院内保育園は本当にママ看護師の味方?託児所付き病院のメリット・デメリット
PRyumi
『みかん』は勘違いをしていたようですが・・ママになった看護師が、仕事を始めよう・仕事に復帰しようと考えると、子供の保育園の問題が出てきます。でも、認可保育園への入園は簡単ではないですよね。
首都圏では「1歳児の待機が30人」というところもあります。実際に自分子供が保育園に入園できなかったナースもいるでしょう。
そこで考慮に入れるのが職場にある、院内保育所の利用です。
子供を預けたいけど、院内保育所って実際どうなの?と不安に思いますよね。この記事では院内保育園について、そこを利用することのメリット・デメリット院内保育園の特徴などについてお伝えします。
院内保育園ってどんなところ?
院内保育園って認可なの?
職場を「託児所付き病院」と呼ぶこともありますね。こうした病院の保育施設は、職員の確保のため、職員の福利厚生の一環として設置されています。。
では、院内保育園は「認可」と「無認可」どちらなのでしょうか?
いえ、結論から言えば、無認可保育園になります。
『みかん』ちゃん、ションボリしなくてもいいですよ!無認可だからといって、病院を経営する法人が運営しているので一般的な無認可保育園よりも安心感があるのではないでしょうか。
保育の対象は?
いいえ、そうとも限りません。保育の対象は「医師と看護師の子供のみ」とする保育室、「全ての病院職員の子供」とする保育室など様々です。
保育室の敷地面積により保育可能な人数が変わってきます。
全職員はありがたいですね。ちなみに、保育施設の面積が大きくても、当然ですが、職員以外の子供は入園できません。
保育園の規模はどのくらい?
そうなんですよ。私が以前勤務していた病院、知人の勤務先の院内保育園を例に挙げます。
- 病院の近所の古民家を安く借り受け、一人の保育士が2、3人の園児を保育する。保育の対象は看護師の子供のみ。保育料は1日2000円
- 病院内の1階にある保育室にて24時間体制で保育する。保育の対象は医師と看護師の子供のみ。保育料は1,0000円。
- 病院敷地内に園庭付きの保育園を設立。24時間体制で保育する。保育の対象は全職員の子供。保育料は認可保育園と同じ。
院内保育園のメリット
待機児童問題に悩まされずに済む
待機児童問題は毎年話題なっていますが看護師も例外ではなく、子供を産んで仕事に復帰をしようと思ったら、自分で保育園を確保しなくてはいけません。院内託児所つきの病院であれば、子供の預け先について悩むことはありませんね。
●産休を取っている方へのメリット
院内に保育室があれば、産休に入る前に保育園利用予定を申請しておけば、妊娠中に大きなお腹であちこちの園の見学に行く必要もなく、職場も保育園も確保できるので安心ですね。
●出産のために退職した方へのメリット
出産のために退職し、これから「仕事も保育園も探す」となると、これも大変です。
私自身も経験があるのですが、乳児を抱え、仕事の内定が決まりかけても、「保育園が確保できたらお返事します」と言う病院もあります。
一方、認可保育園への申請には職場からの書類が必要になります。これには、職員であることの証明に加え、「一日当たりの勤務時間・週に何日勤務か」などが記載されていないといけません。
職場からは「保育園を決めるのが先」と言われ、保育園からは「職場を決めるのが先」といわれ、どう動いていいのか分からなくなることがあります。
院内託児所付き病院への就職であれば、職場と託児所を両方同時に確保できると言うメリットが有ります。
「保育園探しと仕事探しどちらが先か」など、悩まなくて済むのはいいですね。
送迎の手間がない
まあ、子供のタイプにもよりますが・・大体が子供の送り迎え完了まではひと仕事です。
認可保育園に子供を預けて入る場合、子供を一旦保育園に送り、自分の職場へ出勤します。
保育園側が、車での子供の送迎を禁止している場合や、保育園と職場の距離が離れている場合など、子供の送迎は結構な負担です。
院内託児所だと、出勤すればそこに保育園があるので、送迎のための時間が節約できます。育児中は朝と夕方が特に忙しいもの。少しでも時間が節約できることは、嬉しいものですね。
子供の体調不良時の職員への対応が優しい
その点、院内保育園は職員に優しいですね。子供の体調不良時には、院内保育でも職場あてに電話が来ますが、「ちょっと様子を見に来てください」といわれ、風邪と分かっている場合は母親が保育室で座薬を入れてその後の保育をお願いすることも。
勤務している病院に小児科や耳鼻科があれば、自分が勤務を抜けて子供を受診させ、その後保育園に戻り、保育をお願いし、勤務に戻ることも良くあります。
院内保育園の担任の先生も「看護師が簡単に勤務を抜けられない」ということが分かっているからこそ、園児が体調不良でも職員に優しいのでしょう。
(保育が可能な基準は個々の院内保育園で異なるため、確認が必要です)
だいたい午後お昼寝後に熱を出すからさ、「5時まであとちょっとだから頑張って!」って、言っちゃうのよね~
結構キビシイ・・・
いつも休んでたけどね・・・
保育料が安い
「保育料は認可の約半額」とするところ、15,000円とするところなど様々ですが、一般に院内保育園の保育料の設定は認可保育園より安いことが多いですね。
保育園として独立した運営ではなく、職員の福利厚生としての運営なのですから当然の姿勢なのですが。
他にも残業による保育料園長料金なし、夜勤時の保育料を格安に設定するところもあります。
人員配置が手厚い
保育士不足によりどこの保育園でも国の基準ぎりぎりの人数で運営されることが多いのですが、院内保育は保育士さんが手厚いことが多いですね。
