憧れのER看護師になるには~必要な知識・技術を総まとめ~
PRpu-totoro
ERの看護師になるだけであれば資格はいりません。
ただ、『れもん』さんの言うように、できれば救急について多少勉強しておく方が転職してから仕事も覚えやすいのではないかと思います。
ER看護師への転職を希望されている方へ、働く前に勉強しておくとよいことなどをご紹介します。
ER看護師になるために勉強しておくこと
一見すると、ERの看護師といえば各診療科全ての知識が必要そうに見えます。
そして、それは間違いではないのですが各診療科全ての深い知識が必要なわけではありません。
ERで必要なことは「初期診療をして適切な診療科へ送ること」です。全ての診療科に精通しているというより、疾患の鑑別に必要な知識や技術を学んでおくことが良いでしょう。
ただ、漠然とこれらの勉強をしようと思ってもどこから取り掛かればよいか分かりづらいと思います。
そこで、学校で習う勉強とともに、ERで役立つ専門的な講義をご紹介します。ER未経験で転職を希望しているときや、採用の面接にはアピールになる講義です。
BLS
BLSとは、1次救命処置の意味です。BLSは、例えば公道など医療設備の無いところで倒れた人を見かけた時、自分の腕だけでできる救命処置のことになります。
今ここで心停止した人に何を行うか、何をチェックするかという内容なので救急処置の基本中の基本が学べます。
このプロバイダーの資格を取るのを目指すのもステップアップになるでしょう。
ACLS
二次救命処置として、ERの中で行う緊急処置を学べます。
どちらも、おおよそ5年に1回は内容が見直されているので、一度受講したことがある方も転職希望のチャンスなどに再受講すると良いですね。
ICLS
これは、日本の救急医学会による医療従事者のための蘇生トレーニングの講義になります。前提として「突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」を勉強します。
これは、実際のERでの動きに非常に有用になる講義です。中には、受講を勧めている医療施設もあります。
JNTEC
これは日本救急看護学会の主催による講義です。
JNTECは「外傷初期看護」について学ぶもので、日本国内で起きた「防ぎ得た外傷死(PTD:Preventable Trauma Death」を再び繰り返さないという理念を掲げています。
プロバイダーから順次ステップアップのコースがあり、常時変化する外傷処置の最新知識を学ぶことができます。
JPTEC
これは、BLSのように医療施設の無いところの外傷処置を学ぶ講義です。JNTECと直結していて、PTDの撲滅を理念としており、外傷初期診療の標準化を浸透させようというものです。
単純に消毒するorしないというだけでも、研究や考察が繰り返され、傷の処置には奥深いものがあります。ERに転職するからには、最新の知識が必要です。
ER看護師に求めらるスキル
知識や技術だけあればER看護師になれるかというと、そういうことばかりでもありません。
ER看護師になるための心構えも必要です。
コミュニケーション力
ERはチームプレーです。お互いに助け合って一人の患者さんを救おうという気持ちが必要です。
また、非常に緊迫した状態になると、医師も看護師も必死になって言葉遣いが荒くなることもあります。眼の前のことに必死になってしまうこともあります。
しかし、そういう時こそ声を出してミスの無いようにしなければなりません。
例えば「○○(薬剤名)静注しました。」というたった一言を出しておけば、ダブって準備してしまうようなミスや手間も省けるのです。
多忙さを極める現場だからこそ、声をかけあって仕事をするコミュニケーション能力は必要です。
患者や家族との関わり
ERでは、他の診療科と少し違った関わりが求められます。
1次~2次救急で、診断を求めてくる患者には検査・処置ごとに適切な説明をします。また、それ以外に診断に繋がるような情報収集をすることが常時必要です。
そして、患者も家族も不安を抱えていますから、忙しい中でも医療者中心だけにならないように声かけするべきですね。
トリアージ能力
トリアージとは、患者の重症度や緊急度を判断して分類し、治療の優先順位(搬送順位)を決めることです。
これは主に災害現場などで行われることですが、ERの現場でも混雑時は特にこの能力が求められます。
特にERには様々な疾患・重症度の患者が来ますので、順番ばかり守って重症者が後手に回ることがあってはなりません。
患者が待っているとき、優先的に診察しなければいけない患者はいないか常に気を配ります。
確かに待ち時間が長いのも苦痛ですから、お待たせしている患者にはその理由と目途を説明する必要もあります。
基本的には医師が診察・判断はしていきますが、看護師も患者の初期症状を看るようにしなければなりません。
この不適切な処遇を減らすため、米国では経過観察を系統だてて行うことと経過観察床が作られました。
患者の症状の見逃しを防ぐ観察項目を整理し、状態を近くで落ち着いてみるためのベットを用意したのです。症状が完全に落ち着くまでは、経過を診るというためでもあります。
患者の処遇の決定は医師が行うものですが、微細な変化も見逃さないことは看護師にとっても大切や役割です。
ERに必要なものラストはコレ!
ERで必要な知識や技術についてお話ししました。
しかし、もう一つ大切なものがあると思います。それは「検証すること」です。
そうですね。ERの勤務も慣れてくるとルーチン化しがちなのです。
ERは日々様々なことが起きます。毎日の仕事の中で起きたことを日々自分でもチームでも検証し、次につなげることがあらゆることが大切だと思います。
ルーチンワークに埋没せず、日々検証や研修を重ねているようなERチームで働くことができれば、本当にキャリアアップにつながると思います。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。