看護師のためのハローワーク失業給付(失業手当・失業保険)の手続きガイド
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はい、そこから先はお任せくだい。
ところで『みかんちゃん』、失業手当はどうやってもらうのかご存知ですか?
自動的!?世の中そんなに甘くはありません。
失業手当の受給には、ハローワークでの手続きが必要です。
今回は、失業手当の手続きを中心に、ハローワークの機能や利用方法についてご紹介しましょう。
看護師も使うハローワークの機能
ハローワークは、正式には「公共職業安定所」という国の行政機関です。
ハローワークでは、求人の紹介や職業相談だけでなく、雇用保険によるさまざまな手当の給付を行っています。
このなかで、転職する看護師に大きく関係があるのは、
- 失業給付(求職者給付の基本手当)
- 求人探し
の2つです。
失業給付(失業手当・失業保険)って何?
失業給付とは
失業中の生活の安定と、再就職に向けた支援である「雇用保険制度」の一つです。
失業給付には、
- 基本手当
- 就職促進給付
- 教育訓練給付
- 雇用継続給付
がありますが、いわゆる「失業手当」は、この「基本手当」を差します。
給付を受ける条件
失業手当を受けるには、2つの条件があります。
●在職期間(雇用保険加入期間)
離職の日以前2年間に、雇用保険の加入期間が通算して12か月以上あること。
雇用保険は、ほとんどの労働者が加入しなければならない強制保険です。
職場が加入の手続きを行い、保険料は毎月の給料から「天引き」されています。
●再就職の意思がある
もう一つの条件がコレです。
ハローワークでは、失業の状態を、
『就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない状態』
としています。
つまり、「失業手当をもらってゆっくり―」は、就職しようとする積極的な意思がない?と捉えられてしまいます。
このほかにも、以下の状態に当てはまる場合は、「失業の状態」とみなされず、原則として給付は受けられません。
- 病気やケガですぐに就職できない
- 妊娠・出産・育児・介護などですぐに就職できない
- 結婚して、しばらく家事に専念する
- 自営業をしている(またはその準備をしている)
- 学業に専念する
- パートやアルバイトをしている
- 就職の内定を受けている
どのくらいもらえるの?
失業手当(基本手当日額)は、離職した日の直前6か月の毎月の賃金(ボーナスは除く)の合計を180で割った「賃金日額」の50~80%が支給されます。(年齢ごとの上限あり)
また、在職年数と退職の理由によって給付日数が決められています。
在職年数10年未満 自己都合による退職の場合 | 90日 | 10年以上20年未満 自己都合による退職の場合 | 120日 |
---|---|
20年以上 自己都合による退職の場合 | 150日 |
失業給付(失業手当・失業保険)の手続きの流れ
全体の流れ
まずは、失業手当を受ける全体の流れを見ておきましょう。
離職(職場から雇用保険被保険者離職票を受け取る)
*離職票を受け取るのに数日~1ヶ月ほど時間がかかる場合があります。
↓
ハローワークに行き、求職の申し込み(→①)
↓
待機期間(7日間)
↓
受給説明会(→②)
↓
初回認定日
↓
給付制限期間(→③)
↓
4週ごとの認定日(→④)
↓
失業の認定と基本手当の支払い
↓
就職または支給終了
①ハローワークに行き、求職の申し込みをする
職場から離職票が届いたら、居住地の管轄のハローワークで求職の申し込みをします。
受給資格があるか確認後、受給説明会の日時が伝えられます。
②受給説明会
これは、とても大事な説明会です。指定された日時に必ず参加しましょう。
給付を受ける流れや求職活動の認定について、詳しい説明があります。
「雇用保険受給資格者証」(ココに手当日額と給付期間が書かれています)と「失業認定申告書」を受け取ります。
③給付制限期間
手続きが終わったら、すぐに手当が支給されるわけではありません。
自分の都合で退職した場合は、3ヶ月間の給付制限があります。
手続き後3ヶ月は、失業手当の支給はありません。そこからさらに28日後の認定日を経て、ようやく初回(28日分)の失業手当が支給されます。
④認定日
期間中は4週間に1回の指定された日(認定日)に求職活動の実績と、期間中の就業の有無(短期や単発の仕事、内職も含む)を申告します。
この認定日にハローワークに行かなかったり、申告に不備があると、期間中の給付は受けられません。
求職活動の実績とは
認定日に申告する求職活動とは
●ハローワークの利用
ハローワークの求人検索端末やファイルの閲覧は、求職活動と認められます。
ただし、窓口に申請し確認を受けることが必要です。
このほか、求人への応募、その相談(問い合わせ)も求職活動となります。
求人探しの窓口と失業手当の申告の窓口は、別部署(施設によっては別フロア)になっています。
●看護師転職サイトやナースセンターでの職探し(相談・紹介等)
失業手当受給中も、ハローワーク以外での求職活動を行うことができます。
ハローワークには、利用した機関と転職活動の実際(応募、相談など)を申告します。
●広告やHPでの求人に応募
ハローワークや転職サイトを利用せず、直接の応募(問い合わせ、見学も含む)も求職活動として申告します。
このほかにも、ハロ―ワークで行われる各種講習やセミナーの参加も求職活動として認められます。
残念ですが、
- ネットで求人情報を閲覧しただけ
- 知り合いに紹介を依頼しただけ
は、求職活動として認められません。
万が一、給付期間中に働けなくなったときは?
給付期間中に病気やケガ、妊娠・出産、育児・介護などで働けなくなったときは、受給期間の延長が可能です。
給付期間は原則、離職日から1年間ですが、基準を満たせば所定の手続きのもとで、最大3年間の延長が可能です。
不正受給は絶対にダメ!
次の行為は「不正受給」とみなされます。
- 求職活動の実績がないのに、あると申告した
- 失業期間中の就労や労働収入を申告しなかった
- 就職したことを申告せず、失業給付をもらい続けた
こうした不正受給には、失業給付の支給停止や返還命令、場合によっては全額返還とともに、不正に受給した金額の2倍の金額を支払わなければならないという重いペナルティがあります。
厳密にいえば、不正受給ですね。
ただし、求職活動でウソの申告をしない限りは、咎められることはありません。
再就職が決まったら
ハローワークの紹介に限らず、いずれのルートでも再就職が決まったら、ハローワークへの報告が必要です。
再就職の前日または、再就職日の前に次の認定日がある場合は認定日に、ハローワークに再就職が決まったこと(再就職先・再就職日)を報告しましょう。
再就職手当
早期に再就職が決まったら際にもらえる給付金です。
●受給要件
支給日数が、所定の1/3以上残っていることが条件となります。(基本手当日額の50%の金額×残日数)
さらに、2/3以上残っている場合は、基本手当日額の60%の金額×残日数が支給されます。
このほかにも、
- 1年を超えて就業することが見込まれている
- 離職前の職場への再就職ではない
- ハローワークでの求職申込み前から採用が内定していた就職ではないこと
などの条件があり、再就職手当支給申請から約1か月後に確認調査の上、支給決定、支払いとなります。
就業手当
「再就職手当」の対象外となる1年を超える見込みのないパート・アルバイトなどの仕事に就いた場合に支給される手当(基本手当日額の30%の金額×残日数)です。
支給日数が、所定の1/3以上かつ45日以上あることが条件となります。
失業手当は再就職を支援する制度
看護師の転職に関連して、よく耳にする「失業手当」ですが、以上のような仕組みになっているんですよ。
雇用保険による失業給付は、あくまでも早期の再就職を支援するものです。
給付期間中も、看護師転職サイトなどを利用して積極的に求職活動を行い、希望の転職先をを探しましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。