ERで働く看護師が丸わかり!ERとは?看護師の業務内容とは?
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ERは言葉の響きも良いですし、劇的な展開もあり得るのでドラマや映画になりやすいのでしょうね。
私はドラマや映画は真実と違っても面白ければ良いと思う方ですが、実際に転職を考えているときに指標とするとたしかにちょっと違ってしまうかもしれません.
それでは、本当のERとはどんな様子で看護師はどんな役割を持っているのでしょうか。ご紹介します。
ERとは?
ERとはemergency roomの略語です。Emergency roomつまり緊急治療室ということです。
ERの始まりは北米
北米の救急医療は、emergency roomでER専門の医師が担当します。
日本でいう1次救急~3次救急まで、あらゆる救急患者にER専門医が診療を行うのが特徴です。
患者の診療科を探しているうちに、手遅れになってしまうこともあります。
そうならないようにとにかく今出ている症状に対して緊急処置を行うというのは北米のERです。
日本のER
北米型のERが日本にすぐ馴染むかというとそれは難しいと言わざるを得ません。
みなさんの中にも、ERは救急患者を診るという意識はありませんか?本来のERは、緊急性の低い1次救急も含めて、症状改善を求めてくる患者すべてを診るのです。
日本では、頭が痛いから脳外科などと自分で診療科を選びます。
しかし、北米型のERではER専門医が初期診療をして、入院時や必要時しかるべき専門医へ送ります。つまり診療科は患者判断でなく医療者判断になるのです。
医療者同士の柔軟な対応が求められるのが北米型のERで、これが、なかなか日本に北米型のERが馴染みにくい理由なのです。
日本でのERは発展途上です。ERといっても、単純な救急外来と変わらないという施設もあります。
また、1次救急と2次救急を総合診療科としてERで診て、3次救急は高度救命センターが診ると役割分担している施設もあります。
今、注目されている総合診療と同時に発展を目指しているのが日本のERの現状なのです。
ERの問題点
そうなんです。ERの理想を追求すればするほどあらゆる患者が殺到する結果になってしまい、混乱が生じるという問題が実際に出てきているのです。
3次救急は分ける形のERでも、繁忙期はそのトリアージだけでも追いつかないという状況になったりします。
どんな患者にも理想の医療を提供したいとは思っていても、やはり生命レベルの危機に瀕した患者が優先されてしまうのは仕方ないですよね。
ただ、そうすると結局はただの救命センターと変わらないということになってしまうのです。
ERの先駆者である北米では、ERの混雑というのが救急医学の中でもトピックスとなっており、数年前より混雑の緩和と整理を科学的に検証しています。
そして、施設内のハード面(患者の搬送通路など)や、他のスタッフとの連携(混雑時のヘルプの方法など)などいくつか混雑緩和のための試みが為されているところです。
そして、日本でも問題になることがありますが、満床時や混雑時の救急車の受け入れについても協議が進んでいます。
このような問題の解消の為のERなのですが、ハード面の限界もあります。
できるだけ患者をたらいまわしにせず、できるだけ迅速に必要な医療を受けられるように救急車の使用方法も含めて課題とされています。
ERの看護師の仕事内容と役割
この日本の現状の中で、ERで働く看護師に求められるものは何でしょうか。
初期診療の補助
その施設が、どのようなERの体勢をとっているにしても、病名がついていない状態で症状を訴えて来院されていることには変わりないでしょう。
その時の初期診療の補助をします。初期診療とは何でしょうか?
基本的にはこれらを同時進行で行うことです。検査や診断をしながら、処置もできるようにERにはスタッフが多めに配置されています。
ただ、同じ頭痛でもくも膜下出血のような超緊急性のある痛みと、群発性頭痛のような場合があります。
対する処置も変わってくるので、まずはできる検査をして緊急性のある疾患から鑑別して、対する処置を医師は考えていきます。
看護師は、検査の介助と検査中に急変が無いか常に付き添います。そして、他のスタッフは症状から行う処置を予測し準備します。
そして、また他のスタッフはついてきた家族や付き添い者から更に詳しい事情を聞いて、診断に役立てていくようにします。そして、また別に記録者もいると良いですね。
ERにおいて、初期診療をチームワークよく行うのは大切なのルールです。
症状診断の補助
ERにはER専門医がいて、患者の症状から診断をつけていきます。
この症状診断は、とても難しく責任重大です。ここで間違えば誤診として、治療が後手後手に回ってしまう可能性があるからです。
ER看護師は、診断をつけるための補助と、誤診を防ぐという役割も持っています。
例えば、救急搬送されてきた患者に触れた時、暑いかひんやりしているか・じっとり汗ばんでいる・乾燥しているなどでも鑑別の一助になるのです。
「胸が痛い」と言えば通常であれば循環器での診察になるところを、看護師の気づきで消化器であったと判明し、迅速に対処できたのですね。
看護師は、看護師としても症状や病状を判断しながら処置を進めていく事が必要です。
これからのER看護師の役割
ERはまだまだ日本の中で発達途上です。無理に北米型のERの目指すより、日本独自のERシステムの構築をするべきという声もあります。
また、地域性に応じて考えるべきという意見もあります。大都市圏では様々な医療施設があり選ぶことができますが、地方ではどうしても少なくなります。
そこで、地方の医療施設ほど総合診療の出来るERが適しているという見方もあり、一時期厚生省も力を入れていたのですが、今はとん挫しているようです。
そうですね。やはり採算がとれないとERも存続できないので、優れたスタッフでERの有用性がアピールできることでERの発展につなげていきましょう。
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登場人物
のんびりな性格の新人ナース。2人の姉の影響で看護師に。色々なことに疎く、生き方もなぁなぁ。
キャリア志向のナース。趣味はセミナー巡り。大の血管好きで血管愛好家という一面も。
仕事と子育ての両立に励むママナース。2児の母。三姉妹の中で最もおっとりした性格。
みんなに愛されるダンディな開業医。頭から生えてきた額帯鏡がチャーミング。
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犬か猫かどっちか分からない正体不明のペット。自分もナースだと思い込んでいる。