できれば避けたい!看護師の忙しい職場~忙しすぎる病院・診療科ってどこ?
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看護師の職場には、本当に「忙しすぎる」職場があります。
「楽がしたい!」とは言いませんが、 正直なところ「忙しすぎる職場」は避けたいものですよね。
看護師の「忙しすぎる職場」とは、どんな職場なのでしょうか。
忙しすぎる職場の傾向と、転職の注意点について詳しく解説します。
こんな職場は忙しい!忙しい病院・部署の特徴
一般的に次のような職場は、看護師の仕事が忙しいと言われています。
そして、なかには「忙しすぎる職場」があります。
①業態、病院の機能による忙しさの違い
●病院(病棟勤務)は忙しい
入院を必要としない病状や健康な人を対象とした「クリニック」や「健診機関」、「介護施設」よりも、入院施設のある病院のほうが看護師の仕事は圧倒的に忙しいです。
●高度急性期および急性期病院が最も忙しい
病院の中でも、高度専門医療を担う「高度急性期」や「急性期病院」が最も忙しい職場です。
患者一人当たりの医療や看護の必要量が大きく、在院日数が短い(入退院のサイクルが早い)という特徴があります。
●救急告知病院(救急指定病院)は忙しい
入院治療や手術を必要とする急患を受け入れる救急告知病院(二次救急医療)は、昼夜問わず急患も多く、看護師は多忙です。
●地方の中核病院は忙しい
大規模病院が集中する都市部に比べ、地方では大規模病院が少なく、そこに患者さんが集中します。
診療科目も幅広く、地域医療や介護との連携など、看護師の仕事も多岐にわたっています。
②部署・診療科目による忙しさの違い
一般的に忙しいと言われる部署や診療科目は、
などです。
これらの部署や診療科は、日夜問わず緊急入院や急変があり、それに伴う処置が多い職場です。
循環器内科や消化器内科は、患者数が非常に多い診療科です。
外科並みの治療処置や緊急性の高い処置も多く、看護師にもタフさが求められる職場です。
③患者層による忙しさの違い
●高齢患者が多い職場は忙しい
オムツ交換やトイレ介助、体位変換などの身体介護を必要とする高齢患者さんが多い職場は、看護師の仕事量が多い職場です。
また、認知症や入院環境による「せん妄」「不穏行動」などがあると、コミュニケーションが難しいだけでなく、転倒事故などへの配慮も必要とするため、看護師の仕事は多くなります。
この傾向は病院だけでなく、介護施設でも同様です。
●日常生活援助を必要とする患者さんが多い職場は忙しい
病気や障害によりADLが低下している患者さんや、治療上必要な安静によってADLが制限されている患者さんに対しては、食事、排せつ、移動などの介助が必要です。
こうした日常生活援助は、患者さんのニーズが高く「後回しにできない仕事」として、看護師の忙しさに影響しています。
④看護体制による忙しさの違い
●7対1看護の職場は忙しい
7対1看護の基準は、看護師の数だけではありません。
「看護必要度」って聞いたことありますよね?
説明します。
7対1看護は、重症度の高い患者さんの医療に対する診療報酬のある看護方式です。
患者さんの重症度は、「重症度・医療、看護必要度」によって判定されます。
ザックリ説明しますと「重症度・医療、看護必要度」は、
A項目 モニタリング、処置等
B項目 患者の状況(ADLや認知行動)
C項目 手術等
の3項目に分かれており、それぞれの該当事項をチェックします。
それをスコアリングして、基準を満たす患者さんが重症患者とみなされます。
7対1看護では、この重症患者さんの割合が25%以上あることが条件です。
このほかにも、7対1看護には、
- 在宅復帰率80%以上
- 平均在院日数が18日以内
といった条件があります。
つまり、7対1看護の病院は、重症患者さんが多く、必要とする看護量も多い職場です。
さらにもう一つ!
