看護師のボーナス事情~賞与の平均金額・支給時期・使い道など~
PRayaka
いいえ、ボーナスの金額や支給される時期などは、病院によって大きく違いますよ。
ほかの看護師がどのくらいボーナスをもらっているのか、どのようなことにボーナスを使っているのか知りたくないですか?
分かりました。
では、看護師のボーナス事情についていろいろ紹介しましょう。
ボーナスの平均金額っていくら?
『桃代さん』、ベテランナースなだけあって、すごい金額ですね。
しかし、もちろん看護師全員が『桃代さん』のように多くのボーナスをもらっているわけではありません。
2013年に日本看護協会が行った調査によると、正規職員(産休、育児・介護など休業中を除く)について、2012年度の賞与総額は、平均998,271円ということがわかりました。
引用:2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書
この金額は平均です。
回答者の多くが80~100万円未満ですが、中には200万円以上という高いボーナスをもらっている人もいれば、20万円以下という安い金額しか支給されなかった人もいるみたいですよ。
ちなみに、『みかんさん』と同年代の20代前半の方のボーナスの平均金額は650,491円で、『桃代さん』と同年代の50代後半の方のボーナスの平均金額は1,359,615円のようですね。
皆さんは、自分と同年代のボーナスの平均金額と比較してみていかがですか?
ボーナスの支給時期っていつ?
はい、多くの病院ではボーナスの支給時期は「夏季」と「冬季」ですが、『れもんさん』のように年度末にもボーナスをもらうことのできるところもあります。
そうです。
夏季のボーナスの支給が6月のところもあれば7月のところもありますし、6月の初旬に支給のところもあれば6月の中旬に支給されるところもあります。
『みかんさん』のために解説しましょう。
実は、ボーナスの支給基準は毎年微妙に違う場合が多いです。
その年の業績や個人の病院への貢献度など、いろいろな項目から支給基準が決められます。
看護師の場合、病院の業績や看護師の勤務期間で査定をしている病院が多いため、働いている看護師ほぼ全員が同じ支給基準となっています。
しかし、中には看護師個人の貢献度や仕事の頑張りによって査定基準が異なることもあるんですよ。
その評価をする時期を査定期間というのです。
査定期間は、多くの場合が夏のボーナスは前年度の10月~3月で、冬のボーナスは4月~9月に設定されています。
その期間中に様々な条件からボーナスの支給基準を決定し、実際に支給するという流れになるんですよ。
ボーナスには査定期間があり、夏季のボーナスは前年度の10月~3月頃、冬季のボーナスは4月から10月頃に設定されています。
1年目の看護師や新人看護師はボーナスをもらえるの?
『みかんさん』、それって本当にボーナスでしたか?
先ほど紹介したように、夏のボーナスの査定期間は前年度の10月~3月です。
この時期は新人看護師は全く勤務をしていません。
そのため、実際には「ボーナス」ではなく、「寸志」程度の支給ではないでしょうか。
支給する理由も、「ボーナスがないとかわいそう」や、「モチベーションを下げないために」などで、仕事に対する評価でない場合がほとんどです。
そうですね。
『みかんさん』は3万円くらいだったとのことでしたが、私は約9万円でした。
しかし、中には新人看護師は6月のボーナスが全くないような病院もありますので、もらえただけありがたいと考えるようにしましょう。
冬のボーナスからは、しっかりとした金額をもらえるようになりますよ。
もちろん、4月入職であればほとんどもらえないでしょう。
しかし、3月入職だった場合、査定期間のうち1か月間だけは働いています。
そのため、ほかの新人看護師の金額+寸志程度受け取ることができる場合もありますよ。
転職者の場合、転職をした時期によってボーナスの金額が変わります。
パートはボーナスがもらえないの?
はい、ボーナスといえば常勤だけの特権のようなイメージですが、パートに対してもボーナスが支給される病院があります。
ただ、すべての病院でボーナスがもらえるというわけではありません。
規模が大きな病院よりは個人病院やクリニックの方がもらえる可能性が高いようですよ。
ボーナスの金額は、その病院やクリニックの院長先生の考え次第のようですね。
夏季と冬季合わせて現金で10万円近く支給されるところもあれば、冬季だけ商品券5000円分などの気持ち程度支給されるところもあります。
私が勤務していた病院では、冬のボーナスだけパートの看護師にも1万円程度支給されていました。
また、調べてみるとお歳暮やお中元のおすそ分けのような「現物支給」のところもあるようですね。
ボーナスの金額は病院によって大きく異なります。
ボーナスがもらえないってこともあるの?
