看護師が親の介護と両立しながら仕事を続ける方法
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看護師が仕事とプライベートを両立する問題としては、まずは出産や育児との関連が浮かぶのではないでしょうか。
しかし、意外と介護との両立で切迫した悩みを抱えて両立に苦しんでいる人も多いのです。
「看護師だから介護はお手の物だろう」と言われてしまっている方の多さにも辟易しますが、現実問題には対処していかなくてはなりません。
看護師と介護を両立するためのハードルとなる点を整理し、両立について考えていきます。
看護師をしながら介護をする時の問題点①体力的な負担
看護師の仕事は、基本的には重労働の領域になります。特に夜勤をしていれば、更に体力を消耗しています。
実際に介護している私の同僚は、「エンドレスに仕事をしている気がして、いつも自分におむつの匂いがしみついている気がした。」と言っています。
彼女は「せめて身体介護の少ない職場なら少しは楽かもしれない」と言って、外来中心のクリニックに転職しました。
看護師は基本的に体力がある方が多いので、気力も張って頑張っちゃうんですね。
しかし、それは長く続く介護の中でもたなくなることもあります。
ハードワークの看護師が、介護をする際にぶつかる最初の関門が過労状態ということは多いでしょう。
体力的な負担を減らすためには?
もし職場に理解があるなら、夜勤を外すor回数を減らす、また時短勤務にしてもらうなどが考えられます。
介護休暇など、介護に関して福利厚生の制度を設けている施設もあります。
こういった制度や職場の理解が無いような職場であれば、転職も視野に入れる必要があるでしょう。
また、デイサービスや訪問ヘルパー、ショートステイといった公的サービスは使える限り活用するべきです。
介護者と被介護者の間に第3者が入ることは、過労状態の予防だけでなく介護の目も行き届きとても大切なことです。
看護師が介護をする時の問題点②経済的な負担
介護をすることで転職をしたり、夜勤の回数を減らしたり夜勤そのものをやめた場合の経済的な痛手は大きいものです。
体力的な問題も大きいものですが、経済的に困窮すれば一家の衣食住に関わります。
自分たちの生活そのものが脅かされるわけですから、その痛手は甚大です。
経済的な問題は、被介護者への愛情だけではどうにもならないシビアな問題となるでしょう。
経済的な負担を減らすためには?
介護保険が使えるといっても、実際の介護にはちょっとした出費がかさむものです。
公的には「介護保険」だけでなく、雇用保険からの「介護休業給付金」などがありますので確認しましょう。
また、私的に契約した生命保険などでも「介護特約」などがついていることがあります。
ただ夜勤ができない場合などは、これらのサービスを駆使しても足りないこともあります。そのような時は、給与の高い他の施設の募集を探すことも必要でしょう。
看護師が介護をする時の問題点③精神的な負担
介護をしている方の精神的な疲労や負担感は、看護師でなくても共通してあるものです。
しかし、看護師特有の精神的な問題があります。
私たち自身、患者の体を拭きながら親の介護は人に任せることを疑問に思う方もいるでしょう。
また、看護師として適切な介護ができると、皮肉なもので被介護者は健康状態を維持でき介護は長くなることもあるのです。
私の同僚も「私が痰の吸引が下手なら、こんなに長い介護にならなかったかも。」と漏らしたことがあります。
一見冷たいように思うかもしれません。しかし、これが介護している看護師の本音では無いでしょうか。
精神的な負担を減らすためには?
介護を長く続けるコツとしてよく言われることは
- 公的サービスの利用
- 介護以外の趣味を持つ
などです。公的サービスを利用しながら、自分の時間も持つようにする事が精神的なストレスを減らしてくれるでしょう。
またもう一点、看護師特有の精神的プレッシャーに対して自分で自分を責めないことです。
そうですね。看護師も仕事が終われば、一人の人間として生活があります。
よく頑張っている自分を認めて、一人の人間としての生活も優先していきましょう。
看護師が介護をする時の問題点④社会的な負担
私が出会った看護師には、介護に関して大きく2種類の考え方に分かれるように感じています。
一つ目は「看護師であるから、できるだけ介護も自分でしっかりしたい。」と思う方と、「仕事は仕事、介護は公的機関を利用していけばいい。」という考え方です。
これは、本当に大雑把な分け方です。
以前は看護師は職業に縛られ自分で介護するのが当たり前、施設に預けるという決断がしづらい風潮がありました。
しかし、今は多種多様な考え方ができるようになっています。
その結果なのかは判断しきれませんが、介護に関して割り切った考え方をしている看護師も増えてきているように感じます。
看護師自らが公的サービスを積極的に利用し、心身の疲労を溜め過ぎないような介護で一般の介護者を啓発することは大切なことです。
ただ、日本社会の中での看護師の立ち位置がまだそれほど高くない現在、看護師という職業に縛られて頑張りすぎている方が多いのも現状です。
社会的な負担を減らすためには?
看護師という職業人が社会の中で示す立ち位置は、特に日本ではまだまだ弱いものです。
結果、介護のような問題が出てくると、「嫁さんが看護師だから」「娘が看護師だから」といった発言があるのでしょう。
これに関しては、看護師自身が変わることも必要です。
看護師であるからこそ、熟知した公的サービスを駆使して介護をすること・仕事の中でもきちんと勉強をしてプロの仕事をすることで、社会に認められていくことを目指しましょう。
看護師が医師の補助だけでない仕事ができるようになれば、家の中でもお手伝いさん的なみられ方は少なくなっていくのではないでしょうか。
介護は伴走の気持ちでのんびりと
介護は長距離走
看護師が両立に苦心することのトップは育児です。
ただ、子どもは成長して自立していくものです。ずっとついていなくてはいけない期間は限られています。
そこで、職場も1歳までや3歳までと育児休暇を設けやすいのですね。つまり、先がある程度見えているので職場もサポートしやすいのです。
育児をする側にしても、その密着する期間に集中する気持ちになります。
老いや病を抱えているのは、被介護者本人です。しかし、看護師の職業病のようなものでつい先に走ってケアしてしまうことがあります。
100m全力疾走してしまうんですね。
しかし介護に関しては、先走りばかりせず「問題が起きたら対応しよう」というような、おおらかなイメージでマラソンの伴走のような気持ちでいる方が良いようです。
看護師の仕事も介護も並走するには?
「看護師のキャリアも介護も諦めない」というのは素晴らしい気持ちです。
しかし、それで疲弊しすぎてしまわないためには、自分の心身のコントロールができるような職場環境を選ぶことが大切です。
私の同僚は転職して良かったと言っています。夜勤が無くなり体力的な負担が減ったこと・それでも同じ診療科に入れたのでキャリアは積み続けられていることがその理由です。
このような職場は一人で探しても難しいことが多いものですね。
そこで一人で悩まず、転職サイトなどに相談して納得いく職場環境を選び、後悔しない介護をしていきましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。