精神科・心療内科の看護師になるにはどんなスキルや知識が必要?
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精神科・心療内科って馴染みが薄いせいか、どんなスキルが必要なのかって、意外と知られていないんですよね。
今回は、そんな精神科・心療内科に必要な知識やスキルについて簡単にご紹介しますね。
精神科の知識と、一般的疾患の知識も必要
精神科の知識はもちろん、一般的な疾患の知識を持っていることが精神科・心療内科の看護師に必要なんですよ。
実は、精神疾患を持っている患者さんは自分の調子が悪くてもうまく伝えられない時があるんです。
看護師はその調子の悪さが精神疾患からくるものなのか、他の疾患からくるものなのか判断しなければならない場合があるからです。
例えばですが、妄想のためにいつも「お腹が痛い」と訴えてくる患者さんでも、今回は本当にお腹が痛くてそう訴えていることがあります。
患者さんの状態をしっかりアセスメント・判断するためには、精神科の知識だけでなく一般的な疾患の知識があるのが理想的ですね。
また、精神科でも急性期病棟や精神科救急入院病棟(スーパー救急)では、急変の場面に出くわす場合もあります。
急変時対応はもちろん、心肺蘇生法、心電図を読む力、人工呼吸器管理や輸液管理等の技術などが必要です。
私がいた精神科病棟は、一時的に人工呼吸器をつけていた患者さんが入院されていました。
スタッフの中に以前呼吸器内科では働いていたという看護師さんがいてくれたので、本当に心強かったですよ。
はい、一般科の知識があったほうが断然いいですよ!
精神科で使用される薬の知識と薬物管理
どの診療科目でもそうですが、使用される薬物について知っておくことが必要ですが、精神科の場合はしっかりと覚えておくことが必要です。
精神科の場合、薬物療法は治療の中でも特に大切な要素のひとつ。
薬物量の調節によって症状をやわらげるので、看護師はあらかじめ使用されている薬の内容や副作用についてよく知っておく必要があります。
特に、精神科の患者さんの中には、精神症状によって自分のことをうまく表現できなかったり、調子の悪さをまったく違う表現をしたりする方もいます。
例えばですが、薬の副作用のひとつにムズムズ感(アカシジア)があるんですが、とある患者さんはこれをうまく表現できずに、「神様が変なことをする!」と言っていました。
そうなんですよ。患者さんを慎重に観察することで薬の量が合っているのか確認し、異変を早めにキャッチしなければならないんです。
また、患者さんの中には薬を飲みたがらない方もいらっしゃったり、必要以上に薬に執着したり依存する方もいます。
こういった方には場合によっては薬の作用や利点、副作用について説明したり、必要であれば内服できるよう介助したり、決められた回数をしっかり内服できているか確認したりします。
これも、看護師の仕事ですよ。
コミュニケーション能力と観察能力
患者さんとコミュニケーションが図るのが精神科看護の基本中の基本。コミュニケーション能力はとっても大切です。
また、先ほどご紹介したように患者さんのささいな変化をキャッチするためには、わずかなことでも見落とさない観察能力が必要になってくるんですよ。
さらにコミュニケーション能力と観察能力は、医療スタッフ間でもとっても大事。というのも、精神科看護では看護婦スタッフ間で患者さんへの対応を統一するのが普通なんです。
ちょっとした対応の違いが、患者さんの病状を左右させる結果になりかねないからです。
またささいな変化を見逃さずに観察し、他のスタッフに伝えるのも重要なことです。
そのためにはお互いが持っている情報や知識をカンファレンスで十分に共有します。なので私の経験上、精神科のカンファレンスはすごく長いです!
お互いの意見を尊重し気兼ねなく発言できること、スタッフが一致団結している雰囲気が精神科看護ではなによりも強い武器になります。
スタッフ間での活発な「ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)」のためにもコミュニケーション能力・観察能力が必要ですね。
ストレス解消の方法がある、感情コントロールが出来る
ストレス解消の方法がある
どんな仕事でもストレスってたまっちゃいますよね。特に理不尽なこと怒られたりしたら辛いものです。
精神科の患者さんは、看護師を振り回す行動や試すような行動をしたり、時には理由なく怒りをぶつけられたりする場合もあります。
これは、患者さんの抱えている精神的な病によって引き起こされるものなのですが・・・
頭では病気によるものだと分かっていても、割り切るのにはちょっと大変ですよね。でも、精神科で働いていればこういったシチュエーションはよく起こります。
こんなことばかりだとストレスがどんどん溜まりそうですが、このストレスとうまくつきあっていく方法を見つける必要があります。
もちろん!なんでもいいのでストレスを引きずらないことがコツ。
ただ、仕事の上で困ったことや辛いことがある場合、一人でため込まずに先輩や信頼のおける仲間に相談してみるのもよい方法かもしれませんよ。
感情コントロールが出来る
また、患者さんに踏み込みすぎないように一線を引いて感情をコントロールすることも必要です。
患者さんに共感しすぎると患者さんのペースに巻き込まれてしまう可能性があるからです。
例えば、「死にたい」と訴える患者さんの感情に引きずられて、看護者自身もゆううつになってしまうケースも少なくないんです。
そうなってしまうと看護師自身の心が疲れてしまうだけでなく、今後、正常な治療関係が持てなくなる恐れもあります。
看護師自身がストレス解消する方法を持っていること、上手に感情のコントロールをすることがよい治療関係を長続きさせるコツでもあり、自身を守るために大切なことなんですよ。
精神科・心療内科は心をみつめ、看護の基本を学べる
そうですね。心という見えないものを相手にするので、ぱっと見では症状が良くなっているのか実感しにくいところがあります。
しかし、時間をかけてコミュニケーションを図り、信頼関係を築いて共に治療を乗り越えていくので、「人間対人間」の関わりを学べる科なのではないでしょうか?
もし、精神科・心療内科の仕事内容に興味がおありなら、挑戦してみるのも悪くないかもしれませんよ。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。