【救急看護師とは】救急救急の現場で働くナースの仕事内容と処置の流れ
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就職後望むと望まざるとに関わらず、救急看護師に配属されることもありますよね。
また、「転職先として救急看護師に興味はあって募集や求人も見ているけど、実際は何するんだろう」と思っている看護師さんもいませんか?
それでは血管系スペシャリストのれもんさんと、救急看護師の一般的な仕事内容をご紹介します。
転職先として救急看護師を考えているという看護師さんも参考にしてみてください。
救急看護師とは
救急看護師って何をする?
救急看護師とは、いわゆる緊急性のある患者の処置をする看護師です。
緊急性のある処置とは、
- 生命レベルの危機のある患者に対する蘇生処置
- 脳梗塞や狭心症など生命レベルの危機が予測される患者に対する緊急治療
- 生命レベルに危機は無くても、交通事故や骨折などで緊急に診察が必要な患者の処置
などが挙げられます。
そうです。
このような処置が続くとなると不安になるかもしれませんが、多くの救急の現場では人数を多く揃えてフォローしあえる体制を作っているものです。
また、看護師だけが頑張る必要はありません。
医師やコメディカルと協同して、とにかく今最も急ぐ処置ができれば十分なのです。
救急看護師の役割
●刻々と変化する状況に対応する
医師は全身状態を把握したら、状況によっては矢継ぎ早に点滴等治療処置を指示してきます。
救急看護師は、医師と共に治療行為とその結果の把握をしていきます。
例えば意識レベル低下、血圧200台で搬送されてきたら急速に降圧のための処置をします。
他の処置を同時進行しながら、タイミングよく血圧を測り医師に報告、次の指示を受けるといった流れです。
確かに、搬送されてからの大きな流れはある程度決まってくるので、慣れると自然に分かってくるでしょう。
ただ、転職してすぐ、という時などは手の届きやすい所にメモ帳を常備するのも手ですね。
救急の現場では医師と共に患者の状態を把握するという姿勢が必要です。
患者の状態について、医師の指示を待つだけでは手遅れになりかねません。
ちょっと気後れするかもしれませんが、自分が気づいた患者の状態を自分の言葉で医師にどんどん言って良いのです。
そして、次の処置を予測して動くようにしていきます。
●患者本人や付き添いの家族などへ状況の説明
救急外来の目的はあくまでも患者の救命です。
命に別状ないレベルだとしても、一般外来では対応できない患者が来るわけです。
そういった厳しい現場なので、スタッフも否応なく緊張しますし目の前の治療行為に必死になってしまいます。
その結果、本来なら主役であるはずの患者本人や家族などへの説明や対話がおざなりになったり、後手後手に回ってしまったり…ということが起こってしまうんですね。
患者や家族も医療行為による安らぎより、的確な治療での救命や苦痛が取れることを期待してきてはいます。
それでも、一般外来に来られる方に比べて不安は強いものです。
緊張している患者や何がどうなるか予測がつかずおろおろする付き添い者などへ、今何が行われているのか・今後どうするのか・どこに居れば良いのかなどを短的に説明するのは救急看護師の大切な役目です。
大変ですが、その立ち位置を心得ていることが救急看護師としてのやりがいにつながるでしょう。
●患者・家族・医師・コメディカルチームの流れを良くする
救急の現場では、あらゆる職種のスタッフが入り乱れることがあります。
医師は勿論、搬送してきた救急車のスタッフ・検査技師・放射線科技師・ME、状況によっては警察官も来ます。
そうですね。端的に状況を説明して、どの患者に何をしてほしいか・どんなスタンバイをしておいてほしいかなどを伝えましょう。
結果的にスムーズに処置が進みます。
医療チームの連携を取るのも救急看護師の役割となります。
救急処置の一般的な流れ
救急看護師の現場は、救急外来やER、ICU、CCUなどその施設によって色々あります。
行われる処置や件数もそれぞれです。
みかんさんの言うように、一口に救急の現場と言ってもその施設ごとにカラーがあるんですね。
どんな医師がいるか、またどんな設備が有るか、またその施設の方針によっても来られる患者の状態は違ってきます。
しかし、救急看護師として働く以上は基本的な救急処置はできる必要があります。
救急搬送の連絡が来たら
