CCU看護師の仕事内容と求人の選び方!ICUとは違う魅力であふれるCCUとは
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そうですね。そして頭文字の意味は、HCUは「High(準集中=準緊急治療)」・ICUは「incentive(集中=緊急治療)」・SCUは「stroke(脳卒中)」です。
そしてCCUのCは、「cardiac(冠疾患)」という意味になります。
ICUとHCUは緊急事態すべてに対応することが多いですが、SCUとCCUは生命レベルの危機が多い脳卒中と心臓疾患に対応する治療室です。
ここでは、冠疾患の超急性期を診るCCUをご紹介します。
CCUとは?
CCUはcardiac care unitの略で、日本語訳すると冠疾患治療室という意味になります。
冠疾患の冠とは、心臓の冠状動脈のことです。
冠状動脈の疾患とは?
冠状動脈とは心臓を取り巻く、心臓の栄養血管のことです。
CCUは、心臓と大動脈系の超急性期を受け入れる治療室ですが、圧倒的に多いのは冠状動脈の異常による疾患です。
冠状動脈が詰まったり、細くなったりして心臓に酸素や栄養を十分に循環できなくなり、心臓がその機能を発揮できなくなるのです。
確定診断がついていなくて冠状動脈のトラブルであることを、おおよそ見当をつけて入室する際の病名は「急性冠症候群(ACS)」となります。
冠状動脈の詳しい状態は分からないけど、とにかくそこのトラブルが予測されるので早々に入室して精査・治療しようという状態ですね。
虚血性心疾患以外のCCU対象の病気
冠状動脈のトラブル以外の心疾患の急性期も、入室対象となります。
- 重症心不全
- 著しい不整脈
- 心臓の弁の疾患
- 腹部や胸部の大動脈疾患(解離や破裂など)
- 感染性心内膜炎
などが主に挙げられます。
CCU治療の流れ
●入室まで
胸痛や呼吸苦で患者が搬送され、おおよそ冠疾患であろうと判断されるとCCUに入室することになります。
しかし、心臓疾患というのはありきたりな胸痛などの症状を訴えるとは限らず、「胃が痛い」「肩が痛い」などと表現することが稀ではないのです。
心筋梗塞などの激痛などは分かりやすいですが、この患者は冠疾患であると判断する材料には何があると思いますか?
はい、ただ、狭心症程度だと心電図上で発作を見つけられないこともあります。心電図などで心疾患は確定されない時は、既往症や症状などから判断しCCU入室を決定します。
●CCU特有の検査・治療「心臓カテーテル(CAG)」
CCUに入室したら、まずは現在の患者の苦痛を取り除く処置(胸痛に対する鎮痛処置や呼吸苦に対する酸素吸入など)と、病状や病名をとらえるための検査が始まります。
CCUへ転職した時は、「CCUと言えば心臓カテーテル」といっていいほど目にすることでしょう。
末梢の動脈からカテーテルを挿入して冠状動脈まで運び、そこから造影剤を注入して冠状動脈の状態をリアルタイムで診ます。
冠状動脈の異常が分かり、すぐに拡張したりステント留置もすることで狭心症や心筋梗塞の治療(PCI)になります。
心房細動のような重症不整脈も心臓カテーテルを用いて治療していきます。
●CCU特有の検査・治療「補助人工心肺」
CCUでは、心肺機能を補助して治療をすすめることがあります。
「IABP」は、心臓に近い大動脈にバルーン留置し、バルーンを心臓の動きに合わせることで心臓の代替をさせます。
「PCPS」は、経皮的に心肺機能を補助するもので、血液循環をたもち脳の血流を保護するためのものです。
いずれも、CCU特有の器材で他の診療科で使うことはほぼ無いでしょう。
●CCU特有の検査・治療「低体温療法」
何とか心肺蘇生がかなっても、血流が不安定な時は脳血流が保てない可能性があります。
日本の医療において心肺蘇生までは必死に試みるものの、脳血流を保てなかった場合、つまり脳死や植物状態になってしまうことについて議論そのものも非常に遅れている現実があります。
確かに、CCUではこういった倫理的な課題を学ぶこともできるでしょう。
●CCU特有の検査・治療「緊急心臓血管外科手術」