めちゃくちゃ関係あります。
多くの方が『みかんさん』のように、「常勤だったらボーナスがもらえて当たり前」と思っていますよね。
しかし、常勤として働いていても、ボーナスがもらえない可能性があるんですよ。
まず一つ目の理由として考えられるのが、「勤務先の経営状態悪化」です。
経営状態が順調であればスタッフにボーナスを支給する余裕があります。
しかし、ボーナスは給料と違い、必ずしも支給しなくてはならないものではありません。
そのため、経営状態が悪化していれば、まずボーナスが減額、あるいはカットされることとなるのです。
『ゆずさん』の友人のように、ボーナスが最終的になくなってしまったという例は結構あります。
ボーナスがどんどん減額されていったりいきなりカットになった場合は、勤務先の経営状態を確認する必要がありそうですね。
経営状態の悪化というと、『ゆずさん』のように患者さんの数を考えがちですよね。
しかし、最新の医療機器を購入したり、病院の規模を大きくしてスタッフを増やしたり、院内のリフォームをしたりすることでも、経営状態は大きく変わってしまうものなのですよ。
そして二つ目の理由として考えられるのが、「日頃の行い」です。
『みかんさん』、さっきボーナスの査定期間について説明をしましたよね。
いいえ、ゼロになることもあるんですよ。
無断欠勤を繰り返したり、患者さんから頻繁にクレームが入ったり、高額な機器を自分のミスで壊してしまったり…など、査定期間中の行いによってはボーナスがゼロになってしまいます。
真面目に勤務をしていれば問題ありませんが、自分の評価を下げてしまうようなことをしている看護師は要注意ですね。
『みかんさん』はスタッフ全員が同じ査定基準のようですが、あまり安心はしないようにしてくださいね。
特に、規模が小さな病院で勤務をしている方や個人の頑張りがボーナスの評価に響く病院で勤務をしている方は、「自分だけがボーナスがゼロ」となってしまう可能性がありますので、注意をしましょう。
勤務先の経営状態が悪化していたり、個人の頑張りがボーナスの査定に響く場合、いきなりボーナスがゼロになる可能性があります。
規模が大きな病院で働いた方が、安定した金額のボーナスを受け取ることができます。
退職が決まっていてもボーナスはもらえるの?
『みかんさん』、ボーナスをもらってから辞めるのは自由ですが、場合によっては退職が決まっていた場合ボーナスがもらえない可能性もありますよ。
『桃代さん』の言う通りです。
看護師の多くがボーナスをもらってから退職をすることを考えています。
しかし、勤務先の就業規則をよく見てみましょう。
「ボーナス支給月の最終日まで勤務をしていること」や、「退職予定日がボーナス支給日よりも後でなければボーナスの支給はなし」など、病院によってボーナスの支給に条件が付けられていることがあるんです。
実は、このような条件を確認しないままに退職日を決定してしまい、ボーナスがもらえないまま退職になってしまったというケースは意外と多いんですよ。
中には、「6月初旬のボーナスをもらってから辞めたいから、6月末に退職を希望したい」と伝えたら、その時だけボーナスの支給日が7月にずれていたということもあるようです。
確実にボーナスをもらってから退職をしたい場合、必ず就業規則を確認するようにしましょう。
個人経営やクリニックなどの規模が小さい病院の場合、「病院独自のルール」が定められていることもあるため、就業規則の隅々まで確認してくださいね。
ボーナスの支給日がずれる可能性もあります。
就業規則を必ず確認するようにしましょう。
ボーナスを増やす方法
そうですね。
『桃代さん』の言うように、ボーナスが高く設定されている職場へ転職をすることで、ボーナスを増やすことができます。
しかし、ボーナスを増やすために転職をする際、気を付けなければいけないことがあるのですが…。
それは、ボーナスの金額だけで転職先を選ばないということです。
例えば、A病院はボーナスの支給基準が「1年間で基本給の4.0倍」とします。
一方、B病院はボーナスの支給基準が「1年間で基本給の5.5倍」とします。
『みかんさん』、どちらの病院へ転職をしたいですか?
では、もう少し条件を付け加えます。
先ほど例に出したA病院は、基本給が25万円とします。
B病院は基本給が17万円とします。
『みかんさん』、どちらの病院へ転職をしたいですか?
そうです。
A病院は25万円×4.0倍ですので、年間ボーナスは100万円です。
一方B病院は17万円×5.5倍ですので、年間ボーナスは93.5万円です。
基準だけ見るとB病院の方がもらえるボーナスの金額が多いように感じますが、実際はA病院の方がもらえる金額が多いですよね。
例では支給基準と基本給だけで考えました。
しかし、病院によっては個人の頑張りでも支給基準が左右されます。
そのため、A評価なら高いボーナスをもらえるけど、E評価なら支給基準が低くなって、ほとんどボーナスが出ないっていうこともあり得るんですよ。
『ゆずさん』の言う通りですね。
転職をする際、給料やボーナスの支給基準などを確認すると思いますが、提示される例は「去年の実績」の場合がほとんどです。
そのため、転職した年のボーナスはどうなるかわかりません。
そうなんです!
