点滴業務が苦手な看護師のための苦手克服マニュアル
PRまこ
『れもん』はサラリと流していますが、点滴苦手な人は多いと思います。私も持続の滴下合わせなんてチョー苦手でした!
でも、点滴が最も多いと言われる血液内科で段々とコツと上手く次ぎの勤務に繋げる術を身につけたのです。
今回は、そんな点滴が苦手なあなたに。対策・コツをお伝えしたいと思います。
点滴準備が苦手な看護師は
点滴の準備にも様々な方法や一連の流れがありますよね。バイアルを溶かす段階から、ルートを通すまでのこの作業。
言ってしまえば簡単ですが、それぞれ難所がある事も事実です。
皆さん、どこに苦戦しますか?
→抜けちゃってもいいんです‼︎後でシレッと注射器で空気を足せば、はい元どおり。
空気が抜けないように折るコツは、出来るだけ点滴バックを押さえないように、折る部分だけを持って素早く折ることです。
→鋭利な切り傷、痛いですよね。点滴準備の時に手袋を着用していると思いますが、この1枚があるかないかで指への到達度は違います。
大きいアンプルカットほど、切れやすいので必ず手袋(2枚でも可)着用してみて下さい。
→空気が入ったら…出せばいいんです‼︎ルートの先を上に持ち上げて、指で弾くと段々空気が先端へ寄って行きますよね。
→泡立ちやすい点滴などは特に空気が入りやすいと思います。ある程度尖端に寄せたら思い切って2〜3ml捨てる勢いで、薬液を流して下さい。
→そんな時は、そのルートの薬液を一旦点滴バックに戻してから、気を取り直して、新しいルートに変えて準備するという方法もありますよ。
抗生剤ルートは短いことが多いと思いますが、20滴のルート、60滴のルート、どちらを使えばよいの!?と思う事ありますよね。
→24時間持続点滴の患者さんのルート選択に迷うことがあると思いますが、基本42ml/時以上なら60滴のルート、42ml/時未満なら20滴のルートを選ぶと良いでしょう。
→という場合にわざわざ長いルートにつけかえなくても、エクステンションチューブ(要は延長チューブ)をつなげれば、簡単に長〜くできます。
ややこしいという人は、使っていたルート内の点滴は無視して、新しい長いルートに付け替えましょう。
輸液ポンプ・シリンジポンプが苦手な人は
点滴も機械でつながれていると俄然難易度が上がるように感じますよね。でも慣れてしまえば、ポンプの方が楽なんです!だって機械が正確に投与してくれるんですもの。
→投与量をダブルチェックするマニュアル、ありませんか?
特に正確に投与しなければならない薬剤ほどダブルチェックの遵守がされているはず。
もし、不安に思うならポンプ使用後に近くの同僚に確認を取ってもらって下さい。
アラームが鳴る=何か投与経路に不具合があるということです。知らせてくれてラッキー☆ですよ。
→あの「ピーピーピー!!!」というけたたましい音が心臓に悪いんですよね。即座に消音を押して、心を静めてから落ち着いて原因を探りましょう。
また、アラームが鳴らない場合の点滴ミスにつながりやすいのが、輸液ポンプより上にクレンメがあり、軽く閉じた状態になっている。
これだと、ポンプは機械の力で何とか点滴を押し出そうとしますが、結果予定量より大幅に点滴が残っている状況に陥ります。
他にも、患者さんの手元で、接続が外れていると機械は分からないの未投与が生じてしまいます。
これらは、有能なポンプも教えてくれないので、必ず点滴をつなげた時に確認して下さいね。
基本は誰かと一緒に!誰かに確認してもらう!どんな状況でアラームが鳴るのか知っておくことで、ポンプへの抵抗感は薄れると思います。
輸液ポンプとシリンジポンプが計4〜5台ついている!という患者さんは、どの点滴がどのポンプ・ルートか分かるようにテープなどで目印を貼っておくとよいと思います。
その辺りは病院規定のマニュアルもあると思います。。。
滴下合わせが苦手な人への克服のコツ
点滴業務で嫌になるのが、滴下合わせ。合わせたと思っても大幅にズレている、そもそも計算が苦手。
そんなこんなで注射や点滴が苦手な人もいるのでは?滴下合わせのコツをお伝えします。
早見表を使う
ポケットサイズで、薄っぺらな早見表があると思います。
輸液ゲージと呼ばれるものもあり、これを使ってササッと滴下速度を調べて合わせるという方法があります。
頻度の多い点滴の滴下速度を覚える
点滴で使用するルートは、20滴か60滴。そして、科にもよりますが最も多く使われる点滴は抗生剤ではないでしょうか。
成人用の20滴ルートを使用する例として、100ccの抗生剤を1時間だと、2秒に1滴、50ccを1時間なら2倍の時間なので4秒に1滴。