●7対1から10対1に移行する職場は忙しい
平成28年度の診療報酬改定によって、7対1看護の基準が厳格化されました。
基準が厳しくなったことで、7対1看護が維持できず、10対1看護に基準を引き下げた病院も多くあります。
7対1だったところが10対1に変わるとどうなりますか?
そうですね、まずそこです。
そして、診療報酬とのバランス上、看護師の人数を減らさざるを得なくなります。
しかし、そうなっても患者さんが減るわけでもなく、基本的には仕事量は変わりません。
そうです。
現在7対1の病院でも、その維持が厳しい病院は、今後10対1に下げることも予想されます。
7対1から10対1に下げた病院や、今後下げる可能性のある病院は忙しいと考えておきましょう。
⑤看護師の定着率による忙しさの違い
●看護師の離職率が高い職場は忙しい
4月の一斉採用だけでなく、常時求人を出している職場は離職率が高い職場です。
看護師の離職率の平均は、ここ数年10%前後で横ばいの状況(日本看護協会調べ)ですが、実際はかなりのバラつきがあります。
離職率が高い職場では、元からいる看護師に多くの仕事や重い役割が振り当てられます。さらに、新入職看護師のサポートにも時間がとられ、多忙を極めます。
⑥役割や業務分担による忙しさの違い
病院の機能や診療科、看護師配置といった大きな傾向のほかにも、看護師の仕事を忙しくする要因があります。
- 業務手順が整備されていない
- 医療事故対策や感染対策が不徹底
- 教育体制が整っていない
などによる忙しさです。
それそれがそれぞれのやり方で仕事をするような職場は、効率が悪くトラブルも多くなります。トラブルが起きると、その対処に時間や手間を取られ、さらに忙しくなります。
こうした忙しさは、スキルアップややりがいにつながる忙しさと違って、不毛な忙しさです。
忙しすぎる職場で看護師が働くことのデメリット
忙しさが度を越した、「忙しすぎる職場」にはさまざまな問題があります。
ストレス・健康問題
過重労働により、身体的な問題が生じやすくなります。
また、忙しい職場では同時進行で複数の仕事をこなしたり、後回しにできない仕事も多いため、精神的な緊張感が高くなります。
腰痛や肩・首の痛みのほか、頭痛やめまい、胃痛、便秘や下痢などストレスが引き起こす症状が出やすくなります。
さらに、忙しすぎる職場では「ワーカホリック」という問題が生じやすくなります。
いわゆる「仕事中毒」です。
頑張りが認められることによって自分の心が満たされると感じ、「もっと頑張って、もっと認められたい」という思いが過剰になります。こうなると、自分のストレスサインにも気づかなくなってしまいます。
秘書への暴言が話題になった、あの女性議員もおそらくこれでしょう。
ワーカーホリックという傾向は、自分自身にもマイナスですが、ワーカーホリックの上司や同僚がいると、かなり仕事がやりにくくなります。
ではなくて、たとえ叱責を受けなくても、ワーカーホリックの上司や同僚と自分を比べて、
「自分は頑張りが足りないのかな?」
「サボってるように思われないかな?」
など、変なプレッシャーを感じてしまいやすくなります。
そこでやる気をなくしてしまったり(←私の場合コレです)、自分もワーカーホリックになってしまう人もいます。
忙しすぎる職場ではワーカーホリックになりやすく、巻き込まれやすいリスクがあることを知っておきましょう。
ミスや事故のリスクが高くなる
過重業務やストレスは、注意力の低下を引き起こし、ミスや医療事故につながります。
仕事に追われ、確認作業を怠ってしまったり、やるべき作業を忘れてしまうなどのミスが生じやすくなります。
プライベートが充実できない
定時に仕事が終わることがなく、日勤の終わりが夜9時や10時になる職場では、帰宅後は「飯・風呂・寝る」だけの生活になります。
家に帰ってからも仕事のことが頭から離れず、仕事とプライベートの切り替えがうまくできなくなることもあります。
もちろん、合コンにも行けません!
