日勤だけで楽?知っておきたいデイサービス看護師の仕事内容と働き方
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デイサービスは、育児や介護と両立したい人やブランクがある人にも人気の職場よね。
はいはい。
『みかんちゃん』のように、「デイサービスの看護師は楽そう」という、安易な考えで転職に踏み切ると、いろいろと問題があるかもしれませんね。
そうならないために、デイサービスの看護師の仕事についてご紹介しておきましょう。
デイサービスってどんなところ?
健康な高齢者を対象とした「通所介護」
デイサービスとは、要介護認定を受けた健康な高齢者を対象に、施設に通所してもらう形で介護サービスを提供する事業です。
高齢者なので、何らかの持病がある利用者は多くいますが、それらの病状は安定しており、少なくとも入院を必要としない状態です。
もともとは、医療依存度の高い利用者は少ないとされていましたが、近年、吸引が必要な方や、胃ろうや酸素療法中の方でも受け入れ可能とするデイサービスも増えています。
こうした利用者を対象に、
- 食事や入浴などの生活支援
- 日常動作訓練
- レクレーション
などのサービスを提供しています。
デイサービスの施設数と背景
デイサービスは、ほかの介護事業同様、施設数は年々増加しています。
医療法人や社会福祉法人のほか、別分野から新規参入した民間企業の運営する施設も多くあります。
デイケアとの違いは?
名称もサービス内容も似ている事業に「デイケア」というものがあります。
デイケアとは、通所リハビリのことで、医師の指示のもと、病気やケガ、老化などで衰えた身体の機能を回復するためのリハビリを行うものです。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの、リハ専門スタッフが常駐しています。
これに対し、デイサービスで行われる日常動作訓練は、医療的な回復、改善を目的としたものではなく、機能訓練と位置づけられています。
お泊りデイとは?
「お泊りデイ」って聞いたことはありませんか?
そうですよね。そのあたりの疑問は、働く看護師にとっても関係があることなので、ちょっと整理しておきましょう。
●「お泊りデイ」は介護保険適応外のサービス
日中のデイサービスは、介護保険によるサービスですが、「お泊りデイ」は自費サービスです。
法的規制のない中で、不適切な状況でのサービス提供の実態が問題となり、厚生労働省は2015年にガイドラインを作成し、人員基準や施設基準を示しています。
また、東京都など一部の自治体では、もっと明確な運営基準を設けています。
このように、法や制度が後追いとなってしまう背景にはどんな問題があると思いますか?
そうですね。
介護が必要な高齢者が増え、在宅で介護している家族も夫婦世帯や、単身の子どもと高齢者という家族が増えています。
その家族の介護負担を軽減するために「ショートステイ」というサービスがありますが、そのショートステイの空きがないという問題があります。
こうした需要の高まりと、自費サービスとしての事業の始めやすさが相まって、「お泊りデイ」が増えてきたのです。
なかには1泊ではなく、長期間そこに滞在している例もあるんですよ。
●看護師の配置基準
デイサービスでの看護師の配置基準は、各地方自治体の「通所事業所指定基準」に定められています。
利用者が10名以上の場合 | 看護師1名以上 | 10名以下の場合 | 看護職員又は介護職員1名以上 |
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基準としてはそうです。実際には、有給休暇や、急な休みの場合もあるので、1~2名の非常勤看護師を雇用している施設もあります。
ちなみに、デイサービスには医師の配置義務はありません。
デイサービスの看護師の仕事内容
利用者の健康管理
デイサービスの看護師は、
- VS測定・観察(デイサービスの利用が可能かどうかの判断)
- 服薬管理
- 入浴後の処置(スキンケア・爪切り)
などを行います。
必要に応じて摘便などの処置を行うこともありますが、医療行為を行う場合は、医師の指示が必要です。
緊急時対応(急変・事故対応)
デイサービスでも、急病や事故などで容態が急変することがあります。
看護師にかかる負担は大きく、
- 医師への報告
- 応急処置
- 救急搬送の手配
を速やかに行う必要があります。
介護業務もある
デイサービスでは看護師も食事介助や入浴介助などの介護業務を行います。
特に、小規模(利用者10名以下)デイの場合、「看護職員または介護職員」という配置基準にあるように、両者の仕事内容が明確に区別されていない現状もあります。
さらに、看護師が「機能訓練指導員」としての役割を担うこともあります。
小規模デイの場合、介護士1名を雇用し、看護師を機能訓練指導員として雇用するケースもあります。
看護師であろうが、機能訓練指導員であろうが、多くは介護業務に携わるという施設も少なくありません。
デイサービスの看護師に必要なスキルとは
デイサービスでは、基本的に医療行為を行いませんので、専門的な医療知識や技術は必要としません。
急変時には、利用者の基礎疾患が分かっていると、緊急性の判断の一助となりますが、デイサービスでは、利用者の基礎疾患や、治療状況などの医療情報は非常に乏しいものです。
看護師として広く応用できる知識や技術があるほうが良いでしょう。
また、高齢者とのコミュニケーション能力は必須です。
認知症のある方を受け入れている施設も多く、対応能力が求められます。
デイサービスの看護師の働き方とは
デイサービスの勤務体制と勤務の特徴
デイサービスの看護師は、日勤のみ勤務体制が多く、時間外勤務は多くはありません。
また、土日が休みのところも多く、こうした勤務体制が、育児や介護と両立したい看護師の人気の理由のひとつです。
一般的に看護師は介護士よりも人件費が高いため、お泊りデイに看護師が従事することは稀です。
ただし、吸引などの医療行為が必要な利用者がいる場合は、デイサービスの看護師や単発バイトの看護師、訪問看護師などが交代で夜勤を行うケースもあります。
他職種との連携
デイサービスでも他職種との連携は重要です。
ですね。
他にも、管理者と生活相談員がいます。
管理者は、デイサービス全体の運営や職員の勤怠管理、給与管理など、全体のマネジメントを行います。
管理者には特に資格は必要ではないため、介護や福祉系の資格を持っていない管理者も多くいます。
管理者が介護や福祉系の資格を持っていれば、それらの仕事との兼務もでき、スタッフの仕事内容も理解しやすいという大きなメリットもあります。
これは、働くスタッフにとっても大きなメリットといえますよね。
このほかにも、利用者の主治医、ケアマネージャー、訪問看護師など、さまざまな職種との接点がある仕事です。
どうですか?
デイサービスの看護師の仕事のイメージはつかめましたか?
介護事業はニーズの高まりに応じて急速に広がっているため、制度が追い付いていない現状があります。
デイサービスでも医療依存度の高い利用者の受け入れや、お泊りデイなどのサービスが広がる一方、医療体制はまったくと言っていいほど整備されていません。
体制の整った医療機関からデイサービスに転職すると、大きなギャップを味わい、仕事のやりがいを感じなくなりがちです。
デイサービスでは、利用者の生活の全体像を理解し、デイサービスの看護師が、そのどの部分を担っているかを理解することが、仕事のやりがいにつながると思いますよ。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。