また、心臓血管外科も併設していれば、大動脈破裂や解離に対する緊急手術をすることもあります。
CCUの看護師の仕事内容
CCUの看護師の仕事は「心電図に始まり心電図に終わる」といっても過言ではないでしょう。
ただ、転職前から心電図を完璧に読めないとCCUで働けないというわけではないので、安心してくださいね。
急変の早期発見
心臓の疾患は刻々と病状が変化することがあります。その変化を知ることができる、一番早い方法が心電図です。
詳しい表現はできなくても、患者のバイタルサインや訴えと比較しながら心電図を見ていると、段々と心電図が立体的に見えてくるでしょう。
また心電図以外のモニター装置と、フィジカルアセスメントも併用し一瞬にして変化する患者の状態を把握することが大切です。
心臓カテーテル検査の介助
心臓カテーテルはCCUにとって必須の検査・治療になります。
患者は胸痛で悶えているかもしれません。そのような患者の鎮痛処置や酸素吸入などをしながら、点滴キープや更衣、前張りなど心臓カテーテルができる準備をしていきます。
心臓カテーテルそのものの介助と共に、検査・治療中のモニタリングをなどを医師、MEらと共に行います。
医療機器の管理
前述したようなIABP・PCPS・また低体温療法などの治療を行っているときは、患者観察と共にその機器類の管理をMEとともに行います。
また、循環器系の治療は水分量をかなり厳密にコントロールする必要があるので、輸液などもポンプ類を使うことが多くなります。
輸液ポンプやシリンジポンプの管理や評価もしていきます。
ケア
また、患者がいつ回復しててもよいように、患者の保清をし環境を整えましょう。
もし患者に意識が無くても、誰かが触れていることは分かるといいます。患者を励ましながら、ケアをしていきます。
心臓リハビリのスタート
超急性期を過ぎたあとの長期臥床は、治療の進行を妨げますし、更に血流が悪くなる可能性があります。
そこでCCUに居る頃から、動かせる状態になれば座位→立位とリハビリをスタートします。
数日でダイナミックな変化があるCCUは、看護師を飽きさせることは無いでしょう。
CCUの看護師求人選び
実際にCCUのある施設は、それほど多くは無いかもしれません。
CCUが成り立つために施設基準(人員の配置や治療室内の概要などについて)
そこで、地域によっては大学病院やハートセンターに限られてしまうこともあります。
その地域の全ての循環器の施設を調べるのは難しいので、次のようなポイントに絞って看護師転職サイトに相談することをおすすめします。
実際の診療状況を確認!
- 救急搬送台数とその疾患内容
- 行っている検査や治療の内容と件数
- 在籍するスタッフの職種と人数
必要時、各専門家を呼んでも日常的なことは看護師がまかなっているという施設もあります。それでは、CCU本来の看護師の役割は果たせませんし、危険性も増します。
各専門スタッフが常駐しているということは、あらゆる緊急事態に対応する心構えがあるとみえますね。
研修制度・キャリアアップ援助をしてくれるか確認!
研修を盛んに行っていたり、専門看護師の資格を取るバックアップ体制もとっている施設は、CCU全体を良くしようという気概が感じられます。
- 転職や採用されてから、専門看護師の資格をとった看護師がどれだけいるか
- 資格等をとった後の報酬や、とるための援助はどうなっているか
- 研修の頻度と内容
などを確認すると良いでしょう。
CCU勤務で循環器看護師を極める!
CCU・HCU・ICU・SCUと緊急治療をする治療室はいくつかあります。
私はその中でも、CCUほど特殊な機材を用いて繊細な看護をする治療室は無いのではないか、と思います。
微量輸液に分刻みの観察・モニタリング・心電図のチェックなど、他の治療室ではここまで細かいことは求められないでしょう。
キャリアアップ・ステップアップにCCUほどお勧めの場所は無いと言えると思います。
難しいことも多いですが、「転職してみたい」と思い立ったが吉日でぜひチャレンジしてみてください。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。