専門看護師になるには?専門看護師を真剣に目指すためのキャリア転職術
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はいはい。たしかに可能性は無限ですよね。
が!専門看護師は認定看護師以上に難関の資格です。ココを目指そうと思うなら、相当の覚悟が必要ですよ。
専門看護師になるにはどうすればいいのか、また、そのための転職について詳しくご紹介しましょう。
専門看護師とはどんな資格
専門看護師とは
専門看護師は、日本看護協会が認定する専門資格です。
「専門看護師とは、本会専門看護師認定審査に合格し、ある特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有することを認められた者をいいます」
参考:日本看護協会
認定看護師が現場で活動するスペシャリストであるのに対し、専門看護師はより広域の活動を行います。
2016年7月現在、1883名の専門看護師がいます。
この数字は、認定看護師のおよそ10分の1で、看護師総数に占める割合は、わずか0.1%です。
さらに専門看護師は都市部に集中しており、地方では専門看護師が一桁しかいない県もあります。
特定分野
認定看護師には、2017年現在以下の13の特定分野があります。
- がん看護
- 精神看護
- 地域看護
- 老人看護
- 小児看護
- 母性看護
- 慢性疾患看護
- 急性・重症患者看護
- 感染症看護
- 家族支援
- 在宅看護
以下2017年12月に誕生見込みの分野
- 遺伝看護
- 災害看護
専門看護師の仕事と役割
専門看護師の仕事内容
専門看護師の仕事は、以下の6つです。
- 実践 特定分野の専門スタッフとして患者さんや家族への直接のケア
- 相談 看護師やその他のケア提供者の相談対応
- 調整 治療やケアに携わるスタッフ間の意見調整
- 倫理調整 倫理的問題の解決、調整
- 調整教育 院内スタッフに対する教育や勉強会の開催
- 研究 専門分野での研究
例えば、「がん専門看護師」の場合、患者さんや家族の治療選択の葛藤や、医療スタッフが抱える無力感や倫理的ジレンマに対する相談や調整などを行います。
専門看護師の仕事は院内だけでなく、地域の研修会や学会発表を通じて、その分野全体の看護の質の向上に寄与するものです。
専門看護師のキャリア、将来性
専門看護師になると、処遇や給料などはどのように変化するのでしょうか。
専門看護師の病院の中でのポジション
専門看護師は、専従(専任)ポジションに置かれることが多く、病棟や部署、職種を横断して仕事を行います。
専門看護師が組織のラインに含まれる職場もあり、師長と兼務するケースもあります。
職位としても、師長クラスに相当します。
専門看護師の給料は?
はい!と言いたいところですが、看護協会の調査では残念な結果が出ています。
変化なし | 71% | 専門看護師としての手当がつく | 15% |
---|---|
職位が上がり昇給する | 4% |
さらに、専門看護師の手当ては、
専門看護師手当がない病院 | 76.6% |
---|
専門看護師手当の平均額 | 12,926円(月額) |
---|
となっています。
参考:日本看護協会 2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書
しかし、専門看護師を配置していることで算定できる診療報酬があり、今後さらに増えていくことが予想されます。
専門看護師の資格があると転職に有利?
●専門看護師に限定した求人に応募できる
専門看護師に限定した求人はそれほど多くはありませんが、今後の需要増が見込めます。
専門看護師でなければ応募できない求人に応募できることは、大きなメリットです。
●専門看護師ということで採用されることもある
専門看護師の資格を持つ人は、まだまだ多くはありません。
専門看護師の資格があるからというだけでなく、高い能力や専門スキルがあることが採用を有利にします。
専門看護師の求人は大都市部に集中しています。
地方都市では、専門看護師としての手当や処遇が整っていない職場もあります。
専門看護師になるためには
資格取得の条件
- 看護師免許取得
- 看護師経験5年以上、そのうち3年以上は専門看護分野での経験
- 看護系大学院修士課程修了者で、所定の単位を取得(看護大学院の専門看護師コース等で通常2年)
- 修士課程修了後、6カ月以上の実務経験
大学院は大卒が受験条件となるため、看護専門学校卒の場合は、大学に進学または編入、放送大学で大卒の学位取得を経て、大学院に進学します。
ただし詳細な規定は、大学院によって異なります。
また、働きながら通学できるコースを設定している大学院もあります。
教育過程終了後、6か月以上の実務経験を経て、専門看護師認定審査(書類審査・筆記試験)を合格すると専門看護師になります。
専門看護師になるための費用はどのくらいかかるの?
