看護師が退職する時期はいつがいい?職場を辞めるベストなタイミングとは
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看護師なら誰でも一度は考える「退職」。「辞める」に至る事情はさまざまですが、「辞める時期」を考えずに退職してしまうと、その後、「こんなはずじゃなかった」となってしまうこともあります。
今回は、「ベストな退職の時期」をさまざまな切り口で紹介します。
あなた自身の事情に合うベストな時期とはいつでしょうか。
1年のうちで辞めるならいつがいい?
看護師の退職は、1年間の中での「波」があります。
4月、5月は退職者が少ない「凪」の状態
●4月
4月は病院が「4月だけは勘弁して」という事情もあり、退職者はかなり少ない傾向です。
3月に多くの看護師が退職したあと、新人を迎えるこの時期の職場は、とにかく忙しく、「4月に辞めます」は言い出しにくく、引き止められやすい時期です。
また、4月末の退職は1月末~3月末に申し出ることになり、年度末のピリピリした時期に交渉しなければなりません。
退職前の年休消化も難しい時期です。
●5月
新人看護師が仕事に慣れてくる5月になると、4月ほどの辞めにくさはありません。
しかし、4月同様、5月末の退職も年度末に申し出ることになるため、交渉がうまくいかないこともあります。
最初の波がやってくる6月、7月
●6月
看護師の退職の小さな波がやってきます。
「ホントは3月で辞めたかったけど、しばらくはゆっくりするつもりだったから」、という退職後に余裕のある看護師が、職場に引き止められ、「6月だったら退職可能」というケースが多くあります。
また、職場によっては、6月末時点で在職していれば夏のボーナスを支給するところもあり、これを見越して退職をする看護師が増えてきます。
●7月
看護師の退職の波が大きくなります。
6月同様、「夏のボーナスをもらってから」という考えの看護師の退職が増えてきます。
また、職場に馴染めない新人看護師の早期退職もある時期です。
7月末の退職の場合、新年度に入ってからの退職交渉となるため、年度末よりも交渉しやすいでしょう。
再び「凪」となる8月、9月、10月、11月
●8月
「8月末で退職?珍しいわね」と言われる時期です。
この後説明する転職や生活設計との兼ね合いで意図して選ばれる時期なので、「そういう事情だったら」と職場の承諾が得られやすい時期です。
●9月
年度の「前半」が終わる時期として、気持ちの区切りをつけやすい時期ですが、冬のボーナス支給の在職条件外となるこの時期の退職は意外と少ないものです。
●10月
9月同様、10月末の退職も冬のボーナスをもらい損ねることになるので、「だったらあと1ヶ月(11月)、2ヶ月(12月)先まで頑張るか」と退職を見送る人が多い傾向があります。
10月末の退職の場合には、8月~9月末の申し出となりますが、この時期は退職者も少なく比較的職場も落ち着いているので交渉しやすいでしょう。
●11月
「切り良くあと1ヶ月働いて12月に退職しよう」と考える人が多く、11月の退職者はそれほど多くありません。
ただし、ボーナス支給の権利を確定して退職し、年明けの再就職を計画して退職する看護師もいます。
第2の「波」はココ!12月と1月
●12月
1年の締めとして区切りよく退職を考える時期です。
冬のボーナスが支給され、余裕がある人は4月の再就職を目途に退職するケースもあります。
この時期の職場は3月末での退職の申し出を受け始めるため、ややピリピリしてきますが、10月、11月のうちに交渉をしておけば、その煽りを受けることなく退職できます。
●1月
1月も4月からの再就職を考えている看護師の退職が増える時期です。
また、年末年始の勤務手当など、給料が増える1月まで働こうと考える人も多くいます。
ビッグウエーブがやってくる2月、3月
●2月
年度末まで切りよく働く人が多く、2月の退職者は実際は少ないが、退職の波はすでにやってきています。
3月末は退職者が多く、引き止めや引き伸ばしに合ったり、年休が消化できないリスクを考え、あえて2月末で退職する人も出てきます。
●3月
そして最大の波がやってくる3月です。
4月からの転職に合わせて、ブランクをあけたくない人の多くは3月で退職します。
職場も3月の退職者を見越して、4月の新規採用を準備するため、3月末での退職が「想定外」に思われることはまずありません。
その点では退職交渉はしやすいですが、「辞める人が多い」という事情から引き止められやすい時期でもあります。
どっちがいいの!?波に乗るか、逆らうか
退職者が多い時期(6月・12月・3月)に退職するメリットとデメリット
●退職者が多い時期に退職するメリット
退職者が多い時期は、職場も転職市場もそれを想定して動いています。
よって、この時期の退職は、
- 退職の話が切り出しやすい
- 転職市場の求人が豊富
というメリットがあります。
●退職者が多い時期の退職のデメリット
一方、デメリットとしては、
- 引き止めに合いやすい
- 退職前の年休消化が難しい
などがあります。
退職者が少ない時期に退職するメリットとデメリット
●退職者が少ない時期に退職するメリット
- 職場に大きな負担をかけずに退職しやすい
- 年休が消化しやすい
●退職者が少ない時期の退職のデメリット
- (支給条件を外れると)ボーナスがもらえない
- 求人がやや少ない
- 交渉の時間が充分にあるため、引き止めに合いやすい
ま、看護師の退職の申し出には、もれなく「師長の引き止め」がついてくるもんです。
引き止めの対処に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
参考記事:その退職理由じゃ辞められない?看護師が退職を引き止められたときの対処法
看護師の退職のベストな時期を決めるのは、年間の流れだけではありません。
転職やキャリア形成、ライフイベントなど、それぞれの事情によってベストな時期を考える必要があります。
転職との兼ね合いを考えたベストな退職時期
退職後すぐに転職するのか、ブランクをあけるのか、さらには、どのような職場に転職しようと思うのかによって、退職に適した時期は違ってきます。
参考記事:看護師の転職する時期はいつがいいの?ベストなタイミングを教えます!