持続点滴なら、1000ccの輸液を24時間なら、だいたい3秒に1滴(1000cc÷24時間=41.6666…→1分間(60秒)に42滴→3秒に1滴)という風に。
滴下数計算アプリを使う
最近はよもや滴下速度を計算してくれるアプリまで出てきている時代です。
もし、携帯電話を身につけて使用する事が禁止されていなければ、この方法を活用する事もできますね。
輸液タイマーを使う
先ほどの、早見表のデジタル版という事です。特に人気が高いものに「PiPiナースV」と呼ばれる機器があります。
総輸液量、時間など必要情報を入力すれば、自動的に滴下速度が算出され、音で滴下スピードを教えてくれるのです。
しかも、タイマーやら電卓やら、背面ライトやら多機能かつ高性能なので、これ一つ持っておくとかなり便利で重宝する代物です。
早見表だと持続点滴の残量から次回の更新までの滴下速度を合わせるのが難しいですが、こちらであれば残量を入力すれば計算してくれるので、どの点滴チェックの場面でも使えますね。
高性能・高機能だけに少々お値段は張りますが、そこは自分の苦手意識との相談ということになります。
こまめに点滴チェック!
そうは言っても人間が調節する滴下なので、やはり多少のズレはあります。
滴下調節が得意な人が8時間勤務中に1度も再調節を行わないより、不得意でも数時間毎にチェックと再調節を行う方が必ず時間通りに終わります。
そして、
極論医療においては未投与でない限り、急速投与より遅い方が絶対安全です!
なので、患者さんの体位などを確認し、滴下を合わせてもまだまだ不安なら、気持ちゆっくりペースで落としてみるのも一つの方法です。
時間通りきっちり落とさなければならない点滴であれば、輸液ポンプを使用しているはずです。
遅めのペースで何度も確認・調節!これが一番確実で安全な方法と言えます。
点滴業務がない職場へ転職!点滴なしの看護師求人とは
点滴は病院で働く上では避けるに避けられない看護業務だと思います。
苦手と思う人にとっては試練の業務。出来るならしたくない!と思う方、しないで済む看護師の求人を探しましょう!
昨年流行ったドラマのタイトルをパクるなら「逃げるは恥ではなく役に立つ」です!
看護の場を広げ、点滴のない転職先をまとめてみました。
保育園・保育所
採血が苦手な人の苦手克服法の記事でもご紹介しましたが、園児へ手洗い指導や、職員や保護者への健康指導が仕事です。
看護実践においても、園児の怪我や病気の対応、医師から指示書がある子供の与薬や軟膏の塗布です。0歳や1歳児の検温や視診も含まれますが、点滴をすることはありません。
むしろ、点滴など医療処置が必要な園児が出たときの搬送までの応急処置です。
産業看護師
企業の看護師求人があるのをご存知ですか?
デスクワークがメインで、その他に企業での健康診断や保健指導、コールセンターで健康相談などを行います。敢えて挙げるなら、企業内で発生した緊急時の患者さんの応急処置はありますが、点滴はナシと考えてよいでしょう。
保健業務がメインなので、保健師の資格があると有利です。
大学保健室(保健管理センター)
大学生や職員に対する体調不良時の看護を行います。
主に、風邪薬や生理痛、整腸剤などの投薬を行なったり、部活で負傷した学生の創傷処置です。また、思春期の学生のカウンセリングや受信相談なども行います。
市役所ナース
相談業務がメインです。
母子健康相談から乳幼児健診、母親学級、赤ちゃん訪問など母子に関わる業務。健康診断の実施や、その時期・季節に流行する感染症対策をまとめたり。
保健指導が主体なので、こちらも保健師の資格がある方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
点滴に苦手意識があるのなら、早めにシフトチェンジして自分に合った看護ができる場所へ変わっても良いのではないでしょうか。
病院以外の看護師求人は簡単には見つからないため、看護師転職サイトを利用する事もあると思います。
その時には、
必ず自分の希望(点滴業務なしなど)を転職業者に伝え、実際の面接時にもきちんと希望の確認がとれる事が大事です。
働き口が狭くなると思わず、色々な医療分野や施設に当たってトライしてみて下さい。
きっと点滴が苦手で苦痛に感じる今より、ずっと楽しい看護師ライフが築けるはずですよ!
人気記事ベスト5
この記事を読んだ人は以下も読んでいます
登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。