看護師の夜勤体制~二交代制と三交代制の違いとそれぞれのメリット・デメリット
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二交代制と三交代制には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
しかし、「二交代制と三交代制では、どっちが働きやすいの?」という議論には、一応の結論が出ており、日本看護協会は夜勤体制に関する指針を示しています。
参考:日本看護協会 看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン
二交代制と三交代制ではどっちがいいのでしょうか?
さらに、夜勤体制で転職を考える際の注意点についてご紹介しましょう。
二交代制と三交代制はどっちがいい?それぞれのメリットとデメリット
まずは、貴重な現場の声を聴いてみましょう。
看護師ブログ [ナースはつらいよ]のライターの皆さんに「二交代制と三交代制どっちが良い?」というアンケートを行ったところ、次のような回答が得られました。
<二交代制派の意見>
- 夜勤の勤務時間が長い分、夜勤明けとその翌日が休みとなるため、まとまった休みがとれる(休みの時間が長い)
- 夜勤入り、夜勤明け、休みという流れで、予定が立てやすい
- 三交代では日勤で残業すると、ほとんど休めず深夜勤務に入るため体力的に厳しい
<三交代制派の意見>
- 三交代制は1回の勤務時間が短いので頑張れる
- 二交代の夜勤は拘束時間が長く、仮眠がとれないと朝の申し送りの時間が本当に辛い
- 単純に三交代制に慣れている(家庭を持ったら休みの多い二交代の方が良いのかもしれない)
二交代制と三交代制のメリット・デメリットをザックリと整理すると、このようになります。
夜勤体制 | メリット | デメリット |
---|---|---|
二交代制 | ・勤務の間の時間が長い ・前後の休みと合わせて、まとまった休みがとりやすい ・夜中の通勤がない |
・拘束時間が長い(16時間以上) |
三交代制 | ・勤務時間が短い(8時間) | ・日勤→深夜や準夜→日勤のように、勤務の間の時間が短い ・夜中の通勤がある |
- 三交代 準夜勤4,076円 深夜勤5,023円
- 二交代 10,772円
ひと月当たりの平均額はいずれも40,000円前後で、大きな差はありません。
二交代制と三交代制 働く場所や仕事による違いはあるの?
かつては、二交代制は、三交代制の職場よりも「仕事が楽な職場」と言われていました。
日本看護協会の調査によると、二交代制と三交代制の現状は、次のようになっています。
夜勤体制 | 2016年 | 2011年 |
---|---|---|
二交代制 (夜勤1回あたり16時間以上) |
62.0%↑ | 59.6% |
三交代制 | 35.7%↓ | 41.0% |
二交代制 (夜勤1回あたり16時間未満) |
21.6%↑ | 14.6% |
じゃないです!
病院の規模や診療科別の夜勤体制の傾向を調べてみると、
- 小規模病院ほど「二交代制が多い」
- 一般病床よりも、精神病床、療養病床に「二交代制が多い」(介護施設のほとんどは二交代制)
- 大規模病院は、三交代制から「変則二交代制へ移行」している
ということが分かります。
変則二交代制とは?
上の表をもう一度見てください。
交代制は、16時間以上と16時間未満に分けて統計がとられています。
この16時間未満が「変則二交代制」と呼ばれるもので、時代は今、ココに向かっています!
と、いうのは少々大げさですが、
- 従来の二交代制の拘束時間の長さ
- 三交代制の勤務間の時間の短さ
という両者の大きなデメリットを解消した夜勤体制が「変則二交代制」なのです。
日本看護協会は、ガイドラインの中で「勤務編成の基準(11項目)」を示しています。
なかでも、
- 勤務と勤務の間隔は11時間以上あける
- 勤務の拘束時間は13時間以内にする
の2つの基準は重要なところです。
つまり、三交代制の「日勤→深夜」「準夜→日勤」のような、間が8時間しかないシフトや、従来の二交代制の16時間勤務は、看護師の負担軽減の面で「改善すべきですよ」という提言をしているのです。
そうですね。法律ではないので、すぐにこう変わるというものではありませんが、このガイドラインに沿って夜勤体制を見直す病院は増えています。
いや、そう簡単な話ではありません。
夜勤の時間が短くなると、どうなりますか?
そうです!
夜勤時間を短くしただけが「変則二交代制」ではありません。
日勤の時間を長く(8時~20時)した「ロング日勤」や、早日勤(7:00~15:00)遅日勤(13:00~21:00)で、従来の夜勤部分を補うシフトを組む職場が増えています。
私もコレはどうかと思います。
この「ロング日勤」や「早朝や夜遅い時間の日勤勤務」に対する、現場看護師の抵抗感が強く、夜勤体制の見直しが進んでいない現状があります。
夜勤体制で転職先を選ぶ際の注意点
では、転職を考える際には夜勤体制のどのような点に注意すればよいのでしょうか?
夜勤体制は多種多様
ここまでお話したように、夜勤体制は従来の「二交代か三交代か」の二択ではなくなっています。
とくに「変則二交代制」の変則具合は、職場によってさまざまです。
また、複数の診療科や病棟を持つ大規模病院では、配置部署によって夜勤体制が違うことも珍しくありません。
転職を考える際は、従来の二交代、三交代の固定観念を捨てて、その職場がどういう夜勤体制を取っているのかをしっかりと確認しましょう。
自分のライフワークバランスにあっているか
夜勤があると生活リズムが不規則になりがちです。
自身の健康問題はもとより、仕事と家庭生活とのバランスも考えて、どのような夜勤体制が自分にとってベストかを考えましょう。
看護師転職サイトで詳しい情報を得よう
夜勤体制で転職先を選ぶ場合は、看護師転職サイトの利用をお勧めします。
夜勤体制が多様化し、見直しを行う職場が多い中、転職の判断には最新の正しい情報が不可欠です。
特に、日勤と夜勤の勤務時間が重複していない職場では、申し送りにかかるサービス残業が常態化している可能性もあります。
勤務帯ごとの勤務時間が重複していない場合は、どちらか(申し送る側、送られる側)が時間外勤務とみなされます。
しかし、これを時間外勤務として申請せず、暗黙のサービス残業になっている職場もあります。
転職を考える際は、募集要項や求人情報だけでなく、転職コンサルタントに詳しく話を聞いたうえで判断しましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。