「もしかして私うつ病かも?」うつ病予備軍の看護師が転職をした方がいい理由
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おや?『みかんちゃん』は、珍しく元気がありませんね。
『みかんちゃん』のように、頭痛や肩こり続き、吐き気があって食欲もないけど、身体的な病気ではなさそうという人、いませんか?
はい。結構です。
「これ、もしかして『うつ』なのかな?」と思うことはありませんか?
と、早合点してしまう前に、「うつ病予備軍」の段階での対処方法を考えてみませんか?
こんな症状がある人は、「うつ病予備軍」かも
うつ病予備軍とは?
「うつ病予備軍」という正式な病名や診断名はありませんが、明らかな病気ではないのに次のような症状が長引いている場合には、うつ病になりうる状態、つまり「うつ病予備軍」かもしれません。
- 抑うつ気分
- 頭痛、頭が重い
- 肩こり、腰痛
- 吐き気、食欲不振、食欲にムラがある
- 腹痛、下痢
- 頭の回転が鈍くなる
- 眠れない、眠りが浅い
- 楽しいことに興味が持てない
- 感情のコントロールが効かない(泣いてしまう、些細なことにイライラしてしまう)
うつ予備軍は「うつ病」に移行する?
うつ症状は、「うつ病」を含む広義の精神疾患の初期症状として見られることが多い症状です。
うつ病とは、セロトニンやノルアドレナリンなど、人の感情や精神状態に影響を与える「神経伝達物質」にトラブルが生じ、脳の働きに異常をきたしている病気です。
個人の症状と診断基準によって総合的に診断されます。
うつ症状が長期化し「うつ病」と診断されるケースもありますが、うつ病の症状は多様で、ストレス因子がないところでは症状がみられないタイプのうつ病(新型うつ病・非定型うつ病)もあります。
病気としての治療上、「普通のうつ」と「病的なうつ」を区別しますが、これらは連続性があり、区別を明確にすることは難しいものです。
仕事や日常生活にどの程度支障をきたしているかといった、症状の強さによりますが、真っ先に「うつ病」かどうかの診断を受けるよりは、まずは、うつ症状の原因がどこにあるかを考えてみましょう。
うつ症状の原因は今の職場にあるのかも
厚生労働省の調査によると、現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっている事柄がある労働者の割合は、約6割となっています。
この調査にもあるように、うつ症状の原因が仕事や職場にあるケースは非常に多いと言われています。
うつ症状を引き起こしやすい職場環境
●長時間の残業
日本看護協会の調査では、「ひと月当たりの残業時間数」の平均は、全年代において20時間を超え、なかでも20代が最も多く、25.9時間となっています。
世間での過労死のニュースでは、残業時間が80時間だの100時間だのと言われ、それらと比べると「それほど多くないの?」と思いがちですが、交代勤務の中での残業は、時間数以上の負担があり「うつ症状」の原因となります。
●昼夜が不規則な勤務
夜勤がある看護師は、昼夜の生活が不規則になることは避けられません。
- 夜勤回数が多い(3交代の場合、月8回以上)
- 勤務と勤務の間の時間が短い
- 長時間の夜勤でも、途中で仮眠が取れない
などによる睡眠パターンの変化は、ホルモンバランスや免疫力の低下を招き「うつ症状」を引き起こす原因になります。
●過重労働や、やりがいが感じられない仕事
「業務に追われる」「他にやらなきゃいけないことがあるのに、急に仕事を頼まれる」などの状況は、「ただ仕事をこなしているだけ」「自分がしていることは看護とは言えない」という気持ちに陥りやすくなります。
●人間関係が悪い
協力し合わない人間関係は、精神的に大きな負担となります。
ミスや仕事の遅れに対するプレッシャーが強く、監視や評価されている気持ちになりがちです。
また、師長や医師のパワハラ、同僚のイジメも「うつ症状」を引き起こす原因となります。
●クレームが多い
患者さんや家族、関係部署からの苦情やクレームが多い職場での勤務や、その対応にあたる立場にあると、精神的な負担を抱えやすくなります。
●ミスやエラーへの対策がとられていない
- 作業導線が悪い(受け持つエリアが広範囲に点在しているなど)
- 医療材料や物品の管理が不適切(物品が足りない、整備されていない、間違いやすい配置など)
- ミスの原因を「看護師の不注意」で片づけられてしまう職場風土
なども、心身にかかる負担は大きく、「うつ症状」の原因となります。
うつ予備軍の人に「転職」をお勧めする理由
