心臓血管外科の看護師転職ガイド~求人の選び方と評判の良い病院を探す方法~
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心臓血管外科とは、脳外科と並んで外科手術を極めることのできる、学びがいある診療科です。
でも良いところばかりではありません。前回、心臓血管外科の看護師の仕事内容について紹介しましたが、突発的な手術や緊急処置も多く、残業や休日出勤も当たり前で燃え尽きてしまう看護師もいるのも事実です。
そうですね。心臓血管外科は緊急事態がつきものではありますが、やりがいや使命感だけでは続けられないのも事実でしょう。
そんな時『れもん』さんの病院のように、それなりに手当や振替休日があれば頑張れることもありますよね。
心臓血管外科でやりがいを追求しつつ、心身のバランスを保って働けるような施設はどのように探したらよいでしょうか。
心臓血管外科のある病院の現状
手術は大病院に集中してきている
心臓血管外科の手術は、技術も難解ですし人工心肺などの設備も特殊で大掛かりな手術です。
また、近年循環器内科のカテーテル治療が台頭し手術件数自体も減っています。
そんな理由から心臓血管外科を掲げることで採算が取れない病院も増え、手術は大病院に集中していく傾向があります。
心臓血管外科をうたっている施設は決して少なくはありません。
しかし施設によっては、診療はするが手術は紹介先病院で行ったり、バイパス手術まではしても高難度の手術は高度医療の病院で行うなどというのが現状です。
内科と外科で分ける余裕が無く、内科も外科も一緒の循環器として運営している施設もあります。
いずれにしても、手術自体がある程度の規模の病院に集中しているのが現状になっています。
医師の評判が大きい
外科手術ではよくあることですが、高名な医師の腕を頼って患者が集中する傾向が心臓血管外科では更に強くあります。
内科治療では治せない、循環器疾患の中でも重症者が心臓血管外科に集まる傾向となっているので尚更なんですね。
このような事情から、更に患者が一極集中する傾向が強くなり、手術を何か月も待つことも稀ではありません。
このような事情から、心臓血管外科をうたっていても診療内容に大きく差があることもあるので転職する時には要注意ですね。
心臓血管外科の看護師求人選び
心臓血管外科へ転職したいと思ったら何を基準に選べばよいでしょうか。
外科手術に関してキャリアアップを目指すなら
「心臓血管外科に特化してたくさんの症例を経験したい」と考えればやはり大学病院やハートセンターなど、地域の循環器の紹介先病院になっているような施設が良いでしょう。
手術件数や手術内容(症例)はどのようになっているか確認しましょう。
また、心臓血管外科は特殊な処置も多いので研修制度などが整っているかも確認が必要です。
急性期から退院指導まで看たいなら
手術件数をこなすことが至上命題な施設は、術後患者が落ち着いてくると退院までのリハビリなどは転院して行うこともあります。
急性期は存分に看ることができても、患者が社会復帰する様子は看られないことになります。
施設数は少なくなってきてはいますが、3次救急ほどの大病院でなくても心臓血管外科の手術を行っている病院はあります。
ゆとりを持って患者を看たい時は、退院後の通院まで継続する総合病院などが良いでしょう。
やはり手術件数や内容と共に、心臓リハビリのシステムや退院後の外来との連携状態などを聞いて、その施設の特徴が自分に合っているか確認しましょう。
心臓血管外科へ転職する際のポイント
症例数に見合うスタッフが配置されているか?
症例数が多くても手術そのものが安全に施行されているか、スタッフに無理がない状態で運営されているかのチェックも大切です。
手術件数も多く症例内容も高度でも、スタッフがかなり残業して手術をこなしているというような現状では、手術自体が安全とはいえません。
手術内容や件数に合うスタッフがいるかどうか、緊急手術の時はどのような体勢を取りどのような対価があるのかを確認しましょう。
オンコールなどの勤務体系の確認
心臓発作は気温の変化する時間に起こりやすいものです。そこで、どうしても早朝や夜間に緊急事態が多くなるため、オンコールという体勢を外せないんですね。
ただ、そういった状況の時にどのようにスタッフを配置しているか、その時の手当や振替休日などはチェックしておく必要があります。
オンコールは仕方ないにしても、どのくらいの頻度で当番が来るのか・その振替や報酬は見合うかどうか確認しましょう。
また、心臓血管外科は心臓発作の多い寒い時期に多忙を極めます。そういった時期は大変でも、ある程度暖かくなったようなときに長期休暇が取れるなどの施設もあるようです。
大変な時期があっても、落ち着く時期も来ると思えば頑張れることもありますよね。
医師が評判の病院の場合
心臓血管外科に関しては、医師の技術がよく評判になります。
手術が集中している医師は、個人名ですぐに検索できます。そのような病院では看護師も最先端の治療や技術を勉強することができるでしょう。
心臓血管外科を目指す以上「高名な医師のチームに入ってみたい」とは一度は考えますよね。
ただ、そういった医師が評判の病院には気をつけた方が良いこともあります。
●求人募集が多くはない
やはり最先端の技術や治療を学びたい看護師が集中するので、自分ではなかなか求人募集を見つけられないことがあります。
それでも、看護師はライフスタイルの変化で退職をする人は沢山いるので、求人を探すのを諦める必要はありません。
一番簡単に求人を探すには、看護師転職サイトがおすすめです。転職サイトに心臓血管外科のようにあまり出回っていない求人がないか相談したら、意外と教えてもらるという例が結構あります。
どの転職サイトを使うべきかは以下の記事を参考にしてみてください。
●転職しやすいチームかどうか
スペシャリストの医師は自分の手術の流れを熟知したチームを持っていることがあります。
手術室スタッフや看護管理者やコメディカルスタッフで構成された「チーム○○(医師名)」を持っていることは少なくないのです。
外科という診療科の特徴上、コミュニケーション技術より外科手術の腕が優先されてしまうことがあるんですね。勉強にはなるかもしれませんが、働きやすい職場かどうかはよくチェックした方が良いでしょう。
また、医師は手術件数をこなすことに追われていることが多く、一人一人の患者と関わる時間はなかなか取れません。
肝心の執刀医とのコミュニケーションが不足しがちになります。
チームとしてフォロー体制が整っているか、通常の患者へのインフォームドコンセントやカンファレンスはどう行っているかなどを確認してみましょう。
心臓血管外科への転職を成功させるために
心臓血管外科への転職を希望して求人を見ている方は、大抵はキャリアアップを目指してバリバリと働きたいという希望が多いのではないでしょうか。
一日も早く優れたチームの中心メンバーになりたいものですが、大切なことは「急がば回れ」だと思います。
高名な医師や施設というだけで決めないで、手術件数・内容・研修制度・勤務体制・報酬などよく確認しましょう。
心臓血管外科は外科手術の分野で特化しています。
高名な医師には患者も看護師も集まるものですが、それだけで充実した仕事ができるかどうかは疑問です。
忙しくてもきちんと見返りがあるような施設なら目標を持って働けますよね。そういった充実感を得るには、良い施設選びをすることです。
心臓血管外科への転職を希望した際には、評判に惑わされない施設選びを心がけましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。