2年目の看護師が転職・退職を考える理由と転職先の決め方
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2年目の看護師といえば、一通りの仕事も覚え、メインではなくとも新人の指導をしたり、日勤のリーダー業務も任されるようになる時期ですよね。
はい、それはこちらをどうぞ。
参考記事:リーダー業務をやりたくない看護師のための「リーダー業務をうまくこなすコツ」
2年目の看護師は、「とりあえず1年は頑張った。じゃあこれからどうする?」という気持ちの中で、転職をより現実的に考えるようになります。
では、2年目の看護師の退職や転職はどのようにすればいいのでしょうか?
2年目の看護師の退職(転職)理由
この職場の仕事に合っていない
若干遅い気もしますが、それは人それぞれです。1年ちょっとかけて慎重に判断した結果、「合っていない」という結論に達することもあるでしょう。
1ヶ月やそこらでの決断でないだけに、本当に「合っていない」のかもしれませんね。
新人教育やリーダー業務などの役割が負担
2年目に任される仕事や役割は、職場によってかなりの差がありますが、1年目よりは、はるかに多くなります。
特に、下に入ってきた新卒看護師を指導する立場になることもあり、「フォローされる側からする側へ」という大きな変化があります。
人によっては、「誰かの上に立つということ」へのプレッシャーを強く感じ、2年目に急激にストレスが増すというケースがあります。
1年目には気が付かなかった「職場のブラックさ」に気づいた
必死で目の前の仕事をしてきた1年目と異なり、余裕ができたことで回りが見えてくるもの2年目ならではのこと。
よその病院と比べて、
- 医師や事務職がするべき仕事を看護師がしている
- 研修の機会がとても少ない
- 「3年目までは、残業代は自己申請できない」などの暗黙のルールがある
- 患者さんとのトラブルが多い
など、「え?ウチの病院ヘンだよね?」ということに気づいてしまうことがあります。
ん?ちょっと待ってください。
新卒の1年目はその前年度に収入がないため、住民税が徴収されていません。
しかし、2年目は1年目の所得に対し「およそ10%の住民税」が月割りで徴収されます。
これがあることにより「給料が上がっていない」と感じることがあります
すぐ上の先輩や同期が退職しはじめたから
新卒時に手厚くフォローしてくれた1つ上、2つ上の先輩が転職や異動でいなくなったり、同期の看護師がサッサと転職していく姿を見て、「私もこのままでいいのかな?辞めようかな」という気持ちになりやすい時期です。
ほかの分野への興味、キャリアアップ
「専門外科でオペナースになりたい!」「糖尿病療養指導士の資格を取って患者教育を極めたい!」など、何かを目指して転職を考えるケースも多くなります。
2年目の看護師の転職市場の評価は?
2年目の看護師は、転職市場ではどのように扱われるのでしょうか?
新卒より戦力になる
「1年ちょっとしか経験してないから、新人と変わらない」と思いがちですが、0と1とは大違いです。
専門的な知識や緊急時の判断力など、看護師としての力はまだまだでも、1年間仕事をしたことで得られたものは大きなものです。
- 社会人として職場や社会のルールの中で働くこと
- 患者さんや家族に向き合うこと
- 医師や多職種と協同で働くこと
を経験していることは、新卒にはない力として評価されます。
変な癖がついていない
1か所での勤務が長くなると、その職場のローカルルールに染まりやすくなります。
他の職場では通用しない「略語」を使ったり、採血針のメーカーが違うだけで「この針は、私には合わない」などと言い出したりすることもあります。
2年目であれば、そういう変な癖がついておらず、あっても「修正可能」です。
新しいことを素直に受け入れられることは、採用側にとっては魅力です。
基本給がそれほど高くない
看護師としての経験年数が長くなると、採用時の基本給が高くなります。
経験がある人を採用したいと考える職場がある一方、「実力は未知数」という考えのもとで、少しでも若く、経験年数も少ない「基本給が安い看護師」を雇うという職場もあります。
そうした職場にとっては、2年目の看護師のニーズは高くなっています。
「経験者求む」では不利
専門の業務やポストへの配置を見越した求人では、2年目の看護師が採用されることはまずありません。(看護師経験3年または5年以上が多い)
また、少人数のクリニックや介護施設など、「看護師一人職場」の場合は、2年目では経験不足と評価されやすい傾向があります。
ところが!そうした事情でも採用されるケースがあります。
一見、ラッキーのように思いますが、「看護師一人職場」は、ケースバイケースの柔軟な対応が求められたり、医療的な判断が一手に任されることが、たまーに起こりうる職場です。
2年目でも採用されるということは、何らかの原因で看護師が集まらない職場かもしれません。逆に注意が必要と考えておきましょう。
2年目の転職で失敗しない方法
退職の方法
●円満に退職する
退職の申し出は「就業規則」に則って行い、円満退職を目指しましょう。
参考記事:「看護師の円満退職」完全ガイド~手続きの流れと退職理由の伝え方・タイミング~
●退職の理由は?
