看護師に向いていないと悩むあなたへ伝えたいこと。辞めるという結論を出す前に
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師長や先輩に「○○さんは看護師には向いていないんじゃない?」と言われてたことはありませんか?
自分でもそう思っていたけど、せっかく頑張って看護師の資格をとって、ここまで仕事を続けてきた。でも、何かあるたびに「私は看護師には向いていないのかも」「辞めたほうがいいのかも」と悩んでしまう……。
そんな悩める看護師はどうしたらいいのでしょうか?
じゃなくて、看護師を辞める、転職するなどの判断の前に、ちょっと考えてみましょう。
看護師に向いていない人はいない
まず大事な結論から申し上げます。
看護師に向いていない人はいません!
看護師という仕事は、多くの要素から成り立つ多面性を持った仕事です。
なのに、「あなたは看護師には向いていない」と言われてしまったり、自分自身でもそう思ってしまうことがあるのはなぜなのでしょう?
その原因の一つは、世間で広く思い描かれる「看護師のイメージ」とのギャップです。
一般的な看護師のイメージとは
世間一般では、看護師は次のような「良いイメージ」をもたれています。つまり、これこそが、作り上げられた「看護師に向いている人物像」です。
- 優しい
- 頼りがいがある
- 世話好き
- 自己犠牲の精神
- テキパキしている
- 何ごとにも動じない
- 冷静
- 体力がある
- コミュニケーション能力が高い
- 勤勉
では、もう少し「向いていない悩み」を深堀りしていきましょう。
なぜ「看護師に向いていない、辞めたい」と悩んでしまうのか
周りに「看護師には向いていない」と言われ、認めてもらえないから
仕事をうまくこなせなかったり、ミスをしたときに、先輩や上司に「看護師には向いていない」と言われ、それがもととなり、自分自身でも「仕事ができない」「任せてもらえる仕事が少ない」と考えてしまうようになります。
看護師としての能力や努力を認めてもらえず、「自分は看護師には向いていない、辞めたい」と悩んでしまいます。
一般的な看護師のイメージと自分はかけ離れていると思うから
「自分は患者さんに心底優しくできない、ビビりだし、すぐにテンパってしまう。人見知りでコミュニケーションも苦手」
このように、一般的な看護師のイメージに一致しない自己イメージがあることによって、「自分は看護師には向いていないから辞めたい」と思ってしまいます。
看護の仕事にやりがいを感じないから
「大きなミスもなく、それなりに仕事をこなしているけど、ただそれだけ」
「患者さんに感謝されるわけでもなく、自分が成長しているとも感じない」
このように看護の仕事にやりがいを感じなくなると、本当に自分に合っている仕事は「看護ではないのかもしれない」と考えるようになります。
やりがいや仕事とのミスマッチについては、こちらの記事も参考に↓
また、仕事のマンネリ化によって、やりがいを見失っていることもあります。
自分を正しく理解しよう
あなたは自分のことを正しく理解できていますか?
『みかんちゃん』は自分をどんな人だと思っていますか?
ハイハイ、もうそのくらいでいいです。
「自分はこんな人」と思っていても、実は自己イメージには偏りがあります。
「自分は看護師には向いていない、辞めたい」と悩み始めると、今の『みかんちゃん』のように「向いていない一面」ばかりが自分の中で膨らんでいきます。
今の自己イメージだけで「自分はこんな人だ」「自分が看護師には向いていない」と考えるべきではないでしょう。
性格診断で自分を知る
自分自身を正しく理解するために、性格診断を使ってみましょう。
性格診断にはいくつかの種類があります。ここでは広く使われている2つの診断をご紹介します。
●エゴグラム
エゴグラムとは、交流分析に基づいた性格診断テストで、人の性格や心理状態の特徴を5つの領域で分析するものです。
CP(父親度) | 正義感、責任感、道徳心、完全主義 | NP(母親度) | やさしい、思いやりがある、世話好き、おせっかい |
---|---|
A(大人度) | 理性的、知性的、理屈っぽい、冷淡 |
FC(自由な子供度) | 自由奔放、好奇心、自己中心的、わがまま |
AC(従順な子供度) | 素直、協調性、遠慮しがち、依存的 |
一般的には、人の世話に従事する看護師には「NPが高い母親タイプ」が向いていると言われています。
●コーチングのタイプ分け
コーチングとは、対話により相手の成長や自己実現、目標達成を促す「コミュニケーション技法」です。
コーチングでは、コミュニケーションスタイルを4つのタイプに分類します。
コントローラー | 人や物事を支配するタイプ 行動的、野心的、決断力がある |
アナライザー | 分析や戦略を立てるタイプ 慎重、計画的、客観的 |
---|---|
プロモーター | 人や物事を促進していくタイプ アイデアが豊富 想像力がある |
サポーター | 全体をサポートするタイプ 人を援助する 協調性が高い |