うつ症状の原因の多くが仕事や職場にあると思う場合は、「転職」で環境を変えてみることも有効です。
そうです。
うつ症状が進行すると、「何が原因でこうなってしまったのか」を自分で考えることができなくなります。
また、原因と思われる事柄がなくなっても、うつ症状が改善しない状態になります。
このように、症状が進行し、うつ病と診断されるレベルになると、転職の決断を保留せざるを得なくなります。
なので、「イヤだから辞めたい!」というエネルギーがあるうちに、転職を決断するほうが良いでしょう。
自分で判断していいのか不安な人は、一度専門医(心療内科・精神科)に相談してみましょう。
うつ予備軍の看護師が、転職で注意すること
予備軍の段階であれば、前向きにお勧めしたい「転職」ですが、いくつかの注意点があります。
「心機一転、頑張ろう!」と思わないようにしよう
うつの原因は職場環境にもありますが、看護師自身の側にも素因があります。
●うつになりやすい人の特徴
- 完璧主義
- 人に頼ることができない
- 真面目
- 几帳面
- 緊張しやすい
ですよね。
看護師は、もともと真面目で必要以上に責任を感じてしまう人も多く、忙しい職場においては、なかなか人に頼ることもできません。
転職は、どんなにいい職場であろうと、新しい環境や人間関係に身を置くことになり、心身の負担がかかるものです。
そこで、
「一日も早く仕事を覚えて、一人立ちしよう」
「周りの人に迷惑をかけないように頑張ろう」
と思うのは当然ですが、それがまた、「うつ症状」を引き起こす原因になります。
転職時は、気合を入れ過ぎないようにしましょう。
リフレッシュ期間をはさむ
ある程度の経験年数(5年程度)があり、経済的に当面の生活に困らない場合は、1ヶ月~3ヶ月程度のブランクをあけることも有効です。
しっかりと休息をとることで心身がリフレッシュし、さらに趣味や習い事などで視野を広げることは、自分自身のストレス耐性を高めることにもつながります。
ただし、自己退職の場合、3か月間は失業保険はもらえません。(待機期間にあたります)
うつになりやすい人にお勧めの職場
何をストレスと感じやすいかは人それぞれですが、「うつ症状」になりやすい人は、心身の負担が少ない次のような職場を選ぶほうが良いでしょう。
- 肉体的にハードワークではない職場
- 急変や急患など予定外の仕事が少ない職場
- 夜勤がない職場
- 時間外勤務が少ない職場
- 人間関係が良好な職場
また、収入面やキャリア形成の面ではデメリットもありますが、短時間労働や有期雇用という働き方を選ぶのも一つの方法です。
参考記事:看護師の「楽な職場」ってどこ?一番忙しくなくて暇で楽な仕事を教えて!
看護師転職サイトを利用して職場の実態を知ろう
うつ病予備軍の看護師の転職では、ぜひ、看護師転職サイトを利用しましょう。
看護師転職サイトでは、実際のその職場を知る看護師の口コミや、病院職員と直接コンタクトをとっている担当コンサルタントの印象など、詳しい話を聞くことができます。
●職場見学のコーディネートを依頼しよう
求人票の情報だけでは、実際の職場の雰囲気までは分かりません。
看護師転職サイトでは、応募事前の職場見学の交渉や日程調整を行ってくれます。
「どんな職場なんだろう?」と不安が尽きないときは、思い切って一度見学に行ってみましょう。
●職場全体のメンタルヘルス対策に注目
「うつになりやすい」ということを考慮した特別な職場配置や業務分担を期待するのではなく、職場が全看護師(全職員)に対して、うつやメンタルヘルス不調を予防するための過重労働の是正や、勤務時間の工夫をしているか、に注目しましょう。
HPや見学時の職場説明、または面接時に、話がそこに及べば「何らかの対策をとっている職場」と考えてよいでしょう。
面接では、うつ症状になりやすいことを伝えるべき?
はい、なかなか判断がむずかしいところですよね。
とりあえず、ストレートに「うつになりやすい」と伝えることはナシです。
「うつ」「うつ症状」「うつ予備軍」などのキーワードが、「うつ病」に変換され「採用しにくいな」という印象を与えかねません。
「うつ」という言葉は使わずに、
- 生真面目であること
- 考え込みやすい性格であること
などを、「自分の短所」として伝える程度が良いでしょう。
うつ予備軍の段階であれば、そのストレスの原因を明らかにし、解消するための「転職」は有効な方法です。
現状に我慢し過ぎて「決断するエネルギー」がなくなる前に、まずは転職の情報を集めてみましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。