そうですね。前向きな理由がベストでしょう。
ただし、キャリアアップや「○○資格の取得を目指したい」「ほかの分野の経験をしたい」という理由には、「は?まだ2年目でしょ?もう少しここで頑張ってからでもいいんじゃない?」と、絶対に言われます。
その場合の対処は、こちらを参考にどうぞ。
参考記事:その退職理由じゃ辞められない?看護師が退職を引き止められたときの対処法
1ヶ月以上のブランクをあけないほうが良い
2年目という浅い経験での転職時に、ブランクをあけてしまうと「看護師として働くことに迷いがあるのあるのでは?」と思われてしまいます。
少し休息をはさむ場合でも、最長で1ヶ月としておきましょう。
2年目の退職で失業手当はもらえるの?
被保険者期間(ザックリいうと働いている期間)が12カ月上あれば、失業手当を受ける資格があります。
ただし自主退職の場合は、受給までに3ヶ月以上の待機期間があり、受給できる金額はそれほど多くはなく(1日4,000~5,000円程度)、受給日数は90日です。
「失業手当をもらいながらゆっくり再就職先を探す」ことは、貯蓄がなければ生活的に厳しいことを知っておきましょう。
2年目の転職での転職先の選び方
ズバリ!「何を目的に転職したいのか」によります。
●キャリアアップや志向する分野がハッキリしている場合
当然、それが目指せる職場を選ぶべきです。
特に専門看護師や認定看護師などの、長期的に取り組まなければならない資格は、
- 転職先にその支援体制があるか(どのような支援体制か)
- 資格を持った看護師が在職しているか
- 資格を持った看護師がどのような仕事をしているか
などを調べ、自身のモチベーションにつなげましょう。
●自分に合った働き方がしたい
1年ちょっと看護師として働けば、自分の得手不得手や適性、性格面の仕事への影響など、だいたいのことは見えてくるでしょう。
「時間に追われるのは苦手。もっと患者さんとじっくり関わる看護がしたい」
「決まった業務ばかりは疲れる。いろんな係に従事できる職場で働きたい」
「新人教育とか学生指導はムリ。そういうのがないところがいい」
など、どんな仕事が自分に向ているのか、したいのか、に応じて転職先を探しましょう。
参考記事:仕事が合ってない・やりたいことができない看護師はやりがいを求めて転職しよう!
●何がしたいか分からない/看護師の仕事のやりがいが分からない
「先輩や同僚の退職で焦って『私も辞めます!』って言ったのはいいけれど、次にどんなところでどんな仕事をすればいいのか分からない」というような、フワッとした理由で転職しようとする場合はどうすればいいのでしょうか?
と、私も言いたいところですが、2年目のその気持ちはよく分かります。
そういう場合は、労働環境や人間関係が良好な「働きやすい職場」を選ぶとよいでしょう。
参考記事:やりがいが何か分かわからない看護師さんへ【仕事にやりがいを見出す方法】
長時間の残業や休日返上での出勤などがなく、もちろんパワハラやイジメもない職場です。
こうした「働きやすい職場」で働くことで、やがて「やりたいこと」や「やりがい」が見つけられるでしょう。
看護師転職サイトを活用しよう
自分の状況や希望に応じた転職先を探すためには、看護師転職サイトの活用をお勧めします。
2年目の転職では、できるだけ在職中から転職活動をはじめましょう。
参考記事:看護師が転職するなら「在職中」と「退職後」はどっちがいいの?
時間が限られた中での転職活動では、効率的に情報収集し、応募や面接の段取りをサポートしてくれる担当コンサルタントは心強い味方です。
2年目は看護師として大きく成長できる「飛躍の年」です。
その2年目の岐路は、「転職しても吉」「そのまま残っても吉」になり得るものです。
いずれの場合も、「今と今後」をバランスよく考え、自分にプラスになる決断をしましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。