例えば、教育体制が整った大規模病院は、4月の一括採用が多く、応募の人気も集まります。
こうした職場への転職を計画する場合は、
- 4月採用(就業開始)で転職する
- 1ヶ月以上のブランクをあけない(採用に不利)
と考え、2月または3月での退職がベストでしょう。
キャリア形成の上でのベストな退職時期
ココからは「1年のなかで」ではなく、「個人のキャリアのなかで」のベストな時期を考えてみましょう。
転職するなら「経験3年」がベスト!
よほどムチャな希望でなければ、「経験3年」での転職は成就しやすい条件が揃っています。
経験3年の看護師は、
- 看護師としての土台ができていると評価されやすい
- 別の診療科や専門へのキャリア転換も好感されやすい
- 看護師が少人数の職場や「経験者求む」の職場でも採用されやすい
といった好条件があります。
また、退職においても、「3年働いたから、そろそろ退職を言い出すかも」と職場も思っており、案外退職しやすい時期です。
そして!
「退職金」も出ます!
退職金の支給条件を「勤続3年以上」としている職場が多く、3年勤務すれば、20万~30万円の退職金がもらえます。
その他の時期にも勝機アリ!
3年以外の時期でも、その時期を「ベスト」と考えることはできます。
●経験1年~2年の転職
経験1年~2年の転職の場合でも、基本的な看護業務はできると評価されます。
また、進みたい分野や専門に関する目標が定まっていれば、早期のキャリア転換もマイナス視されることはありません。
●経験1年以下の転職
経験1年以下の転職は、思い切ってリセットです。第二新卒として再スタートを目指しましょう。
●経験5年~10年の転職
経験5年~10年の働き盛りの時期での転職では、「何のために転職するのか」といった目的をしっかりと持つことが、有意義な転職につながります。
●経験10年以上の転職
経験10年以上になれば、これまでの実績を買われて好条件で転職することができます。
じゃないです!「辞めたい」の理由と、今後を見越したうえで、「ベストな辞めどき」を判断しましょう。
結婚、妊娠などのライフイベントとベストな退職時期
看護師が退職を考えるのは、キャリアや転職の機会だけではありません。
結婚や妊娠といったライフイベントによって退職を考えることがあります。
結婚や妊娠を機に退職を考える場合は、上記の「看護師の退職の波」を参考に、退職者が少ない時期を選ぶほうが交渉はうまくいくでしょう。
ただし、結婚後のパートナーの転勤や、家族の病気など、急に退職をしなければならないケースでは、「ベストな時期」を選びにくくなりますが、少しでも猶予があれば、12月と3月は避けたほうが良いでしょう。
転職や再就職に失敗したかも?のベストな退職時期
「転職や再就職などで、年度の中途で就職したけれど、自分が思ったような職場ではなく、すでに人間関係も悩ましい」
こんな不満を抱えながらでも、日が経てば経つほど多くの仕事を任せられるようになり、辞めにくくなっていきます。
そうなる前に早期(3ヶ月以内)に退職を決断するメリットがあることを知っておきましょう。
正直な理由で退職を申し出しやすい
円満退職を目指して「退職理由」をアレコレ考えがちですが、このような状況で早期退職を考える場合は、「キャリアアップ」や「家庭の事情」のようなムリがあるものより、正直な理由のほうが理解が得られます。
ただし、「職場の不満」「人の悪口」にならないよう、あくまでも「自分に合わない」という主張にしましょう。
「次は失敗しないように!」という気持ちで転職活動ができる
「次こそは失敗しない!」と決意することで、慎重かつ前向きに転職活動ができます。
●看護師転職サイトを活用しよう
もちろん看護師転職サイトを変えてみるのもいいでしょう。
でも、今回の失敗原因(自分に合っていなかった業務内容や職場の雰囲気など)を具体的に提示することで、より自分に合った職場を探すことができます。
そうした転職コンサルタントとのつながりを力にして、転職先を探してみましょう。
参考記事:転職に失敗して後悔…もう辞めたい。看護師が転職後すぐに退職するためには
退職のベストな時期は、年間の「波」のほか、個人のキャリア、転職の条件などによって異なります。
「自分なりのベストな時期」を考えて、退職を決断しましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。