人間関係を重視し、調和を重んじる「サポータータイプ」が看護師に向いていると言われています。
性格診断は自分の特徴を知るためのもの
しかし性格診断は、あくまでも自分の特徴を知るためのものです。
NPが高い人やサポータータイプ以外の人が「看護師向きではない」というものではありません。
強いリーダーシップを示すタイプ(「エゴグラムのCP」や「コーチングのコントローラータイプ」)も、看護師の能力として必要とされる側面があります。
「わがままで自分勝手」という残念な特徴を持つ「エゴグラムのFC」が高い人も、自由な発想力や行動力によって職場に活気をもたらす存在となります。
また、性格診断の結果は、そのときの役割や心理状態によっても変化します。
おそらく『みかんちゃん』のなかで、職場の規則や先輩たちの指導の影響により、「こうあるべき」っていう考えが出てきていると思われます。
このように、そのときの状況が性格診断の結果に影響することもあります。
ちなみに、私は20数年看護師を続けた今でも、自分が看護師に向いているのかは分かりません。
「向いている一面もあれば、まったく向いていない一面もある」と思っています。
「自分は看護師には向いていない、辞めたい」と悩んでしまうときは、ちょっと客観的に自分を見つめなおしてみましょう。
自分の長所と短所を理解し、長所を伸ばすような仕事や、短所を補う工夫や人間関係の構築を考えてみましょう。
辞めたい悩みは尽きませんが、看護師を辞めるか、転職するかの判断はそれからです!
自分の長所を生かせる職場に転職する
看護師に向いていないと悩んでしまう原因は、今の職場が自分の長所を生かせる職場ではないからかもしれません。
「創造的なことが得意なのに、決まった仕事ばかりで枠にはめられてしまう」
「探求心が強く、しっかりと勉強して専門分野の能力を高めたいのに、次々と一貫性のない役割ばかり命じられる」
などの不満は、自分の長所を生かせていないことが原因で起こります。
自分の性格や特徴を理解し、長所が生かせる職場を探す
詳しい職場の実態は分からなくても、業態や病院の規模、機能などによって、その職場の看護師の仕事のイメージはつかむことができます。
急性期病院や大学病院 | 同年代の看護師が多く比較されやすい 向上心や目標意識が高い | 同族経営の個人病院 | 旧態依然とした雰囲気 調和や建て前を重んじる |
---|---|
クリニック・健診センター | 仕事がマンネリ化しやすい 創造的なことが少ない |
介護施設 | やさしさ~シビアさまで多様さを求められる |
訪問看護 | 現場に応じた柔軟性が必要 |
看護学校教員 | 長期的な計画力や指導力 先生というイメージ |
また、日勤のみ や夜勤専従、派遣など、「働き方」を変えることで、自分の長所が生かせることもあります。
看護師を辞めて異業種に転職する
分かります。私はいまだにそう思うことがあります。
看護師という仕事そのものに向いていないと思う場合は、異業種への転職を考えてみましょう。
看護師以外の仕事の中にも、看護師としての資格や経験を生かせる仕事はあります。
看護師転職サイトを利用して、転職のミスマッチをなくす
例えば、人と比較されるのが苦手なのに、競争意識の強い大学病院への転職はミスマッチです。
また、常時看護師を募集しているような慢性的な人手不足の職場は、即戦力となることを求めており、サポートを受けながら成長したいと考える人には不向きです。
こうしたミスマッチを起こさないように、自分の長所とそれに合った職場像を明確にして、転職先を探しましょう。
自分の長所を生かせる職場探しには、看護師転職サイトの利用がおすすめです。
自分の長所や、それを生かした働き方の希望をしっかりと担当コンサルタントに伝え、自分に合った職場を探しましょう。
自分の長所のPR方法
自分の長所が生かせる転職をするためには、面接時にその長所をしっかりとPRできなければなりません。
例えば、「忍耐力がある」という長所の場合、ただ「私の長所は忍耐力です!」と言うだけでは印象に残りません。
「私は、辛抱強く仕事に取り組めることを自分の長所だと思っています。なかなかケアを受けいれていただけない患者さんにも、諦めることなく患者さんのペースや細かな変化をつかみながら、時間かけて接することで受け入れていただけ、そのことが自信にもつながりました」
というように、具体的なエピソードを加えて印象に残るようにPRしましょう。
看護の仕事にはいろいろな側面があり、求められる能力や性格もさまざまです。
「自分は看護師には向いていない」「看護師を辞めたい」と悩んでしまうのは、理想の看護師像に縛られていたり、自分の長所を見失っていることが原因かもしれません。
また、今の職場が自分の長所を生かせる職場ではないのかもしれません。
職場によって異なる看護の特徴を理解し、自分の長所を生かした働き方ができる職場を探しましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。