ボーナスの金額は毎年変わりますので、「高いボーナスをもらう」ことに焦点を当てず、「相場程度のボーナスがもらえて、楽しく働くことのできる職場」に焦点を当てて転職活動をしたほうがいいかもしれませんね。
しかし、ボーナスの支給条件などを確認する必要があります。
ボーナスはその年によって異なるため、そのほかの条件もよく考えてから転職をしたほうがいいでしょう。
みんなのボーナスの使い道
『桃代さん』の言う通り、ボーナスの使い方は人によって様々です。
しかし、いくつかのタイプがあるといっていいでしょう。
そのパターンを紹介しますね。
全額貯金タイプ
皆さんはボーナスからいくらかは貯金していますか?
生活スタイルやライフスタイルによって、貯金の割合は違います。
しかし、中には「ボーナスは全額貯金に回す」というタイプの人もいるんですよ。
『みかんさん』には難しいと思いますが、私の周りの看護師にこのタイプは何人かいましたよ。
仲の良い同僚の一人がこのタイプだったのですが、「35歳までに結婚できなかったらマンションを買う」という目標をたて、ボーナスを全額貯金に回していました。
また、「給料は全額使いきるけど、ボーナスには一切手を付けない」という先輩もいました。
給料を好きに使っている分、ストレスなくボーナスを貯金に回すことができていたようですよ。
ご褒美&貯金タイプ
先ほど、ボーナスは全額貯金タイプを紹介しましたが、全額貯金に回すのはなかなかできることではありません。
それに、少しはボーナスを自分のために使いたいと考える方も多いでしょう。
そんな方に多いのが、「ご褒美にも使うけど、貯金もしっかりする」というタイプです。
ご褒美の内容は人それぞれですからねぇ。
『れもんさん』のようにスキルアップのために使ってもいいですし、買い物やエステなどに使ってもいいと思いますよ。
電化製品や家具の購入、車の頭金、海外旅行などにボーナスを使っている人もいましたよ。
私の周りには、エステや脱毛などの美容関係にボーナスを使い、残りは貯金という看護師が多かったです。
ちなみに私はこのタイプでした。
ボーナスから3~5万円だけエステや旅行に使って、残りは全額貯金に回すようにしていました。
無理なく貯金を増やすことができましたよ。
家族のために使用タイプ
ボーナスを自分のために使うこともいいですが、中には「家族のために使う」というタイプの人もいます。
そうですね。
『ゆずさん』のように家庭を持っている方の中には、ボーナスを家族のために使うという方が多いです。
いえ、このタイプは家庭を持っている方ばかりではありませんよ。
両親に旅行をプレゼントしたり、兄弟へのプレゼント代にボーナスを使う方もいるようですよ。
全額使い切りタイプ
確認しますが、『みかんさん』はボーナスをどのように使いますか?
では、貯金にどれくらいボーナスを回していますか?
ほんと、あきれちゃう…と思う方も多いでしょうが、「ボーナスは全額使い切る」というタイプの看護師も意外と多いんですよ。
もちろん、勤務先によってボーナスの支給額は異なります。
ボーナスの金額が少なくて、すぐになくなってしまったという方もいるでしょう。
しかし、中には50万円近くもらっていても、全額使ってしまうという看護師もいるんですよ。
『みかんさん』のように旅行や買いものに全額使っている人もいれば、中には「気が付いたらなくなってた」という方や、「パチンコですっからかん」という方もいるんです。
「ボーナスを思いっきり使うことがストレス解消法!」という方もいるので一概に言えませんが、少しは貯金に回した方がいいのでは…という看護師もいます。
確かに、少しくらい貯金をしたほうがいいと思う方も多いでしょう。
しかし、病院で常勤として勤務をしている場合、夏も冬もある程度のボーナスをもらうことができますので、このタイプの人の中には「今回使い切っても、次のボーナスがある」と安心してしまっている方が多いです。
そのため、ついつい使い切ってしまうのではないでしょうか。
さいごに
いかがでしたか?
看護師のボーナス事情について紹介しました。
ボーナスの支給金額や支給時期、使い道などは人によって大きく異なります。
そのため、自分が納得するような使い方をするようにしましょう。
また、現在「ボーナスが少ない」と感じている方は、ボーナスが多い職場へ転職をするという手もあります。
しかし、ボーナスの金額だけでなく、様々な条件を確認するようにしてくださいね。
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