看護師のイジメ・嫌がらせ事例と原因から考える対処法~退職・転職の選択肢は?~
PRローレンロウ
まずはこちらを読んで下さい。
『とある病院に、新卒で就職した看護師Aさん。おとなしい性格ですが、仕事は真面目に取り組んでいます。
ある日、先輩看護師と一緒に、はじめての処置を担当することになりました。
Aさんは、事前に手順の確認はしていたのに、その場では舞い上がってしまいモタモタ。
すると先輩が「もう、何やってんの!ちゃんと予習してこなかったんでしょう!ったく使えない!もういい、消えて!」と激怒。Aさんは涙があふれ、その場にいられなくなり処置の場を離れてしまいました。
それ以降、先輩たちに何か質問しようとしても、「職場放棄する人に教えてもムダじゃない?」や「また泣いて悪者にされるのだけはご勘弁!」などと言われ、陰で「退場ちゃん」と呼ばれるように……。
他の新人にはいろいろな経験をさせているのに、Aさんはいない人のように扱われ、申し送りでも過呼吸を起こし、看護師を続けていく自信を失ってしまいました。
毎日仕事に行くのが辛く、このまま看護師の仕事を続けていけるのか、転職したらやり直せるのかと悩んでいます。
看護師は、職場の人間関係の悩みを抱えやすい仕事です。
なかでもイジメは、人間関係をこじらせるだけでなく、仕事のやりがいや心身の健康を奪っていく深刻な問題です。
しかし、イジメにどう対処すればいいのか分からず、ただ「仕事に行くのが辛い」と悩んでいませんか?
「イジメで転職」は、避けなければならないことなのでしょうか?
看護師のイジメの対処法について考えてみましょう。
看護師のイジメの実態
先輩看護師からのイジメ
先輩看護師によるイジメは、「指導」という名のイジメです。
- 患者さんの目の前で仕事ができていないことを指摘する
- 「~できないと、患者さんが死んじゃうわよ」などの脅し
- 申し送りやカンファレンスの場での公開説教
- 粗探し
- インシデントや事故が起きた際の犯人扱い(「きっと○○さんよ」などの決めつけ)
このような、人間性や存在を否定する言葉や態度を受けた側は、強い精神的な苦痛を味わいます。
Aさんが受けているイジメはまさにこれです。
同僚看護師からのイジメ
年齢や経験年数が近い同僚看護師からのイジメは、
- 仲間外しや無視
- 盗難や私物の破壊
- あらぬ噂(「男関係が派手」「整形している」)を流される
などがあります。
職場でのいじめだけでなく、SNSなどを介して職場以外にまで嫌がらせが及ぶこともあります。
イジメの原因は職場にあり!?
イジメに合いやすい人の傾向
イジメに合いやすい人っていませんか?
はい、ザッとまとめると次のような傾向があります。
- 職場に慣れていない人(新人・転職者)
- 仕事ができない人
- おとなしい、表情が暗い、行動が鈍い、意思表示しない人
- 空気が読めない人、八方美人
- 太っている、汗やにおいがキツイ人
など。
また、こうした仕事のデキや性格、行動、外見だけでなく、
- 上層部の肝いりで管理職として採用された人
- 恋愛や結婚に関する妬み、妊娠中や産休明けの嫌がらせ(マタハラ)
など、女性の職場ならではのイジメもあります。
かつては男性看護師が職場にいると、女社会のドロドロが緩和されると言われていました。
しかし、そうでもないようです。
男性看護師が少ない(1~2名)職場では、男性看護師がゆえに、イジメにあってしまうこともあります。
- 何かにつけて「男のくせに……」と言われる
- 一緒の夜勤や休憩を嫌がられる など
また、他業種からの転職してきた男性看護師は、看護師特有の空気に馴染みにくく、相談相手も少なく、孤立しやすい傾向にあります。
イジメの原因は職場にある
イジメを受ける原因は「自分自身にあるかも?」と考えてみることは良いことですが、考えすぎは良くありません。
結局は、気に入らない人をイジメの対象としているだけで、自分が思う「改善」をしても、イジメがなくなるとは限りません。
多くのイジメの原因は、イジメに合う個人にではなく、職場そのものにあるからです。
●イジメが起きやすい職場
イジメが起きやすい代表的な職場は、「仕事が忙しい職場」や「人でが足りない職場」です。
さらに、「正当に評価されない職場」でもイジメが起きやすくなっています。
やるべきこと(その職場の理念や方針)や指示系統、ルールが不明確な職場では、仕事の成果やそこに至る努力が正当に評価されません。
上司(看護師長や医師)がワンマンで感情的、えこひいきが激しいなどの傾向があり、事実上の権力者である「お局看護師」がいる職場もあります。
看護師の職場のイジメの対処法
「イジメられている?」と思ったら、まず相談を
●身近な人に相談
自分が受けていることが、イジメなのか、指導や叱咤激励なのか、悪意のない茶化しなのか分からないケースもあるでしょう。
イジメとイジメではないことに明確な境界線はなく、イジメている側には「イジメ」の自覚がない場合もあります。
「イジメかどうかわからない。指導かもしれない……」と悩むときには、まずは身近な人に相談してみましょう。
●職場の相談窓口に相談
イジメと思われる対応により、仕事に支障をきたしたり、心身の不調がある場合は、職場の相談窓口に相談しましょう。
小規模の個人病院やクリニックなど、相談窓口がない職場や、相談窓口が直属の上司など不適切な人選がとられている場合は、外部の相談機関(厚労省・看護協会等)に相談しましょう。
参考:厚生労働省「こころの耳」
「イジメじゃない、指導かも」は危険!
