看護師の手取り事情~20万 円、30万円は多い?少ない?
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看護師は数ある職業の中でも「諸手当」の多い職業です。そのために、基本給は低めでも手取り額は多いということが起きたりします。
しかし、この手取り額はなかなか解釈が難しいときがありませんか?
そうなんです。諸手当が多くて手取り額が多いというのは、一見美味しい求人のような気がします。
はい、手取り額が多いか少ないかは案外落とし穴があるかもしれませんね。
求人を見る時の参考にしてみてください。
看護師の給与の実態
それではまず看護師は平均してどのくらいの給与をもらっているのでしょうか?
日本看護協会(2013年度版)の調査結果をみてみましょう。
1か月の基本給と手取り額
看護師の年齢等に関係なく平均を見てみます。
高卒+3年間の看護学校で看護師となった方の初任の基本給は、平均19万7千円です。総支給額、つまり手取り額は26万2千円です。
大卒の新卒看護師に関しては、基本給20万4千円、手取り額は27万円です。
そして、勤続10年の看護師で非管理職の平均は、基本給24万4千円、手取り額は31万8千円となります。
そうですね。平均年収が一番高い東京や神奈川と、年収が低めの県では150万円くらいの差があります。
そのあたりも考慮しながらみてください。
また、自分たちのお給料が高いのか低いのか、参考のために他職種の方のお給料もみてみましょう。
初任給の平均
厚生省により、学歴別にみた初任給の平均が発表されています。(2012年度版)
- 大卒・男性 20万1千円
- 大卒・女性 19万6千円
- 高校、専門卒・男性 17万3千円
- 高校、専門卒・女性 16万8千円
初任給の基本給に関しては、そのような解釈ができますね。
ただ、看護師の給料に関しては、初任給からの伸び率が悪いということもいわれています。
昇進するポストも少ないことなども原因ですが、医療業界自体が同じような傾向にあります。
そうなると、少しでもお給料を上げていくには資格をとったり、お給料の良いところへ転職するしかないということになりますよね。
ただ、その時にちょっと考えておきたいことがあります。基本給ではそれほど高いといえない看護師のお給料を、上げてくれる諸手当のことです。
基本給の伸びが悪くても、実際の手取り額をあげてくれる諸手当によっては満足できるかもしれません。
看護師の給料の諸手当
看護師のお給料をみたときに、基本給と手取り額で単純に7万円の差が出てきます。
この差は、いわゆる諸手当によるもので、看護師のお給料と他職種の方との手取り額の差ともなってくる要因の一つです。
しかし、この諸手当というのが実に分かりづらいものです。看護師の手取り額を決める諸手当について考えてみましょう。
諸手当とは?
諸手当とは、給与水準を保ち調整するために支払われるものです。
- 生活補助としての手当(住宅、通勤のためなど)
- 評価としての手当(労働の内容や、技術・技能の評価、役職に対して)
- 時間外に対する手当(残業や土日祝日や夜勤などに対して)
そうなんですよね。
諸手当が高いのは嬉しいことですが、月々の手取り額には反映されても賞与には関係ないんです。(役職手当など一部手当以外。)
年収となると高いのか低いのか、分かりづらいんですよね。
看護師の平均諸手当
といっても、諸手当が高ければ月々の手取り額は多くなります。ここで、ちょっと看護師によくある諸手当をみてみましょう。
●夜勤手当
夜勤手当は、労働基準法で午後10時から午前5時までに勤務する場合、給与の25%増しの手当を支払うように定められたものです。
残業が深夜に及んだ時の残業代も、深夜割増に加算されることが決まっているんですよ。
皆さん知っていましたか?損してませんか?
ちなみに夜勤手当の平均は、2交替で1万1千円前後、3交替で準夜勤で4千円前後、深夜勤で5千円前後です。
●資格手当
看護師という資格に対して支払われることもあれば、専門看護師や認定看護師をとって支払われる手当もあります。
看護師資格手当の平均は、正看護師で1万~2万円前後で、准看護師で1万円前後が平均です。
給与明細って実はよーく見た方が良いんですね!
専門看護師などの資格に対する手当は、3千円~1万円と幅があります。
認定看護師に対し取得から協力してくれて資格をとれば正当に評価してくれる施設と、資格をとっても「看護師として雇ったんだから。」と資格手当すら出ない施設もあります。
資格によって手取り額を上げたい時は着目したい手当ですが、詳細をチェックした方が良いでしょう。
また、精神科など自傷他害の恐れのある診療科に勤務する際に出ることもあります
●家族手当
家族を扶養にしている人に対して、生活費を補うという意味があります。
支払う義務は無いので、出る施設と出ない施設があるでしょう。
家族手当の平均は配偶者で1万円(扶養に入っている場合)、子どもは一人5千円前後が相場です。
なかには、保育手当や第2子・第3子と手当を細かくくれる施設もあります。
●通勤手当
これはマイカー通勤が当たり前になっている地方と、電車通勤やマイカー通勤が選べる地域とでは考え方が変わってきます。
1か月10万円までの通勤手当は非課税なんですが、マイカーや自転車通勤では距離に応じて非課税限度額があります。
手取り額に反映されるものですから、見てみた方が良いですね。
●役職手当
管理者の責任や役割の負担に対して支払われるものです。
看護師長などになると、医師と同様に年俸制になる施設が多く、主任やリーダーという中間管理職的な役割を持っている看護師に支払われることが多いでしょう。
リーダーなどでも役職手当(出れば平均5千円くらい)もつく施設もあります。
今後、管理職まで目指して転職を考えている方は注目しておきましょう。
ただ、実際に出る役職手当は、人事評価が入ることが多く事前に聞いていても違うことも少なくありません。
そのあたりのことも知っておくと良いですね。
給料から控除されるものは?
