外来の看護師って何するの?楽な仕事のイメージの裏側にある大変さとは
PRyumi
ハイ、いま、『みかん』は全国の外来看護師から反感をかいました~。
でもね、「外来は楽そう」だと思っているのは『みかん』だけではありませんよ。
看護学校・看護学部の授業は「病棟看護」に照準を絞っている印象を受けますし、「看護師としての勤務初めの新人は病棟から」というナースがほとんど。
「仕事の王道はやっぱり病棟看護でしょ、外来は楽でしょう」と思っていることは、私自身、同じ病院で働く看護師からも感じていました。
はたして本当に外来看護師の仕事は楽なのでしょうか?外来ナース歴15年以上の私が、その仕事内容と本当に楽なのかについてお伝えします!!
外来看護師になってみたいな~という人は、是非読んでくださいね☆
外来って何するところ?
定期受診
疾患を抱えながら仕事をされている人もたくさんいます。
- ずっと投薬が必要な糖尿病
- 痛みのコントロールが必要な頭痛
- 定期的にエコーで様子を見る甲状腺腫
- 降圧剤が安定して聞いたいえるかを見る高血圧
など、疾患の数ほど患者さんがいらっしゃいます。
そうした患者さんが受診する際の患者さんの情報の確認、健康相談などの役割もあります。
初期診断が目的
患者さんは具合の悪さを抱え、今の体調不良の原因がわからず、病気に名前を付けてほしくて来院されます。
そうなんです、やっとのことで受診された方が診断までスムーズに事が運ぶようにしなくてはいけませんね。
えーと、私たちが見て「ほんとに具合悪そうな人」って、入院や転送のにおいがする人とか、倒れたり急変の恐れのある人なんです。
それについては後で記しますね。
外来検査が目的
疾患があって定期受診をしていると、定期的に検査をしなければいけない時期がやってきます。
外来検査には
- 胃カメラ・大腸カメラ・気管支ファイバーなどの内視鏡
- レントゲン・ct・MRI・MRCPなど放射線科で行うもの
- エコー・脈派・GTT・尿素呼気テストなど生理検査室で行うもの
- シェロンテストのように、処置室で行うもの
などがあります。外来検査は、介助と観察が必要ですから、看護師とのかかわりが多いですよね。
外来看護師の仕事内容
トリアージ
総合病院であれば複数の科があるので、「患者さんがどの科を受診したらよいか」の判断のために受付に看護師を配置していることが多いですね。
そう、本当に具合が悪いかを見極めるのには看護師の観察力や看護診断力がいるんです。緊急度の高い患者さんを普通に待たせてはいけませんし、待てない具合の悪さだったら処置室で休んでいただき、バイタルを取りつつ休んでいただきます。
そうなんですね。この段階で外来看護師はあらかたの診断予測をつけています。
「これはギブスをまくことになるわ、あらかじめ着替えといてもらおう」かとかですね。
大丈夫。知識を持って、ある程度の経験があれば年数ごとに一律の看護診断力はつくでしょう。過去に勤務した病院ではみんな同じレベルで診断予測していましたよ。だいたい合ってるもんです。
診療介助
診察介助は
- 診察前の患者さんの情報収集
- 患者さんの呼び入れ
- 診察がスムーズに進むような介助
等があります。
先生によっては自分でテキパキ準備する人もいますし、看護師に手伝って欲しがる人もいます。先生の性格を知り、気持ちよく診察が進められるように援助することも看護師の役割ですね。
検査・処置・治療介助
検査介助ではCF・GFは「カメラ室看護師」、CTなどを「放射線科看護師」として外来からは独立した配属先となっている病院もあります。中規模以下の病院では、外来看護師がカメラについたり、造影検査の介助に行ったりをローテーションでやりますね。
診療につくことに比べ、検査では患者さん一人一人と密接にかかわることが出来、やりがいを感じる看護師も多いものです。
処置は指示点滴をしに来る患者さんの点滴管理、貯血や外来での縫合処置、ギプス巻きなど。治療では外来化学療法、透析、放射線などの介助があります。
