小児科看護師の仕事内容って?小児科ナースが分かりやすく解説します!
PRyumi
みかんちゃん、ちゃんとわかっているようですね。
私の卒業校でも、新卒の配属希望ランキング1位だったのが小児科。そんなに人気があるのは、子供には本能的に守ってあげたくなる魅力があるから。
では、そんな魅力的な小児科看護師の仕事内容などについて、小児科経験者の私がご紹介します★
「小児科に行きたいけど、どんなことするんだろうなあ」と不安に思っているナースの皆さん!参考になさってくださいね。
小児科で扱う疾患を知っておこう
手術が必要な子供は小児外科を受診したり、小児外科へ転科になるので、小児科は主に小児の内科疾患全般を取扱います。
総合病院・大学病院・子供専門病院によって専門医のメンツが違うので、病棟の造り・扱う疾患も違ってきます。
肺炎、喘息などアレルギー疾患・腎疾患などの代謝性疾患が主ですね。病院の分類と疾患については後で詳しく記しますね。
小児看護師の役割
患児の療養上の世話
大人の病棟と同じように、処置介助・保清・検査への移送・疾病に対する指導を行います。ただ、違うのは、必要な処置であっても、発達段階に応じた説明や関わりが必要だという事。
子供は単なる大人の縮小版ではないので、子供の特性をよく理解したうえでの関わりが必要なんです。
子供のことを理解した上で優しく声掛けをして点滴介助しても、ものすごい勢いで蹴り飛ばされることも多いんですけどね…。
はい、私の先輩は点滴の刺し直し介助をしていて、メガネが曲がりました。
保育的な仕事
子供の毎日のお世話をします。子供は日々成長居ていきますから、その成長に合わせた保育も必要。
- 乳児にミルクをあげる
- おむつ替え
- 散歩
- 読み聞かせ
- 寝かしつけ
- 七夕やクリスマス会など行事への参加
そうなんですよね~。小児科にいる子は、「今、たまたま病気を抱えている状態」。
本来は発達に応じた養育をされたり、情緒が育つ関わりや、遊びなどの楽しみが与えられるもの。
子供が育つために必要なかかわりをすることも、小児科看護師の仕事なんです。病院のママみたいなものですね。
保護者のケア
●保護者の精神面でのケア
小児科病棟は、総合病院以上のところはほとんどが「完全看護」。入院中は、面会時間が過ぎると保護者の方には帰っていただきます。
面会時間終了時に鳴り響く「子供たちの鳴き声の大合唱」は、ナースも辛いけどママたちもツライ。
更に子供を入院させている親御さんはナーバスになっていて…
そんな親御さんたちの不安を少しでも軽くするために、昼間の様子などを保護者に伝えるのも、小児科看護師の役割。
「今日はお散歩で、タンポポを見つけて喜んでいましたよ」
「点滴の刺し直しを頑張りましたよ」など、
お子さんの様子を伝えることで、保護者の方も「ずっと泣いてるわけじゃないんだな」「意外と細かく見てくれてるんだな」と思ってくださいます。
面会前後の環境に心を砕くことは重要なんです。
もし、面会に来た保護者が散らかった子供のベットをみたら、「うちの子は汚い環境で雑に扱われているのでは?」と不安になります。
また、面会終了時に保護者と離れるのが寂しくて大泣きをしている子供をそのままにして帰るのも辛い。
「面会前には部屋をきれいに、面会終了時には泣いている子供を看護師があやす」は鉄則です。
そうそう、新規入院が続くと泣く子が多いものですから、ナースステーションに大人数が集まります。
●保護者への退院指導
子供の看護が退院後、継続して保護者の手によってなされる場合、指導が必要です。
- 喘息のお子さんのママに、呼吸状態の観察方法、吸引・吸入の仕方
- 重症の便秘のお子さんに、腹部マッサージや浣腸の仕方
- 痙攣のお子さんに、痙攣の観察や応急処置の仕方
など。保護者の方にも、不安なく退院を迎えていただきたいですよね。
小児科看護師の仕事内容
病棟の場合
●総合病院の小児科
- 肺炎
- 喘息の重責発作
- 腎盂腎炎
- 腸炎による脱水
など、アレルギーや感染症などに起因する疾患が多いですね。入院期間は1週間~1か月くらいです。不明熱など重症例は子供専門病院へ転院になります。
子供が安静を保ち、少しでも疾患について理解でき、治療がスムーズに進むように援助します。
●子供専門病院
こども病院は発達段階と疾患別に病棟が分かれていて、配属先次第で仕事内容が違ってきます。
幼児の外科 | 食道閉鎖術後・イレウス・側彎 | 乳児の循環器 | 心肥大・心室中隔欠損 |
---|---|
学童の内科 | 糖尿病・クッシング症候群・白血病 |
発達段階でも子供の状態は違いますから、病棟の雰囲気の違います。
はい、例えば血液内科の多い病棟内では、ターミナルケアもあり、当然子供の看取りや死後の処置もあります。長期入院になる子供はストレスを抱えるため、新人看護師いじめをすることも。
外科では術前指導・術後管理などを行います。
外来の場合
クリニックを受診する子供の疾患はアレルギーや風邪が多いですね。
診察の介助のほか、外来で完結できる検査介助を行います。喘息の吸入などの処置、乳児健診や予防接種などの介助など。
子供専門病院など大きなでは検査(MRIやCT)前のセデーションや眼科診察前の点眼などです。
でも、接する時間が短いからこそできる看護もありますよ。子供が喜びそうな声かけをしたり、ママが安心できるような雰囲気を作るなどね。
そんな関わりが出来たら良いですね。
小児看護師の1日
8時半:申し送り・本日の指示の確認(検査、処置)
9時:受け持ち患児の状態の確認(点滴漏れの有無や皮膚の色、バイタルなど)・点滴準備・環境整備
10時離乳症の子供のおやつ・外来での診察がある子の移送・清拭・朝の抗生剤投与・いける子供のお散歩準備
11時半:配膳・食事介助
12時:下膳・内服与薬・歯磨き介助、お昼寝準備(寝かしつけも)
12時半:昼休憩
13時半:検温・記録
14時:午後の抗生剤投与・面会前の環境整備
15時:おやつの配膳・介助・保護者とコミュニケーション
16時:申し送り
17時:就業
このほか、食事前や検査の前はおむつ替えをしたり、トイレに誘導します。緊急入院、急変への対応は成人の病棟と同じ。
ですが、子供のお世話などやることも多いんです。
その他、腎炎でベット上安静が必要な子供がベット上で飛び跳ねる・禁飲食の子供が他の子供のおやつを盗むなど。
子供は思いもよらぬことをするものですから、対応している間、記録が終わらず…。まあ、定時で上がることが出来るのは深夜入りの前くらいですかね。
子供が好きだけでは出来ない
看護+育児(養育)をするのが小児科看護師。
子供は24時間可愛いわけでは無いですし、中には小児科看護師を批判ばかりする子供もいます。
相手が子供であっても、人間同士ですから相性もありますし、子供好きだけではできない仕事です。
それでも、自分の関わりによって少しでも子供が成長した・病態が良くなると本当に本当に嬉しいものです。
何より子供の笑顔って本当に無垢で、多少の悪さをしてもやっぱり愛おしく感じてしまうもの。
成人の病棟とは違ったやりがいが見つけられる小児科看護師。一度経験したら、「小児以外はやりたくない」という、魅力を見つける人もいます。
ちょっと他には無い小児科の魅力を、あなたも知ってみませんか?
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。