看護師の給料を上げてくれる諸手当の次に、看護師の給料から控除されるものについて考えてみます。
これも手取りに大きく影響するものです。
まず、給料から天引きされる税金関係について知っておきましょう。(社会保険に加入している常勤者の場合)
健康保険
私たちも医療機関にかかると会計で支払いをしますよね。その時、3割負担で済んでいる方がほとんどだと思います。
そのためには健康保険料を支払っていないといけません。
そしてこの健康保険料は、所属する施設が半額請け負ってくれています。
そうですね。
また、通常の診療だけでなく出産した時の出産手当金や、高額医療を受けた時の高額医療費など、それ以外の特典も多々あるのです。
せっかく入っているのですから、何かの時は大いに活用させていただくことで納得しましょう!
(ただ、施設が入っている健康保険組合によって金額が変わってきます。)
介護保険
40歳を超えた時に、控除額がいきなり増えた方はいませんか?
それは介護保険の加入の義務のある年齢になったからなのです。
療養病棟などでは、アナムネをとる時点で介護度を聞くところもありますよね。
介護保険に加入していれば、将来介護が必要になった時にとても助かります。
将来のための保険料ですね。
厚生年金
これも、将来のための掛け金です。
将来年金をもらうために支払っているもので、施設と半額ずつの負担となっています。
確かに、いろいろなうわさ先行で何が正しいのか難しいものですが、今現在の日本の年金システムの中では支払いは仕方ないことでしょう。
ただ、今後トラブルに巻き込まれないために給与明細などはしっかりとっておくことをおすすめします。
雇用保険
雇用保険を賭けていると、失業した時に給付が受けられます。(給付条件は有ります。)
失業したあとの求職活動中や、失業認定を受ける間などの社会保険の一つです。
ただ、失業中だけでなく育児や介護で収入が減ってしまう場合などのフォローもあるのです。
そうでしょうね。
もし、自分の身に何かあった時は、ハローワークが窓口なので相談してみると良いでしょう。
1か月数千円でも、それなりの金額を払っていますのでぜひ恩恵を受けましょう。
所得税
総支給額の中から非課税となる諸手当を除いた、対象となる金額にかかってくる税金です。
国に一般財源として納めているもので、義務教育や公立学校の費用、警察や消防など官公庁の維持や人件費など様々なところで、私たちは恩恵を受けています。
引かれることに主眼が行くと寂しくなりますが、無料で救急車を呼べるなど還元されていると思いましょう。
所得税は収入が多ければ高くなってきます。
他の控除と違って、所得で増減するので年末に調整するのです。
確かに毎年のことなのに、書き方が覚えられないとよく言われる書類ですが、還付金もちょっとしたボーナスです。頑張りましょう。
住民税
住民票のある都道府県や市町村に納めています。これは、前年度の年収で算出されます。
住んでいる場所の施設や道路の整備や維持など、身近な生活に還元されています。
広報などで税金の使い道を公表していると思われますので、たまにはチェックししてみると働きがいに繋がるかもしれません。
そのほか
他に組合費や互助会のようなものがあれば、その費用を引かれている方もいるでしょう。
それらは、きちんと雇用主から説明を受けましょう。
いずれにしても、「こんなに引かれている。」と思うとショックですが、何かしらの形で還元されていると思うしかないかもしれませんね。
手取り額は多いのか、少ないのか
手取り額は、全支給額の75~80%というところがほとんどです。
自分の手取り額は多いのか少ないのか、金額だけでは判断できない部分もありますが考えてみましょう。
手取り18万円
手取り額が18万円ということは、総支給額が24万円~25万円という状況ですね。
夜勤が平均回数位入っている常勤としたら、18万円という手取り額は少ないと思って良いのではないでしょうか。
ももよさんのいうように、社会保険に入っている時間数を働くパートくらいの手取りです。
たしかに、日勤常勤であればありえる金額かもしれませんが、多忙さを極めるような職場では「割に合わない」と思って良い金額でしょう。
ただ、地域によっては日勤常勤では致し方ないかもしれません。
基本給が多めで、ボーナスで補充できるかどうかも考慮するしかないでしょう。
手取り20万円
手取り額が20万円ということは、総支給額が27万円~28万円と考えられます。
そうですね。手取り20万円とすれば常勤者であれば低いですよね。
20万円台ということで考えてみます。
20万円台前半、23万以降くらいは日勤常勤となるとあり得てくる地域もあります。
ただ、これも例えばクリニックなどで土日祝日が完全にお休みという場合など、勤務条件が緩い場合なら納得かなという金額です。