●大学院で修士課程修了までの費用
大学院に進学し、修士課程修了までに必要な費用は、ざっと見積もって700万円です。
学費や入学金は、大学院によって異なりますが、およそ200~250万円。このほか、通学中の生活費(月20万円=年間240万円)が必要です。
期間中無職となる場合は、社会保険料(健康保険・年金)も必要になります。
●費用の確保手段について
基本はそれまでの貯蓄です。
このほかに、奨学金制度の利用(すでに看護大学院に在籍している人などの条件あり)や、厚生労働省による専門実践教育訓練給付金の対象となっているコースもあります。
参考:日本看護協会 奨学金制度
参考:厚生労働省 専門実践給付制度指定対象講座一覧
また、アルバイトをしている人もいます。
長期的なプランを立てる
専門看護師になるためには、長期的なキャリアプランが必要です。
●どのくらいの期間で専門看護師を目指すか
専門看護師は最短で5年、そのうち専門分野での経験が3年以上必要です。
そこから大学院で最低2年間就学するので、最短でも専門看護師になるのは28歳です。
早いうちから専門看護師を目指す場合は、専門分野を特定し、そこで経験を積むことが必要です。
●通学期間中の仕事と生活に備えた準備をする
専門看護師になるために、
「いったん仕事を辞めるか、働きながら通学するか」
「自宅から通学可能な大学院に限定して進学を目指すか」
などを考え、それに必要な準備を進めましょう。
そのなかで、専門看護師を目指すための環境が整った病院への「転職」が必要になる場合があります。
専門看護師になるために「転職」する
専門分野に転職する
専門看護師になるためには、特定分野で3年以上経験が必要です。
専攻したい専門分野の経験ができる病院に転職しましょう。
遠方の大学院の進学を予定している人は、先に居を移し、その大学院の圏内で転職先を探すことにもメリットがあります。
- 専門看護師資格取得の支援がある職場が多い
- 進学に関する情報が得られやすい
- 転職時に専門看護師の資格取得の本気度をアピールできる
専門看護師資格取得の支援がある職場に転職する
専門看護師になるためには、最低でも2年間の就学が必要です。この間の身分保障がどうなるのか、転職の際にはここを必ず確認しましょう。
専門看護師資格取得のための休職制度を導入する病院も増えています。
ただし、休職期間中の給与や処遇は職場によって異なります。
休職制度がない場合は、いったん退職することになりますが、この場合に、修士課程修了後の再就職の約束を取り付けておくケースもあります。
専門看護師がいる病院への転職
専門看護師が在籍している病院であれば、専門看護師の実際の仕事内容やポジション、処遇を確認できます。
ただし、専門看護師を雇用している職場はまだまだ多くはありません。
学会や研究会を通じて、専門看護師とコンタクトを取ることも可能です。近隣の病院にどんな分野の専門看護師がいるのかを確認しておきましょう。
看護師転職サイトの活用
看護師転職サイトでは、専門看護師の仕事内容や資格取得のための支援体制に関する情報が充実しています。
専門看護師を目指すために、どのようにキャリアを積んでいくかなど、コンサルタントの専門的なアドバイスを参考に、希望の転職先を探しましょう。
どうですか?専門看護師、目指してみませんか?
そうですよ。
専門看護師を目指す人は、おそらく給料や処遇を第一に考えているような人ではないでしょう。
今はまだ、専門看護師に対する診療報酬上の評価も限定的で、手当や処遇も満足いくものではありませんが、それでも専門看護師としてのやりがいが専門看護師を支えているのです。
今の専門看護師の頑張りが評価され、やがて給料や処遇の向上につながり、さらに専門看護師を目指す人が増えてくるでしょう。
専門看護師が増えることで看護の質全体が良くなり、それが患者サービスとして還元されます。
簡単なことではありませんが、専門看護師を目指す意義は大きいと思いますよ。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。