看護師求人情報の「給与」を正しく読み取る方法~実際にもらえる給料とは~
PRローレンロウ
みなさんは、求人情報の給与を正しく読み取っていますか?
求人票の給与表記には決まった形式がないので、さまざまな書き方がされています。
給料に関する情報を正しく読み取ることができないと、就職した後で「あれ?思ってたより全然少ないじゃん」となることも……。
転職で求人を選ぶときには、「給料の記載事項のどういう部分を見たらいいのか」また、「少しでも条件の良い病院を選ぶにはどうすればいいのか」、一緒に見てきましょう。
看護師の給料の中身
私たち看護師の給料は、「基本給+手当」から成ります。
よく「総支給額」という言い方をしますが、これは「基本給+手当」を意味しています。
これに対し、「手取り」というのは、「総支給額」から税金や社会保険料等が差し引かれた額です。
また、「年収」とは、年間の「総支給額」+年間の「ボーナス」の額です。
ボーナスの支給額は状況によって変化しますが、おおよその実績から算出されています。
この3つは、しっかりと覚えておきましょう。
- 総支給額 = 基本給+手当の総額
- 手取り = 総支給額-税金・社会保険料
- 年収 = 支給額×12+年間のボーナス
余談ですが、「ガクメン(額面)でー」とか「アラ(粗)のー」という言い方をするオジサンたちもいます。
「額面」とは、総支給額のことです。「粗」というのは、会社会計などで使われる「粗利」の意味で、収入を得るための経費を引く前の総額です。
つまり、「額面」も「粗」も総支給額を指していますが、オジサンたちのなかには独自の解釈で使っている人もいるので、転職の際に、こうした言葉が出てきたら、
「それは総支給額のことですか?」と確認をするようにしましょう。
基本給
基本給はどうやって決められているか分かりますか?
ではありません。
基本給は、
- 看護師としての経験年数
- その職場の勤続年数
- 年齢
- 能力
などから、職場ごとの「給与表」で決められています。
例えば、公務員の場合は「医療職俸給表」があり、看護師はその(三)が適用されています。
「〇級△号俸」で表し、資格や役職で級が変わり、経験年数で号俸が変わります。
級、号俸ともに高い(数字が多いほど)基本給は高くなります。
この医療職俸給表は、公務員以外の病院でも適用しているところもあります。
手当
手当には次のものがあります。
- 時間外手当
- 夜勤手当
- 資格手当(看護師資格またはその他の専門資格に対する手当)
- 特殊勤務手当(救命センターや手術室、透析室の勤務などに対する手当)
- 通勤手当 *非課税(上限あり)
- 扶養手当(家族手当)
- 住宅手当
- 役職手当(管理職手当)
これらの手当ては、支給要件や対象が定められています。
ボーナス(賞与)
ボーナスは必ず「年2回、年間4か月分程度」もらえるものと思っていませんか?