これらのデメリットに対し、忙しすぎる職場で働くことで「鍛えられて強くなる」というメリットもないわけではありません。
しかし、ワーカーホリックやストレスと背中合わせであることを考えると、たとえ時間外手当や夜勤手当で給料が高くなるとしても、メリットと言い難いでしょう。
忙しすぎる職場を避けたい看護師のための転職術
忙しくない職場に絞って探す
忙しさの感覚は人それぞれですが、前述した「忙しい職場」とは逆の特徴を持つ職場を探してみましょう。
一般的には、命に直結する疾患が少ない診療科や緊急入院や処置が少ない職場が「忙しすぎない」職場です。
参考記事:看護師の「楽な職場」ってどこ?一番忙しくなくて暇で楽な仕事を教えて!
未経験の分野への転職は要注意
「忙しすぎる職場」を離れて、少し楽そうな分野へ転職する場合も、まったくの未経験分野への転職には注意が必要です。
これまでの知識やスキルの応用だけでは足りない専門知識や、特殊な技術を学ばなければならないケースもあり、転職後しばらくは、かえって「忙しさ」を感じるかもしれません。
避けるべき「忙しすぎる」と、許容できる「忙しさ」との区別は?
看護師の仕事の忙しさを左右する条件はさまざまです。そのなかで、どのような忙しさであれば許容できるかは人それぞれです。
しかし、一般的には次の職場は避けるべき「忙しすぎる職場」です。
- 医療安全や感染対策がずさんな職場
- 時間外勤務が常態化し、サービス残業化している職場
- 看護師の離職率が高い職場
- 医師でなければできない仕事を看護師がしている職場
はい。これらの職場の忙しさは、個人の努力では改善が見込めないことが多く、人間関係の悪化や職業モラルの低下など、別の問題も生じやすくなります。
参考記事:これもブラック病院!?病院の体質に不満を持つ看護師はどうすればいい?
私の場合は、電子カルテやオーダリングシステムがない職場や、看護師でなくてもできる事務作業が多い職場など、業務を効率化するための対策を取っていない職場も避けたい職場です。
転職先を探す際には、自分なりのNGラインを決めておきましょう。
看護師転職サイトを活用
●求人票や求人情報で病院の機能をチェック
求人票や求人情報で、病院の機能や看護方式などを確認することができます。まず、ザックリと転職先の候補にあがりそうな職場の情報をチェックしてみましょう。
●病院見学で実際の様子を確認
職場の忙しさの実態は、「百聞は一見に如かず」です。
病院見学は、実際にどんな様子で看護師が仕事をしているかを確認できる貴重な機会です。積極的に病院見学を受け入れている職場もあるので、できるだけ実際の様子を見ておきましょう。
病院見学は、先方との日程調整が必要です。看護師転職サイトを利用すれば、日程調整を依頼することができます。
また、コンサルタントの病院に対する印象や口コミ情報など、看護師転職サイトの豊富な情報を有効に活用しましょう。
「忙しすぎる職場はイヤ!」をどう伝えるか
看護師転職サイトのコンサルタントには、「忙しすぎる職場はNG」という条件は必ず伝えておきましょう。
しかし、採用面接ではこれをストレートに伝えることはタブーです。
ウマいこと別の言い方に変える必要があります。
- 患者さん一人一人としっかり向き合える仕事がしたい
- 業務として仕事をこなすのではなく、患者さんに満足していただける看護がしたい
- ライフワークバランスを考えた働き方がしたい
などが一般的です。
さらに、避けたい忙しさが明確になっている場合は、そのうえで具体的な「やりたい仕事」や「やりたい看護」をアピールしましょう。
看護師の仕事は忙しいとは言え、「忙しすぎる」状況はさまざまな問題をはらんでいます。
転職の際は、「忙しすぎる」職場は避け、自分のやりたい仕事が実現できる職場を探しましょう。
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