●おおよその状態を予測して準備
例えば、心肺停止の連絡があれば蘇生処置やモニター類を準備します。
外傷の連絡があれば、縫合処置や血液が飛散しないような覆布などの準備などですね。
●かかりつけならカルテ確認
1次や2次救急などでその病院にかかりつけの患者の場合は、カルテで事前情報を確認しましょう。
救急搬送の連絡後3分で着きます、ということも少なくないので出来ないことも多いですが、起こり得る状況の予測はできます。
●どんな処置でも可能なようにストレッチャー・各機器類を場所の余裕を持たせてセッティング
救急の現場はどこも狭いんです。
比較的広くても、処置物品は多いし人はたくさんいるので、結局手狭になります。
ごちゃごちゃして二次災害が起きかねないんですね。
搬送されてきたら
- 患者をストレッチャーに移乗
- 同時進行で状態観察(意識レベル、移乗状態から外傷やその部位と程度、四肢の動きの状態など)
- バイタルサインを確認(血圧はすべての患者に最優先。体温や酸素濃度などは患者の症状に合わせて臨機応変に対応)
- フィジカルアセスメント
- 画像や採血などのデータ集めるため、医師の指示で各種検査へ(検査も優先順位有り)
生命レベルの緊急性があれば、当然すべての処置に優先して救命措置を行います。
五感によるアセスメントと現実的な検査データを駆使して総合的に患者の状態を把握していきます。
緊急処置
患者の状態把握ができたら、相応の処置をしていきます。
そのまま入院になるのであれば、入院に必要な書類の整理や準備をします。
例えば「意識レベルはクリアだったが、右麻痺の状態で救急搬送されてMRIで脳梗塞の診断がついて、加療目的で入院です」といった感じですね。
救急看護師の仕事は、あくまでも搬送された時点での緊急処置です。
ただ目の前の状況を素直に見られて、処置に対応できれば、ひとまず良いのではないでしょうか。これをメリットと考えるか、デメリットと考えるかは人によって違うかもしれませんね。
救急現場でのマル秘エピソード!
看る側も必死、看られる側も必死の救急の現場は人間の生々しさがあふれています。
外見にびっくり
救急搬送されてくる人の中で、身ぎれいにしている人は実は多くありません。
交通事故で搬送されてきて全身ガラスまみれで診察が危険な場合、先に掃除機で吸ったりします。
早く診察にもっていかなくてはと焦って掃除機を操っていると、吸ってはいけないものを吸いこんでしまったり男性の大切な所を吸ってしまったり。
また、一体どこで倒れたのか不思議に思う異臭を放っていたり、倒れた時に失禁していたりも多いですね。
診察以前に保清とばかり、看護師が格闘する場面はけっこうあります。
どちら様でしょうか
また、最近は付き添ってくる人の関係性がどうにも分からないことも多く、娘と思ったら妻だったり思い込みで呼んでしまうとトラブルの元になったりします。
笑える範囲なら良いですが、生死に関わる場合付き添ってくる人の関係性は重要です。
実は内縁関係だったりすると延命処置などに関わる決定ができず、ズルズルしてしまうことも多いんですね。
こんな時は看護師がある程度厳しく、ある程度事情も悟った表情で導く必要もあり大人の対応をしなくてはいけないのです。
本題は?
慌てている患者や付き添いの人の表現はわかりづらいことも多く、点と点とつなぎ合わせるように事情を整理する必要があることもあります。
自分の感情優先で肝心の話が聞けないことも少なくありません。
本当に狂言で救急車を呼ぶ人もいます。
時間の余裕のない救急外来ではイライラするものですがここで焦った方がしくじります。
内面の焦りを隠して、とにかく患者の話を一端は鵜呑みにすることで患者は落ち着くこともあるので、看護師もいわゆる「アンガーマネージメント」が必要なんです。
救急看護師にチャレンジしてみませんか
救急看護師として求人を見ている方・また実際に採用された方・みかんさんのようにイヤイヤ?研修に行かされる方など救急に携わるきっかけはそれぞれあるかもしれません。
興味はあっても、一歩踏み出せない方もいるでしょう。
でも、救急看護師になるには、特殊な資格やスキルが必要というわけではありません。
仕事をしていく中で覚えていくことが沢山あります。
救急看護師に興味を持っている方は、ぜひトライしてみませんか。
それは下記の記事を読んでくださいね!
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。