ボーナスは、就業規則や給与規定に「ボーナス制度あり」と記載されていれば、必ず支給されますが、回数や金額まで明記していないのが一般的です。
経営の状況によっては、例年通りに支給されないこともあります。
また、ボーナスは、働き具合を査定して支給されるもので、欠勤が多く年休でも補えない場合や、中途採用で査定期間をフルに勤務していないケースでは、規定よりも減額されます。
一方、ボーナスに評価加算を取りれているところもあり、働きがいいと評価されれば、標準の1.1倍、1.2倍の額が支給される職場もあります。
看護師の給料から控除されるもの
次は、給料から差し引かれるものです。
「天引き」というのは、本人の手元に給料が届く前に、あらかじめ差し引くというシステムです。
社会保険料
給料から差し引かれる社会保険料は、次の4つです。
- 健康保険料
- 年金保険料
- 介護保険料(40歳以上)
- 雇用保険料
保険料率は保険の種類、都道府県によって異なり、毎年改定されます。
基本給25万円+手当8万円(時間外+夜勤+資格)=総支給額33万円(40歳未満・東京都)の場合、およそ49,000円ほど差し引かれます。
残念ながら「天引き」されるのはこれだけではありませんよ。
税金
給料からは所得税・住民税が差し引かれます。
総支給額から社会保険料を差し引いた「課税対象額」に対してかかる税金で、これも都道府県によって税率が異なります。
そうなんですよ!どのくらい手当がつくかによりますが、
『基本給+手当-保険・税金 ≒ 基本給』
になると考えておきましょう。
求人票の給与情報のチェックポイント
求人票の形式はさまざまです。
それぞれの記載事項の読み取り方を見ていきましょう。
基本給
「〇円~△円」「〇円以上」と記載がある場合、一般的に採用時の基本給は〇円となります。
●経験加算があるか
求人票に「経験加算あり」と記載されている場合は、看護師の経験を評価され、基本給が給与表の高い位置で採用されることもあります。
看護師としての実務年数が評価されますが、介護施設での勤務やパート・アルバイトの勤務年数は対象としないケースもあります。
手当
求人票には支給される手当の種類が書かれています。
「充実した手当」を誇る職場ほど、手当の支給額や支給要件を詳しく記載しています。
特に、専門資格に対する手当の有無は、求人側にとっても大きな売りですので、見逃さないようにしましょう。
賞与
ボーナスの有無、回数(時期)、〇か月分が書かれているか確認しましょう。
昇給制度
「昇給制度あり」に注目です。
特に、年齢が若く、この先長く勤務することを考えている場合は、重要な条件と捉えましょう。
退職金
退職金は、給与ではなく「福利厚生」ですが、退職金制度の有無は求人票に書かれています。
制度の有無だけでなく、支給要件(勤続年数の条件)も確認しておきましょう。
基本給と手当のどちらを重視するべきか
基本給が高いけど、手当はそうでもない求人と、基本給はそうでもないけど、手当が充実している求人のどちらを選びますか?
A)基本給25万円+手当(月平均)8万円
B)基本給20万円+手当(月平均)13万円
の例で比較してみましょう。
A)もB)も月の手取り額には差はありません。
しかし、ボーナスが年間4か月分支給される場合、
A)25万円×4=100万円
B)20万円×4=80万円
となり、20万円も差があります。
また、時間外手当や夜勤手当などが、基本給の〇%で計算される職場では、月々の手取りにも差が出てきます。
手当が多い職場よりも、基本給が高い職場のほうが収入は多くなります。
求人票では、高額の手当てと総支給額の多さで、基本給の低さを目立たなくしているケースもあるため、注意しましょう。
給与条件の良い転職先の探し方
看護師転職サイトを活用
給与条件の良い転職先を探すためには、情報が充実している看護師転職サイトの利用がおすすめです。
- 求人票では不明な点を先方に確認
- 経験を売り込んで給与交渉
自分自身ではなかなかできないこれらのことは、転職コンサルタントの力を借りましょう。
自分で給与条件を確認する場合の注意点
看護師転職サイト以外の方法で転職活動をする場合は、給与条件の確認や交渉を自分で行わなければなりません。
求人情報には、「当社規定による」と書かれているだけで、およその給料も分からないケースもあります。
正式な採用面接の前に、必ず電話もしくは、事前訪問等での確認が必要ですが、小さな病院などは、この手間を嫌うことがあります。
そうですね。
しかし、そこで納得がいかない条件で転職を決断すべきでありません。
事前に交渉の機会がなかった場合は、採用面接は、求人側が採否を決めるだけの機会ではなく、求職側の条件交渉の機会と考えて面接に臨みましょう。
人気記事ベスト5
この記事を読んだ人は以下も読んでいます
登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
仕事も男も経験豊富なベテラン看護師。数多の男を落としてきた美脚は今なお衰えていない。
犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。