看護師が海外で働く方法【アメリカ・イギリス・オーストラリアの3か国を徹底解説!】
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最近では、日本を飛び出して海外でも看護師として活躍したいと希望する方が増えてきていますよね。
今回は特に人気があるアメリカ、イギリス、オーストラリアでの看護免許取得方法をまとめてみました。
アメリカで看護師として働きたい!
医療先進国のアメリカで看護師として働くことにあこがれている方が多いのでは?
では、アメリカで正看護師(RN)として働くにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは、すでに日本での看護師免許があり、臨床経験があることを前提にお話ししますね。
ステップ1:CGFNSにて経歴審査、さらにCGFNS認定試験に合格する。
アメリカは日本のようなアメリカ看護師国家試験(NCLEX-RN)があるのですが、その試験の受験資格が州単位で違うんです!
そのため、まずはCGFNS(Commission on Graduates of Foreign Nursing School:外国看護学校卒業生審議会)にて、いままでの経歴を審査し、看護婦になるための条件を満たしているかチェックしてもらいます。
これを「CNSレポート」と言います。
CNSレポートのチェック項目は以下の通り
- 英語:TOEFL iBT75、IELTSアカデミックモジュール各7.0以上
- 高校卒業資格
- 日本の看護教育課程の査定
- 日本の看護師免許
さらに、ほとんどの州では「CGFNS認定試験」という試験を受けなければなりません。この試験に合格して初めてNCLEX-RNの受験資格が得られます。
ただし、一部の州で英語力の査定のみでCGFNS認定試験がないところもあります。ぜひチェックしてみてください!
ステップ2:アメリカ看護師国家試験(NCLEX-RN)に合格する
まずはオンラインか電話にて受験登録をして、指定された試験会場で試験を受けるシステムです。アメリカ本土以外ではグアムやカナダでも受験できます。
ステップ3:NCLEX-RNに合格後、看護師として登録完了!
なおビザサポートはしてくれないので、ビザサポートしてくれる就職先を探す必要があります。
詳しい内容はこちらへどうぞ:NCLEX-RN
イギリスで看護師として働きたい!
ナイチンゲールを輩出した看護の本場、イギリス。イギリスで看護師として働くにはどうすればいいのでしょうか?
日本は正看護師になれば基本的にどこの科でも働けますが、イギリスは専門看護師制があって、看護師は、成人(一般)看護、精神看護、学習障害看護、小児看護に分かれています。
もし、日本で専門看護師として活躍している場合、専門性がばっちり活かせそうですね。
しかし、日本のように非EU圏の看護師がイギリスで働くための手続きがちょっと複雑。
ステップ1:まずはNMC(Nursing and Midwifery Council:看護助産審議会)に登録のための書類準備をする
NMC登録のために必要な書類は以下の通りです。
- 英語:IELTSアカデミックモジュール各7.0以上
- 看護専門分野に関係する部署での12ヶ月以上の就業経験(正社員、パート関係なし)
- 厚生労働省から発行される英文看護師免許証
ステップ2:NMCに登録のための2つの試験を受け、合格する
必要書類を提出すると、ここで試験を二つ受けます!
●第一試験:Pearson VUEが行うコンピュータ試験と査定
必要な知識を問うコンピュータ試験です。Pearson VUEが主催しているので、自分で試験の予約をします。
ここで必要な書類も準備します。
- 出生証明書
- 雇用されていた病院などからの推薦状二通
- 看護教育課程(看護学校・大学など)の成績証明書。(各科目の講義時間と実習時間もくわしく明記)
●第二試験:OSCE(Objective-Structured Clinical Examination)
第一試験が受かったら、実際の業務をシミュレーションするOSCE試験を受けます。こちらの試験は指定された大学で行われるため、自分で試験の予約をします。試験の際に対面でのIDチェックも同時に受けます。
ステップ3:二つの試験結果が合格なら看護師として登録完了
なおビザサポートはしてくれないのでビザサポートしてくれる就職先を探す必要があります。
詳しいことはこちらをどうぞ:Nursing and Midwifery Council
オーストラリアで看護師として働きたい!
看護を学ぶのに人気のオーストラリア。
アメリカやイギリスと違って、学歴により看護師免許の取得方法が変わります。また、看護大学を卒業すれば免許が交付されるので、国家試験がないのも大きな特徴。
AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency:オーストラリア医療従事者規制機関)にて英語力と看護師としての査定を受けます。
1.日本の看護学学士号持ちで、正看護師免許を持っている場合
●ステップ1:英語の証明と必要書類の提出と審査
- IELTSアカデミックモジュール各7.0以上もしくは、
- OET(Occupational English Test)スコアB以上
必要書類はこちら
- 高校や大学での成績証明
- 日本の看護免許の英訳
- 職歴の証明書
- 勤務していた医療機関からの推薦書など
●ステップ2:EPIQ-RN(Entry Program for Internationally Qualified Nurses)コースを受ける
審査がOKならば実際に病院などで12〜24週ほどの研修プログラムを受けます。
●ステップ3:プログラムを修了すると看護師登録が出来ます。
ただし、ビザサポートはしてくれないので、ビザサポートしてくれる就職先を見つけなければなりません。
2.日本で専門卒、短大卒で正看護師免許を持っている場合
●ステップ1:看護大学のコンバージョンコースに入学し卒業する
コンバージョンコースは1年間のものがあるがほとんどが2年コース。現地の看護学部に編入して、学生と共に学び、単位を所得し卒業する。
●ステップ2:AHPRAに看護師として登録
卒業すると看護師免許が交付されます。免許を持って看護師登録すればOK!
ただし、ビザサポートはしてくれないので、ビザサポートしてくれる就職先を見つけなければなりません。
ちなみに筆者は2のパターン。
コンバージョンコースを修了して看護師免許取得しましたよ〜。
実際に現地の学生と一緒に勉強できるし、実習も体験するので楽しかったですよ。
詳しいことはこちらへどうぞ:AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency)
免許取得で終わりではない!最大の難関はビザサポート先を見つけること
アメリカ、イギリス、オーストラリアで看護師として働くための方法をご紹介してきました。
どれも免許取得まではちょっと大変ですが、出来ないことはありません。しかし、最大の難関は看護免許を取得してからなんです!
実は、少し前までは看護婦不足で外国人看護師の雇用も盛んでした。しかし最近は、看護師がある程度足りている状態なので、外国人看護師を雇用しようという動きが少なくなってしまいました。
つまり、働きたくても就労ビザのサポートをしてくれる医療機関が見つからないために就職できないという問題があるんです。
特にこの問題はアメリカ、イギリスで深刻です。
その国で看護師として働きたい場合、ビザサポートがなくても仕事が出来るならば就職のチャンスはありそうです。
たとえば、配偶者ビザを持っているとか、永住権をもともと持っていた場合とか。
また、都市部では看護婦が足りていても、地方では看護師数が足りないなんてことがあります。
即戦力になる優秀な看護師はどこでも欲しがるので、よーくリサーチしてみるのもいいかもしれませんよ。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。