ナース歴20年で見えてきた「転職に成功する看護師」と「失敗する看護師」の違いとは
PRyumi
では、その人たちは転職して満足した・成功したと思っているのでしょうか。
辞めてもすぐに次の転職先が見つかる看護師は、簡単に転職がしやすい分、転職に失敗して後悔したことがある人が多い職業であると言えます。
この記事では、チャンスが多いのに転職で失敗するのはなぜなのか?転職で成功する人はどんな転職活動をしているのかについて、お伝えします。
退職理由を振り返らないと転職に失敗する!?
『みかん』はずばり言い当てられてしまいましたが・・・。転職したくなるには理由がありますよね。その理由を良く見つめて行動しないと、同じ失敗を繰り返すことになってしまいます。
例えば、転職理由の1位が人間関係だといわれます。
これが理由での転職。成功する人と、失敗する人の違いは何でしょうか。
成功する人
職場はいろんなタイプの人が集まるところ。合うあわないはあると思います。関係改善を試みて、どうにもならなかったら、転職するのもありでしょう。
そうですね。もしかしたら、職場でも有名な、タチの悪い人もいるかもしれません。でも、人間関係はお互いさま。最初に関係がつまづくと、修復は難しいもの。
うまくいかなかった理由は、自分の中ではどんなところか。次に似たような人がいた場合、どうすればよいのか。
そのとおりですね。
失敗する人
『れもん』の言う通り。よく言われることですが、自分は変えることが出来ますが、他人は変えられません。
あらあら、『みかん』はすべて人のせいにしていますね。
癖のあるひとはどこの職場にもいます。きっと皆分かっているはずなんです。でも、上手くやれてる人もいるんですよね。
結論
転職理由を振り返り、同じ失敗をしないためには何ができるのか。自分の行動や言動も変えようとできる人は転職に成功できます。
ここでは人間関係を例に挙げましたが、オーダーのシステム・人員配置・他職種との業務分担など他にも問題もありますよね。
問題があると感じた時、どう向き合うかが大事。
「職場が悪かったんだから、自分は変わる必要はない!」と考える人は、転職に失敗します。
転職に成功するには自分のタイプを知ること!
成功する人
『みかん』は自分を認めていて良いですね。
看護師はあんなに患者さんを観察するのに、「自分を見つめるのはニガテ」という方は多いのです。
忙しい病棟では、てきぱき働く人が重宝されます。『れもん』のように感じる人もいるでしょう。
短期でテキパキした人は急性期が向いていますし、のんびりした方・体力に自信がない方は施設や慢性期の病棟が向いています。
自分の性格や適性を知っったうえで、求人を探すのがいいでしょう。
失敗する人
たまにこういうナースの話を聞きます。のんびりした子なのに、キャリアのために急性期の忙しいところで働いていて、体調や精神のバランスを崩したり。
いいえ、そんなことありません。あまりにも自分と合わない職場を選ぶと、体まで壊すことになります。
自分のタイプを知ってはいても、それを認めない人も転職に失敗します。
のんびりは欠点ではないかもしれません。職場によってはじっくり患者さんと関わる、いいナースになるかも!
結論
自分のタイプを知り、認めたうえで、次は自分に合った求人を探せる人は転職に成功します。逆に、自分の欠点を認めず、合わない求人に応募すると、転職に失敗します。
もちろん、ちょっと自分と違うタイプの求人に応募しても、行った先でなんだか愛されてしまうキャラの人もいますけどね。
そういうキャラかどうか、自分を知っておくことも大事なんです。
転職に成功するための求人の探しのコツは?
成功する人
●ネガテイブな退職理由の条件が改善できる職場を探す
退職理由が悪い労働条件である場合、それは転職することで改善されることが多いはずです。
しかし、「入ってみたら聞いていた条件と違っていた」というのは良くある話です。何故でしょうか。
これは、仕事をしながら転職活動をする人は特にですが、「転職先を探すのに十分な情報収集をする時間がない」からです。また、病院側も看護師不足を早く解消したいため、ネガティブな労働条件の情報はあえて知らせない場合が多いという理由もあります。
これらは、看護師転職サイトに登録することで解決できます。転職サイトは職場の情報量も多く、自分では聞きづらいことも代わりに先方に聞いてくれるためです。
看護師転職サイトについては、看護師転職サイトは使うべき?メリットとデメリットを整理してみたをご覧ください。
「夜勤の回数が多いのが嫌」など、今の職場の主な退職理由を転職サイトの担当者にはっきり伝えておきましょう。その条件が改善できるような職場を探してくれるはずです。
●やりたい看護と出来る看護を考えて探す
希望に燃えて看護の資格を取った方よりも、生活を支えるために看護師の資格を取った方の方が仕事は長く続きます。「理想の看護がしたいのに、ここの職場は違う!」と燃え尽きて退職していく人も多く見てきました。若い人に多いですね。
やりたい看護がある、それも素晴らしいことだと思います。
でも、理想の看護が最先端の忙しい大学病院でないと実現できなかったら?その理想の職場は忙しくて体力的にきつく、精神的にも疲れてしまうような職場だったら?
