに配属となった私でもわからない事ばかりで、毎日新しいことを学ぶことがとても新鮮でした。
長年同じ職場で働いていると、その分野のことは何でも分かるようになり、仕事の要領も掴めるので、仕事は楽になりますが、マンネリ化してきてしまいます。
私は、ICUを経験したことで、多方面からアセスメントが出来るようになったと思います。
今後どの職場で働いても大丈夫だろうという自信もつき、就職先の幅も広がったと思います。
同じ職場に長くいると、どうしても自分が得意とする分野の知識に重点を置いて、患者さんをみてしまう傾向があります。
同じ職場で、その分野のことを極めることも良いと思いますが、全く違う分野のことなど新しい事を学ぶ機会があるのも看護師としてのやりがいになるのではないかと思います。
ICUは看護師として大きく成長できるところだと思います。
興味をもたれた方はぜひ、ICUの看護師求人を探してみてください。
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登場人物
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キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
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