これは、病院の職員がシフト制勤務であり、日中の保育人数が一定でないため、保育士を多めに確保しているためです。
また、出勤していない職員の子供は保育園に登園しません。園児の人数が急に増えることもない、ということも保育の人手に余裕があることに影響しています。
子供が安心できる
子供が入園後間もないころは、保育園に慣れるのに時間がかかったり、登園を嫌がることがあります。
そんな時でも院内保育であれば、「お母さんはこの建物の3階で仕事してるから。お迎えもすぐ来れるよ」と声をかけることもできます。子供にとって親と離れることは寂しい事ではありますが、「親がすぐ近くにいる」ということは大きな安心感につながります。
一方、母親にとっても子供が近くにいる事は安心です。私の同僚の中には「今日は風邪ひいてるから心配」と、昼休みに子供を見に行っている人もいました。距離が近い、ということは親子とも安心感を得られることなのですね。
行事の時などの保護者負担が少ない
このため、保護者へのお願い事が多くなってしまうのです。
一方、院内保育では「親子で何かをしてきてください」ということは少なく、実際預けている同僚も、「保育園側からあまりうるさく言われないから楽だよ」と言います。
職員のための保育園なので、先生方は常に職員の味方。このスタンスでいてくれるから、保護者にお願い事をすることが少ないのでしょうね。
院内保育のデメリット
園庭がなく、外遊びが少ない
3歳以降の活発に外遊びをする年齢になると、園庭がない院内保育園では「子供がのびのび遊べないかな」と感じてしまうもの。
活発な男の子を育てている方は余計に外遊びの不足を感じるでしょう。
園庭がないことで、運動会の規模も小さく、子供の経験が少ないと感じることもあります。
しかし、院内保育園によっては朝、院内保育後に登園後、近隣の幼稚園まで送ってくれる園もあります。そういった2段保育を利用することで、子供の行動範囲が広がることもあります。
勤務が休みの日には保育をお願いできない
院内保育園は「勤務中の職員の子供を保育するための施設」なので、自分の勤務がお休みの時には子供を預けることが出来ません。
休日でも家に子供がいれば、遊びに連れて行ったり、相手をしなければいけないことも多く、家事も思うようにはかどりません。
「勤務がお休みでも、子供を預かってもらいたいな」と思うことがあってもそれが出来ないのが辛いところです。
子供同士のトラブルが職場の人間関係に影響する
また、子供同士でかみつきなどのトラブルが起こることがあります。その時に子供が家で「○○ちゃんにかまれた」などと話しますから、その親と険悪になることも。
認可保育園では親同士のかかわりが薄いことがあるのですが、院内保育園ですと親と知り合いな分、子供のトラブルが起こった時にややこしいようです。
安易に退職できない
託児所付きの病院に勤務し、子供を預けていて、転職をしたくなったらどうすればいいのか。
はい、子供を院内保育園に預けている場合、病院の外の保育園に子供の預け先を確保しなければ退職できません。
退職の時期と、保育園の園児募集が同じ時期であればいいのですが、預け先がうまく見つからないと、いつまでもその職場を辞められなくなります。
あとは転園することを子供が受け止めてくれるかどうかです。「友達と離れたくない」とか、「保育園を移るのは嫌だ」といわれたら、転職が難しくなります。
院内保育園がある病院は転職サイトで探そう
職安やナースセンターで看護師の求人を探そうと思っても、院内保育園があるかどうか、という情報を探すのは自分ではなかなか難しいもの。
転職サイトに登録すれば、託児所付き病院の情報を一気に集めることが出来ます。院内保育園の規模は病院によって違うので、内部事情なども転職サイトに聞き、比較することもできますしね。
また、病院見学だけでなく、「院内保育園の見学をお願いしたい」など自分ではなかなかいい難いことも、転職サイトに間に入ってもらうことで、話がスムーズに進みます。
院内保育をうまく利用しよう
3歳になったら認可園や幼稚園へ転園してもよい
子供の性格によっては3歳になったら認可保育園に転園希望を出すという方法もあります。(活発で外遊びが好き、社交的で大勢と関わるのが好き、など)
1歳では入園しずらかった認可保育園が、3歳を過ぎると入園できることもあるので、試してみても良いでしょう。
小学生以上の利用も
「小1の壁」とはよく言いますが、保育在園時よりも、子供が小学校に入った時の方がかえって預け先に困ることがあります。
学童が自宅から遠かったり、お盆や台風で学童自体が休みだったり。そのような場合や、夏休みなど学校の長期休暇中に、小学生が院内保育園を利用できることがあります。
認可保育園は未就学児の保育のみ利用が可能ですが、院内保育園は小学生まで登園可能なところがあるのです。私が以前勤務していた病院も、夏休みになると、宿題を抱えた小学生ぞろぞろと来ていました。
「大きくなってから保育園に行くなんて恥ずかしい」という子もいますが、親にとっては子供を家で留守番させて心配しながら勤務するよりも、職場にある保育園に連れてくる方が安心ですよね。
院内保育も成長の糧
認可保育園柄の入園が難しい今、院内保育に入園ができることは大きなメリットです。認可に入れないのなら、看護師であるということを武器に、院内保育園へ入園するということも選択肢に加えていきましょう。
あとは、子供と院内保育の相性・こどもの成長の段階を見て幼稚園も利用するなど、院内保育をうまく利用できるといいですね。
院内保育園に通いながら、親が働く姿を間近で見ることは、子供にとっても大きな成長の糧となりますよ。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。