「やりたいのはもっと最先端のことだけど、自分には体力的についていけないから地域の二次救急で働こう」と妥協することも大切です。
一番優先することに「自分がやりたい看護」をあげれば疲れてしまうし、楽なことを優先しすぎると物足りない。
やりたい看護に8割くらい近づいてしかも自分に出来る看護、を目指すことで、転職はスムーズにいきます。
訪問看護、急性期の看護、小児看護など、自分で出来そうな看護をなるべく多く挙げ、転職サイトの担当者に伝えておきましょう。間口は広い方が、就職は決まりやすいですよ。
失敗する人
求人の労働条件の確認不足・情報収集不足があるのに新しく出た求人に飛びついてしまう。最先端の医療にあこがれて大きな病院に応募してしまう、などですね。
結論
労働条件で求人選びを失敗しないためには情報収集が鍵です。転職サイトなどを利用して十分に情報を集めましょう。
技術的・時間的に自分にできる看護がどのようなものかを考えて求人を選ぶことも、転職成功の秘訣ですね。
心構えも大事
成功する人
●100%の職場はないと知っている
転職先を探しているとついつい欲張りになり、「あれもこれも叶えたい」と思ってしまうものです。
でも、サイトの労働条件を見て感じるとおり、仕事内容、給料、人間関係など全てをかなえてくれる職場はない、ということを忘れない人は転職に成功します。
●身近な人の意見を聞ける
自分ってどんな看護師?と思ったとき、職場の同僚には聞けませんし、周囲の人も聞かれてもなかなか答えにくいもの。
その点、家族は身近で見ていて性格もよくわかっていますし、言いにくいことも言ってくれます。看護のことがほとんど分からないからこそ、見えることもあります。
家族は聞いていなくても仕事の仕方に対するアドバイスを日常会話でしているもの。私も家族から「もともとがのんびりしてるタイプなんだから、忙しい病院じゃなくて個人のところに行ったら?」といわれた経験があります。
こうした家族の意見も、転職先探しの優先順位に組み入れましょう。自分よりも、自分をわかってくれて的を得た意見であることが多いのですから。
もちろん、転職サイトの担当者とも十分にコミュニケーションをとり、アドバイスをもらうのもいいですね。
彼らは多くのタイプの看護師を見てきているので、「こういう人は忙しいところ行ったら続かないだろうなあ」などが分かるそうです。
転職活動中の一番身近な人でもあるので、素直な気持ちで意見を聞いてみましょう。
●焦らずに探す
焦るとロクなことがありません。普段の業務でも、点滴を詰めている時に急かされてアンプルから薬液をこぼしたり、針を落とした経験ってありますよね。
焦りは集中力や判断力を鈍らせます。普段の看護もそうですが、これは転職でも同じことです。
転職活動で焦りがちな時はこんな時です。
- 一つの転職先に決まりかけたとき
- 転職活動をしているのに、なかなか決まらないとき
- 同時期に退職した人が、早々に次の転職先を決めた時
こんな状況でも焦る必要はありませんよ。看護師という資格があれば、必ず求人に出会えますから。
失敗する人
「100%の職場はない」という事を忘れて求人を探すと、転職が決まりかけては断る、ということを繰り返します。
こういう方はどこかで「職場で嫌だったことが転職で解決する」と思っています。そんなことは無いのに。
「すべての労働条件がかなうことは無いのだから、まあ、この位かなえばいいかな。」という、ある程度妥協することは忘れないようにしましょう。
結論
働くことでの辛さのすべてが転職で解消するわけはない。「100%の職場はない」と、知ったうえで求人を探そう。
身近な人の意見を行くことも大事です。その時には焦らずに話を進めましょう。
転職を成功に導く逃げ道とは?
『れもん』はカンがいいですね~。
「転職したからには、次の職場がどんなに嫌な職場であっても簡単には辞められない。」と思うでしょう。
このように転職先でがんじがらめにならないためにできる保険が一つ。転職前の職場に「もし次の職場が合わなかったら、戻ってくるかもしれません」ということを匂わせておくのです。
はい、看護師はどこでも不足しているので、ほとんどの場合「出戻り」は歓迎されます。
「嫌で仕方がなくて辞める」という態度を感じるより、「また戻ってきたい」と言われることは上司も嬉しいものです。
前の職場を離れたからこそ、「意外と嫌な職場ではなかった」と気がつくこともあります。そこで気がついて戻ることは恥ずかしいことではありません。
つまり、逃げ道とは「元の職場への復帰の道」です。この逃げ道を使うには、前の職場を円満退職しておかなければなりません。
結果として前の職場に戻ることは無くても、「失敗しても、前のところに戻ればいいんだし」と思えることは精神的に余裕を生みます。焦って自分と合わない職場に転職してしまうことは無くなるでしょう。
●円満退職が大事な理由はもう一つ。
看護師という特殊な職業、転職してみたらその先で以前の同僚に会った、というのも良くある話。かつての同僚といつどこで会うか分かりません。どの職場を辞めるときも円満に辞めましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。