また、医療機関以外での勤務や福祉関係の夜勤無しなどでしょう。
日勤常勤でも、早出や準夜勤程度の交代勤務があれば少なめの手取りと思って良いでしょうね。
20万円後半となると、日勤常勤では徐々にあり得る金額になってきます。
ただ、インターネット上の声ですが、手術室勤務や外来勤務などでの日勤常勤で20万円台後半の看護師の意見としては「安い」という声を多く聞きます。
勤務のハードさと割に合わないということなのでしょう。
そうですね。20万円台後半は勤務条件と合っていれば良し!という金額でしょう。
手取り30万円
手取り30万円は総支給額が37~38万円というところでしょう。
この金額が全部もらえればなあと思ってしまう金額です。
日勤常勤で30万円台前半でしたら、業務内容にもよりますがそれは良い方の給料と思って良いでしょう。
ただ、夜勤を4~5回程度入っていて30万円台前半ですと不満を持っても良いかもしれません。
この条件で30万円台前半となると、夜勤手当が5千円前後など平均より安かったり、休日出勤などの手当てが安かったりということが考えられます。
夜勤4~5回する通常の常勤で、手取り30万円台後半でしたらまずまず一般的かなと思われます。
夜勤回数が多かった月は手取り40万円台になった!というような状況が全国的に平均でしょう。
ただ、この金額でも勤務条件や業務量、サービス残業の有無などが納得できるものであればということもいえます。
給与の手取り額をアップさせる転職は?
給与の手取り額をアップさせるための転職を考えてみましょう。
手取り額をみるとき引かれる金額にドン引きしてしまいますが、これに関しては義務的なものですので諦めるしかないでしょう。
そこで、手取り額をアップさせる要素は基本給と諸手当にあると考えます。
また、いますぐに給料アップしたい方も居れば、じっくりアップさせていきたい方もいるでしょう。
具体的にはどう行動すればよいでしょうか。
夜勤手当が多い施設、夜勤回数が多い施設へ転職
やはり、看護師の手取り額を上げている一番の要素は夜勤です。
夜に強く体力のある方にはおすすめです。
そうですね。手取り額が上がっても体調を崩しては元も子もありません。
また、夜勤が多い職場という場合、その夜勤の内容もチェックしましょう。
「ほとんどコールも無く寝当直ですよ。」「夜間外来の当直だけど、救急車なんてめったに来ないよ。」などという夜勤なら回数が増えても何とかなるかもしれません。
しかし、救急も多くハードな夜勤の場合はよく考えましょう。
あまり無理をすると、患者対応に影響してしまいます。
基本給重視の転職
年収を上げるとして考えれば、基本給の多い職場・賞与の多い職場が適しています。
前年度の実績を聞いてみましょう。
基本給を重視して転職する場合は、その基本給の推移は大事です。
また、基本給が高くても諸手当が低いとやはり高い手取りは望めないかもしれません。
長期的に手取り額を上げるためには
長い目で見て手取り額を考えるのであれば、「専門看護師などの資格をとる。」「管理職になる。」「開業する。」といった道があります。
●専門看護師などの資格を取る
これは、興味のある分野に関してキャリアアップになりますし、業務的にも自分に戻ってくるものです。
ただ、資格をとれば良いというのではありません。
そうです。
例えば、内視鏡が無い施設で内視鏡看護師の専門資格をとっても、その資格が活かされませんし手当も出ないことが多いでしょう。
自分の興味のある分野を積極的に行っている施設で、その施設の業務に見合う資格をとらないと手取り額は関係ないことになってしまいます。
さらに、専門看護師の育成を支援してくれて、取得したら手当も出るとしっかり確認しておきましょう。
●管理職になる
現在の職場で管理職を目指すのも一つです。
業務内容が分かりますから、自分もやり易いですしチームにも入りやすいでしょう。
それはいえるかもしれません。
管理職って公私混同できないですからね。
ただ、この場合も手当が業務内容と合っているか考えておくべきですね。
●開業する
看護師で開業できるのは、訪問看護などが多いでしょう。
これは、また看護師とは別の知識や才能が必要になってきます。
経営管理をきちんと専門家に学んで、リスクを確認しておかないと手取り額が増えるどころか借金になってしまうこともあります。
成功している方も実際にいますので、段取りをしっかり踏んで手取り額が増える要素はあるのです。
給与明細をよくみましょう
看護師は給与明細などをしっかりみるのが苦手な方も少なくないでしょう。
かくいう私も、給料明細は手取りだけみている方ですが、やはりしっかりチェックした方が良いですね。
自分の現状をまず正しく知ることが、手取り額をあげる転職の第一歩でしょう。
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