「イジメかどうか分からない。たぶん自分がダメだから指導されているんだ」という気持ちは、すでにストレスがピークに達し、正常な判断ができていないからかもしれません。
- 疲れているのに眠れない
- 食欲がない
- 飲酒量や喫煙量が増えた
- 感情のコントロールがきかない(泣いてしまう、不安になる)
- 追体験
- 過呼吸
- 激ヤセ、劇太り
などがある場合は、職場への相談と並行して、専門の医療機関(職場外が好ましい)に相談しましょう。
「イジメで転職」はアリ!限界を迎える前に転職する
自分の行動や態度を改めることで、イジメがなくなると思える場合は、その職場にとどまることも一つの考えです。
また、イジメを仕掛けてくる人が限られており、その人の勤務異動や退職が期待できる場合は、しばらく様子を見ても良いでしょう。
しかし、自分では改善のしようのない理不尽なイジメや、職場そのものにイジメの風土がある場合は、転職が最善の方法です。
真面目で頑張り屋の人ほど、「イジメで仕事を辞めるなんて根性なしと思われてしまう」「もうちょっと、頑張らないといけない」と思ってしまいがちですが、イジメを受けながら働き続けることのメリットはあるのでしょうか?
「安定した給与をもらえること」ですか?「勤続年数の継続すること」ですか?
今受けている心身の苦痛よりも、それらを優先したいかをしっかりと考えましょう。
特に、イジメにより心身の不調をきたしている人は、まずはその回復を優先すべきです。
そしてイジメのない職場に転職しましょう。
イジメや嫌がらせを受けない職場の探し方
職場でイジメを受けないためは、仕事への姿勢や人間関係を友好に保つための努力も必要です。しかし、それ以上に大切なことは、イジメや嫌がらせを受けない人間関係が良い転職先を探すことです。
看護師転職サイトを利用して、人間関係が良い職場を探す
看護師転職サイトは、口コミやその病院を退職した看護師の話、病院に直接コンタクトを取った印象など、コンサルタントならではの視点で、転職のアドバイスを受けられる利点があります。
看護師転職サイトの利用し、イジメや嫌がらせのない人間関係が良い職場を探しましょう。
●こんな職場はイジメがあるかも!?
- 常に看護師を募集している
- 給与や条件がいいのに、長期間募集がかかっている
- やたらと「アットホームな職場」を強調している
看護師の離職率が高い職場や、なかなか採用が決まらない職場は、提示されている条件以外に何らかの問題があり、それがイジメかもしれません。
また、やたらと「アットホーム」を強調する職場は、人間関係が不用意に密になりやすく、馴染めないとイジメの対象になりやすい傾向があります。
イジメを受けにくい働き方を選ぶ
どうしてもイジメを受けやすいタイプの人は、イジメを受けにくい働き方を選ぶことも考慮しましょう。
●経験の浅い分野への転職は控える
転職者は、ただでさえイジメの対象となりやすく、仕事ができないとなおさらです。
また、経験のない分野や業務に「なんとなく楽そうだ」というイメージだけで転職すると、「ここの仕事をなめている!」と反感を買われ、イジメの対象になってしまうこともあります。
早めに仕事に慣れてイジメを受けないよう、少しでも経験のある分野へ転職しましょう。
●短時間、短期間の働き方を選ぶ
派遣やパート、アルバイトなどの期間限定や時間限定の働き方で、職場の人間関係をあえて希薄にする(割り切れる程度の人間関係にとどめる)ことで、イジメを回避することができます。
収入や雇用のデメリットはありますが、こうしたイジメを受けにくい働き方もあることを知っておきましょう。
私は、イジメで転職も「アリ」と思いますが、どうですか?
イジメの原因の多くは職場の風土にあり、個人の努力だけでは解決しないこともたくさんあります。
イジメや嫌がらせがひどく、仕事に行くのが辛くなったら、イジメを受けにくい職場への転職を考えてみましょう。
人気記事ベスト5
この記事を読んだ人は以下も読んでいます
登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。