看護師転職大作戦

手当充実の売り文句は危険!?看護師の手当の種類と相場を知ってもっとイイ病院へ!

しくじり師長
ローレンロウ

ナニナニ?「手当が充実の職場です」か……。どんな手当があるんだろ?
「資格手当」とかあるといいわよね。
うんうん!あと「新人手当」とか「未熟者手当」とか。
そんな手当、本人じゃなくて周りの人につけてくれ!って話よ。
……ですよね。

今回は、看護師の給料の「手当」の話です。

手当とは、基本給を補完するもので、対象者に限定して支給されるものです。

募集要項や求人情報には「各種手当あり」や「手当が充実」と記載されていますが、看護師の手当にはどのような種類があるのでしょうか?

また、手当をポイントに転職を考える場合は、どのような注意が必要でしょうか?

看護師の手当について詳しくご紹介します。

勤務・仕事内容に関する看護師の手当と相場

まずは、勤務や仕事に関する手当を見ていきましょう。

夜勤手当

夜勤手当は、文字通り夜間の就業に対して支払われる手当です。

22:00~5:00までの労働に対しては、通常の労働時間の25%以上の割増賃金が支払われます。基本給と所定労働時間から基本給を割り出し、それを1.25倍したものが22:00~5:00までの時給になります。

職場では、この夜間時給相当、あるいはそれに若干上乗せした金額を「夜勤手当」として設定しています。

夜勤手当の決め方には、大きく次の2通りがあります。

  • 「基本給の〇%」
  • 夜勤1回一律いくら
夜勤手当の相場(1回あたり)
三交代制 準夜勤手当 4,076円
三交代制 深夜勤手当 5,023円
二交代制 夜勤手当 10,772円

参考:日本看護協会 2016年病院看護実態調査

時間外手当

いわゆる残業手当です。所定労働時間を超えて勤務した場合、その時間に対して割増賃金(1.25倍)が手当として支払われます。

時間外手当の相場(月額)
時給2,000円、月10時間の残業の場合 25,000円
2000×1.5×10か……。
そういうとこ、早いよね。

休日労働手当

急遽、休日を返上して勤務した場合、その時間に対して割増賃金(1.25倍)が手当として支払われます。

ただし、別日に休みの振り替えを行った場合は、休日出勤には当たらず、手当は支給されません。

特殊業務手当(危険手当)

他の部署に比べ、危険やストレスが多い部署での勤務に対し支払われる手当です。

どんな部署に手当があるの?

国立病院機構では、次の病棟に「特殊業務手当」が支給されています。

特殊業務手当の対象と相場(月額)
重症心身障害児病棟 25,000円
筋ジス病棟 25,000円
せき損病棟 25,000円
神経・筋病棟 25,000円
結核病棟 12,500円
精神病棟 12,500円
集中治療病棟 12,500円

民間の病院でもこれらの病棟のほか、

  • 手術室
  • 救命センター
  • 透析室
  • 放射線科

の勤務に対し、手当(月額数千円程度)が支給されるところがあります。

看護師資格手当

「看護師」という国家資格に対して支払われる手当です。

多くの職場では、看護師と准看護師の手当ての額が異なります。

看護師資格手当の相場(月額)
看護師手当 20,000円
准看護師手当 10,000円

専門資格手当

「専門看護師」「認定看護師」の資格保有または、資格を生かした業務の従事に対し、支払われる手当です。

専門資格手当の相場(国立病院機構の場合/月額)
専門看護師手当 5,000円
認定看護師手当 3,000円
ほかの資格には手当はないの?

どの専門資格に対して手当を支給するかは、職場によってさまざまです。

「専門資格手当あり」は、求人側の「売り」でもあるため、要チェックですね。

管理職手当

職場の管理・監督者に対し支払われる手当です。

「管理・監督者」に相当する役職は、職場の規程に定められていますが、一般的には、次の役職です。

管理職手当の対象と相場(月額)
看護部長(総師長) 80,000円
副看護部長 60,000円
看護師長 45,000円
副看護師長 26,000円

参考:日本看護協会 2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査

退職金手当

退職金って「手当」なの?

退職金は、職場が定める「退職金制度」に基づいて支払われる手当です。

雇用形態や勤続年数によって支給対象、支給額は異なります。

一般的には、3年以上の勤続者を対象とし、

  • 基本給×勤続年数
  • 勤続年数ごとの固定金額制

などで算出されます。

退職金の相場
勤続3年 20~30万円
勤続5年~10年 50万円~200万円

生活に関する手当と相場

勤務や仕事に関するものだけでなく、働く人の「生活」を支えるために支給される手当があります。

地域手当(調整手当)

勤務する地域によって、物価や生活様式は異なります。

地域手当は、このことによる賃金の実質的な不均衡を調整するために支払われる手当です。

地域手当の相場(月額) 8,400円~50,400円(基本給28万円の場合)

地域手当は、基本給の3~18%となっており、都市部のほうが高く、地方都市ほど低くなっています。

通勤手当(交通費)

