小児外科の看護師ってどんな仕事内容?働いてわかった魅力と求人の探し方
PRyumi
いつの時代も看護師の配属希望先で人気の小児系。でも小児外科って、どんなところなのでしょうか?
そうなんです。『れもん』のいうとおり、子供の外科全て取り扱います。
『みかん』の言うように、疑問に感じる方もいるかと思います。この記事では、小児外科で取り扱う疾患・小児外科病棟の看護師の仕事内容などについて、まとめました。
小児外科に訪れるのはどんな子?
どんな年齢の子供がいるの?
小児は、発達段階でいうと乳児期から学童、青年期初期。年齢でいうと0歳から15歳までです。
生後直後の術後患児は小児外科であってもNICUに入院するのですが、NICUが満床の場合、小児外科病棟に入院します。
また、15歳以上は本来成人の科で診るものですから、本当は大人の外科に行くものなんですよね。でも、「子供の頃から、経過を診てきたから」ということで、高校生が小児外科に来ることもあります。
どんな疾患があるの?
科目は小児の外科全てで、脳外科・心臓血管外科・消化器外科・眼科・形成外科・耳鼻科・整形外科になります。
取り扱う疾患の例です。
- 小児外科:先天性胆道閉鎖症・食道閉鎖・鎖肛・腸重積・イレウス
- 脳外:脳腫瘍・頭部打撲・無脳症
- 心外:心室中隔欠損症・動脈管開存症・ファロー四徴症
- 整形外科:交通外傷・レッグリングハウゼン氏病・側彎・先天性骨短縮
- 眼科:網膜剥離・内斜視・外斜視
- 形成:口唇口蓋裂・合指症・絨毛上皮腫・熱傷
- 耳鼻科:小耳症・真珠腫性中耳炎
小児外科の看護師の看護師に向いているのはこんな人
子供が好き
小児なのですから、子供が好きでないと患児とうまくコミュニケーションが取れません。子供好きは基本ですね。子供の体調がいい時は、絵本を読んだり、一緒に遊んだりします。看護だけでなく、保育要素のある仕事も出来る必要があります。
また、こどもは、疾患を抱えて入院を強いられ、大好きなお母さんに会えずストレスが溜まっています。
イライラして看護師に当たる・泣き叫ぶ・いたずらをするということは比較的毎日あります。こうした子供のストレスからくる行動を受け止められる優しさは必要です。
母親代わり、とまではいきませんが、患児は看護師に母性を求め、甘えることが多いのです。母性とやさしさがある人がいいでしょう。
また、好きという気持ちだけでなく、子供を理解することが必要です。発達段階ごとの発達課題は事前に頭に入れておきましょう。
良く気が付く
入院中の子供で、自分の不調をきちんと口で訴えられるのは中学生以上です。年齢が低ければ低いほど、痛みや辛さをうまく訴えることが出来ません。
点滴漏れ・術後の出血・吐き気・・・。口では訴えない子供の不調を看護師が目で看て、触って、機嫌を感じ取る必要があります。
そうなんです、さすが母親の『ゆず』と『桃代』。子供が体で訴えていることは何かを感じ取ってあげなくてはいけませんよね。
余計な偏見を持たない
小児外科に入院する子供は先天性疾患が殆どです。
鎖肛の子供に「こんなに赤ちゃんの時からストマがあってかわいそう」とか、小耳症の子供の小さな耳を見てぎょっとしたら、全て顔に出ますし、子供に伝わります。
子供は敏感ですから、大人の反応を感じ取ります。その時点で患児との間に壁ができます。
それでいい看護などできるわけがありません。長く勤めていれば外表奇形を見る事にも慣れますが、最初から偏見はないほうがいいですね。
小児外科で働くことのメリット・デメリット
メリット
●軽快退院が多い
小児外科は手術をして、元気に帰っていく姿を見ることが出来ます。退院後、外来に来た患児が、病棟に遊びにくれることも。これは看護師としては大きな喜びになりますね。
「あの時あんなに痛がってたのに、こんなに元気になって・・」と感慨深いものです。
また、形成外科などで、何年か置きに入院してくる子供の成長を見守ることもできます。子供の成長見守ることが出来ることも、うれしいものです。
●病棟の雰囲気が明るい
これはスタッフそのものが明るいのと、患児の予後が良くて明るいのと両方の要素があります。
また、子供という存在そのものが病棟を明るくします。子供が食事のときかわいいしぐさをして、スタッフを笑わせたり、経過の良い患児がナースステーションでおしゃべりをしたり。
接することで、職員も自然と笑顔になってしまう。子供の力はすごいな、と思います。
●知識が増える・観察力が高まる
小児外科は扱う科目が多いので、各科の知識が深まります。各科の術後の経過がどうなるのか、観察や看護の経験も増えます。どの科であっても観察力は必要ですが、「子供を細かく観察する目」は、その後の仕事に活きてくるんです。
また、発達段階や、子供の特性を知るので、将来の子育ての時に役立ちますよ。
デメリット
●患児の入院期間が短く、信頼関係が築きにくい
患児との信頼関係は疾患や入院期間と関係が深いですね。外ソケイヘルニアでは、1泊~2泊で帰ります。初めての入院で、人見知りをする月齢・・子供はかなり泣きます。
オペ前日に入院した子供がずっと泣いているので抱っこしたり、ベビーカーに乗せて寝かしつけ、「慣れたかな・・」と思っても翌日にはもう泣かれたり。結局慣れないまま退院になるときは、少し悲しくなります。
●科目が多いため、先生の出入りが激しい
患児は同じ部屋であっても科目や担当医が全く違うことも多く、看護師がオーダーを確認したいとき・出してほしい時には先生の居場所確認が必要です。
外科系病棟なので、先生がオペ中で連絡がつかないことも良くあります。「何科が何曜日にオペをしている・この先生は今週何時オペが入っている」など、先生のスケジュールを把握しておかないと、先生探しにかなりの時間を費やします。
小児外科がある病院に転職をしたいなら
小児外科がある病院はどこ?
小児外科専門医、子供の心臓手術ができる心臓血管外科医、等がそろっていないといけませんから、当然大学病院などの大きな病院・こども医療センターになります。
全国ほぼすべての都道府県にありますが、同じ県であっても小児外科がある病院は限られてしまっているんです。
(参考:日本小児外科学会)
小児外科への転職は、転職サイトに相談しよう
小児外科への転職を希望する看護師は、単純に「子供が好き」という人も多いのですが、しっかりした意志を持った方もいます。
以前の職場にいた同僚は・・・
- 子供の時に、手術入院で病院でお世話になったから小児外科で働きたかった
- 妹が何度も手術入院をしたから、自分が看護師になって恩返しがしたかった
- 希望して入って楽しく働いている小児外科から、成人の病棟へ移動しろと言われた。子供専門病院に転職する。
こうした熱い思いはしっかりと転職サイトの担当者に伝えましょう。
小児外科の求人って、働きたいと思っても求人に限りがあって自分で探すのは難しいこともありますからね。
看護師として働く期間は長いようで、本当に自分の希望の科で働けるのは短いのです。結婚や子育てがあると、交替勤務が難しくなることがあります。
小児外科で働きたい!と思ったら、是非行動に移してみてくださいね。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。