転職する看護師の「自己PR作成術」を採用担当者の看護師長が教えます!
PRローレンロウ
……、ナンスカそれ?
いやいや、そうじゃなくて……。
もう、めんどくさいので、本題に行きます。
転職で「自己PR」をどうすればいいのか悩んでいる人も多いことでしょう。
自分の良いところをアピールしたほうが印象は良くなるだろうけど、やりすぎて微妙な空気にはしたくないし、そもそもアピールできることもないし……。
そのような「自己PR」に関する悩みを一気に解決しましょう。
自己PRと志望動機の違い
自己PRと志望動機は、混同しがちですが微妙な違いがあります。
看護師の転職を例に説明しましょう。
私はこの病院で働きたいと思っています。なぜなら、
- この病院ではこんな看護が実践できるから
- 自分の経験やスキルを役立てることができそうだから
- 自分がさらに看護師として成長できそうだから
- (給料や労働条件がいいから)←ココは言わない
です。
これが「志望動機」です。
で、なぜそう思う(志望動機)のかというと、私はこんな人間
- 性格(自己PRでは長所)
- 経験したこと/そのうえで考えていること
- 努力していること
- 興味や関心があること
だからです。
なので、「私がこの病院で働くことは、病院にとっても私自身にとってもいい話だと思うのですが、いかがでしょうか?」
これが「自己PR」です。
つまり、志望動機と自己PRはつながっています。
良い自己PRとは、「志望動機の信ぴょう性を高めるもの」です。
看護師の転職では、何を自己PRするか?
自分の性格や経験上の考えなど、自己PRできる材料はたくさんあります。
ただし、何でもかんでもアピールすればいいというものではありません。
転職の自己PRで使えるネタ
看護師の転職の自己PRでは、以下のようなことがネタとして使えます。
- 臨床経験の中で、感動したこと
- より良い仕事をするために努力や工夫していること
- 看護師としての感性を磨くために、看護以外で行っていること、心がけていること
- 育児や介護と仕事を両立するために工夫していること
採用には不利になりがちな「転職が多い人」や「ブランクがある人」でも、アピールできるものはあります。
- 多くの職場を経験して培ったこと
- 看護の仕事を離れて経験した、人間性や社会性の成長につながること
自己PRは具体的に
単に「積極性がある」とか「責任感がある」「協調性がある」などの抽象的な言葉では、画一的な印象しか与えず、自己PRとしての効力はイマイチです。
「行動力がある」「やさしさを大切にしている」「協調性がある」「明るい」「慎重」「頑張り屋」、これらの言葉は、誰しもが使っている言葉です。
たしかに。
でも、「責任感」と一言で言っても、
- 仕事のどういう部分に責任を感じるのか
- 責任感のある行動ってどういうことを指すのか
は、人それぞれです。
採用担当者は、その「人それぞれの部分」を見極めたいのです。
抽象的な言葉が作り出す画一的なイメージでは、何も判断できません。
自己PRには具体性が必要と覚えておきましょう。
看護師が自己PRでやってしまいがちなこと
では、ここからはやってしまいがちな「残念な自己PR」を見てみましょう。
自分自身ではなく、経験や資格のPRをしてしまう
自己PRは、経歴や資格の紹介ではありません。
経歴や資格だけアピールしても、その経歴や資格が持つイメージだけが印象付けられてしまい、その人の魅力は伝わりません。
華々しい経歴や、多くの資格を保有している人ほど陥りやすいため注意しましょう。
自己PRと人に与える印象が乖離している
短い期間に転職を繰り返しているのに、「忍耐力がある」といっても「ん?」と思われてしまいます。
特に面接では、話の内容以上に、声のトーンやボディランゲージなどが「印象」に大きな影響を与えます。
ボソボソとした声で、しっかりと目を見ることもなく、どう見てもコミュニケーションが得意には見えないのに、「コミュニケーション能力があります」といっても「どこが?」と思われてしまうでしょう。
アピールしたいことと、自分の印象がかけ離れていないかチェックしておきましょう。
自己PRできるところがないと思い、無理やり作ってしまう
そういう人が、「協調性がある」とか「コミュニケーション力がある」とか「とにかく頑張り屋です!」などの、中身のない自己PRをしがちです。
こういう求職者を見ると採用担当者は、「PRすることもない人」ではなく、「自分をちゃんと理解することができない人」と思ってしまいます。
本当に自己PRできるところがありませんか?
転職は、働き方や人間関係が変化する「自分を見つめなおす」重要な転機です。よく考えてみましょう。
職場のニーズに見合わない自己PRをしてしまう
「職場のニーズ」「志望動機(なぜここで働きたいのか)」「自己PR(自分の強みをどういかしたいのか)」にはつながりがあります。
職場のニーズに見合わない自己PRをしてしまうと、「ここの仕事をよくわかっていないのでは?」と思われてしまいます。
自己PRによっては、その職場の仕事への向き不向きが判断されることもあります。
特に、未経験の分野への転職を考える場合は、「職場のニーズ」に合った自己PRであるかを注意しておきましょう。
履歴書と面接 それぞれの自己PRで注意すべきこと
履歴書に書ける自己PRは、せいぜい300文字程度です。
アレもコレも書こうとせず、1点に絞って志望動機とのつながりのある具体的な自己PRを記述しましょう。
誤字脱字はもちろんのこと、伝わりにくい文章になっていないかも注意しましょう。
面接では、履歴書の自己PRを自分の言葉に直し、300文字では語り切れなかった部分を補足しましょう。
看護師転職サイトでは、コンサルタントによる履歴書作りや面接対応のアドバイスを受けられます。有効に活用しましょう。
「私は、どんな相手とでも協力的な関係を築くことができます」
はい。面接官もそこに食いついてきました。
「私は、職種や経験、立場の違う人間関係の中で調整役を担ってきました。対立する関係にあっても、意見を最後まで聞くことだけは欠かさずに行ってきました。その結果、どんな相手とでも、仕事上は協力的な関係を作ることができると自負しています」
と自己PRし、無事採用となりました。
ウソはいけませんが、多少の盛りは必要です。
就職後は、その自己PRが「ハッタリではなかった」と思われるように頑張りましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。