このほか外来看護師業務には、記録や物品請求・補充がありますが、これは病棟と同じですね。
外来看護師のメリットとデメリット
メリット
これは病院の規模によりますが、病棟に比べ、手技的に難しい医療行為が少な目ということですね。
難しいことをバリバリやりたい人もいるでしょうが、その分神経はいつもとがらせていなければいけません。外来はその分の神経のとんがり具合が、いくらか滑らかかもしれませんね。
他には、拘束時間が少ないこと。休日が暦通りで休み希望も出しやすいです。受診した患者さんが「帰宅か入院か転送か」の決着がつけば自分も帰れますから残業は病棟に比べて断然少ないのが嬉しいところです。
デメリット
先にも記しましたが、先生との距離が近く、接している時間も長いんですよ。先生がやりたいことを先を見越して準備して、思い通り、女房役のように動かないとイラっとされます。
外来でやる処置は、できて当たり前。細い血管でも一発で点滴が入らないと白い目で見られるので、楽ではないですよ。分からないことがあって、聞きたいときに人はいない事も多いです。
また、冬場は急変も具合の悪い人も多いので、処置室では少ないベットで患者をさばかなくてはいけないもの。
はい、時々ベットがパズルに思えることがありますね。
外来看護師に向いている人
アセスメント能力がある
外来患者さんとは接する時間が少ない分、少ない時間で情報収集して診断を予測したり、先生いがどんな治療をしているか読み取る力が必要です。
さらに、画像も読めたらいいですね。電子カルテ上にCTなどでは撮影後にすぐ送信されますから、患者さんが検査から戻る前に病変が分かれば病室の手配など前もって動きやすいですからね。
ハイ、その通り。師長への耳打ちして病棟の空きを確認する程度です。
病棟勤務者もアセスメント力はあります。外来でのアセスメント力は外来看護師初心者でもそのうち育っていく力です。が、所見のひとにもすぐに応用できる即戦力となりうるアセスメント力を持っていると、雇う側は嬉しいでしょう。
コミュニケーション能力
外来に限らず、看護師であれば必要なものですが。
そうなんです。初診の患者さんは初めて話す看護師に自分の不調を訴えなくてはいけません。その症状が、例えば恥ずかしく思えるような事であっても、です。
自分で言ってますが、確かに怖そうな人に自分が弱ってることはいい難いですから。やっぱり優しそうな感じと訴えを伺う態度は必要なんじゃないですかね。
メンタルの強さ
総合病院ではなくても待ち時間は長く、患者さんはいらいらしています。そのイライラが看護師に向かってくることも。
「そうしてお話を聞いて患者さんが落ち着くならいい」、と思える強さを持っていないと、他人のイライラが自分に伝染してきますからね。ある程度のずぶとさは必須だと思っています。
どんな仕事でも気持ちの強さは必要です。でも、外来では事務的でやりがいを感じにくいという人が多い分、どこでやりがいや役割を見出し、嫌なことを消化できる気持ちの強さが大事なのですよね。
外来看護師って、結局楽なの?
『みかん』はこういっていますが、皆さんはどうでしょうか?
外来看護師をやるとたくさんのタイプの患者さんと合い、いろんな疾患を見ることが出来て経験を積めます。そこでは、すでに診断がついて上ががってきた病棟患者さんと接するのとは違う気づきがあるんですね。
荒波のような外来の中で、仕事や、患者さん、時には先生をもさばく。(と、勝手に思っていますが)こんな中で診察や処置をうまく回せたと思えたら、看護師として自信につながります。
私は楽だと思っていませんが、時間的には外来は家庭と両立がしやすいです。何とかその中でやりがいを見つけ、バランスよく働ける道を見つけていってはいかがでしょうか。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
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