通勤にかかる費用を補助するための手当です。

通勤手当の対象と支給額は、

  • 自宅から職場までの距離
  • 通勤手段
  • 支給額の上限

などによって、職場の規程に定められています。

手当の支給割合は、職場によってさまざまですが、以下の非課税上限枠が一つの目安とされています。

所得税法上の非課税の上限額(月額)
交通機関を利用する場合 100,000円
自家用車や自転車を利用する場合 片道2km以上10km未満 4,200円
片道10km以上15km未満 7,100円
片道15㎞以上25㎞未満 12,900円

住宅手当

住居費の補助として支払われる手当です。

住宅手当は、

  • 賃貸住居の家賃の一部または全額補助
  • 持ち家の場合、一定額補助

などの方法で支払われます。

住宅手当の相場(月額) 10,000円~20,000円

家族手当(扶養手当、保育手当)

家族手当とは、配偶者や子供がいる職員に対して支払われる手当です。

手当の支給対象となる家族の範囲は、下記の条件などによって職場の規程に定められています。

  • 家族の収入
  • 同居
  • 続柄
  • 年齢制限
家族手当の相場(国家公務員の場合/月額)
配偶者 13,000円
子供一人 6,500円
*16歳~22歳の場合 5,000円加算

民間はこれよりやや少なめとなっています。

看護師の手当について知っておきたいこと

ここまでたくさんの「手当」について見てきましたが、これらの手当がすべて支給されるわけではありません。

でしょうね。

法律的な支給義務がある手当とそうでない手当がある

●支給義務のある手当

法律で支払わなければならない手当は、次の4つです。

  • 夜勤手当
  • 時間外手当
  • 休日労働手当
  • 休業手当、解雇予告手当

これ以外の手当は、必ず支給しなければならないものではなく、いわゆる「福利厚生」に相当します。

●支給義務のない手当(福利厚生)

  • 通勤手当
  • 住居手当
  • 家族手当
  • 退職金手当
  • 特殊勤務手当
  • 資格手当/専門資格手当
  • など

通勤手当や住居手当など「あって当然」と思われている手当も、どこの職場でも必ずあるものではありません。

特に専門資格手当は、「専門看護師」「認定看護師」の資格を持っていても、手当を支給している職場は半数に満たない状況です。

法的義務がある手当も支払われないケースがある!?

ブラックか……。

はい。特に注意が必要なのは、「巧妙なブラック」です。

●管理職扱いにして時間外手当を支払わないケース

労働基準法により、管理監督者は労働時間の適用が除外されています。

看護師長や副看護師長の場合、労働時間の配分に裁量権はなく、実質的には管理監督者ではありません。

いわゆる「なんちゃって管理職」であっても、「時間外手当は支給されない」とされているところが多く、看護師長や副看護師長には時間外手当は支給されません。

また、主任看護師も管理職扱いにし、同様に時間外手当を支給しない職場もあります。

●雇用契約で「みなし残業制」となっているケース

みなし残業制?

あらかじめ、「基本給の中の〇万円は固定払いの割増賃金とする」という方法です。

この契約の場合、時間外勤務が〇万円を超えない限りは、手当が支給されることはありません。

こうした方法を取る職場の多くは、労働時間の管理がルーズで、仮に「〇万円分以上の残業時間があります」と申請しても、「そういう状況は想定していない」などとし、支払いに応じないケースもあります。

時間外手当に限らず、「その手当が、何を対象に支給されるのか」を理解しておきましょう。

職場以外から支払われる手当とは

ここまで上げた手当は、職場から給料の一部として支給されますが、職場以外から支払われる手当もあります。

●出産手当(産休手当)

産休期間中の生活を支える目的で、会社で加入している「健康保険」から支給されます。

●育児休業給付金(育児手当)/介護休業給付金(介護手当)

育児や介護の期間の生活保障ため、復職予定者に対し「雇用保険」から支給されます

●傷病手当

病気や怪我で就業できない期間の生活保障として、加入の「健康保険」から支給されます。

いずれも保険加入期間による支給条件があり、支給には申請が必要です。

手当をポイントに転職先を探す際の注意点

では最後に転職の際の注意点を見ておきましょう。

基本給が相場よりも低くないか

求人情報の中には、手当込みの総額で高給という印象を与え、実のところ基本給が相場よりも低いというケースがあります。

基本給が低いと、基本給を基に算出される時間外手当やボーナスなども低額になってしまいます。注意しておきましょう。

支給対象が厳しく限定されている手当ではないか

「〇〇手当あり」記載されていても、実際は支給対象がかなり限定されており、対外象となるケースがあります。

どのような対象に支払われる手当なのか、自分はその条件にあてはまるのか、可能な限り調べておきましょう。

実は、それほど充実していないのではないか

求人情報の「手当が充実!」ってだけじゃ、詳しいことはわからないじゃん。
「充実!」といっておきながら、それが「時間外手当」だったり「育児手当」だったりじゃ、「ん?」ってなるわよね。
どこが「充実」やねん!

そうですね。手当の実際がどうなのかといった下調べを、自分だけで行うのは簡単なことではありません。

手当をポイントに転職先を探す際には、看護師転職サイトの利用をお勧めします。

手当に関する詳しい情報と、さらに転職コンサルタントの意見を参考に転職先を選びましょう。

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