病院以外で働く看護師の仕事を一挙公開!病棟・臨床じゃない職場へ転職する方法
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看護師の職場といえば、病院をイメージしますが、実は病院以外にも看護師が働く場所はたくさんあるのをご存知ですか?
「病院の仕事はストレスも多くて大変……。少し気分を変えて、病院以外の職場で働いてみたいな」と思うこともありますよね。
では、病院以外では、どのような職場があるのでしょうか?また、それらの職場への転職はどうすればよいのでしょうか?
看護師が働ける病院以外の職場と、転職の方法についてご紹介します。
こんなところにも看護師が!?病院以外の仕事一覧
看護師が働く病院以外の職場を、おもな系統別に分けてみました。
介護・福祉関連 | ・老人ホーム ・福祉施設(児童福祉施設・障がい者福祉施設) ・訪問看護 |
健診・献血関連 | ・健診センター ・献血センター |
---|---|
産業保健関連 | 産業看護師(企業の医務室) |
学校保健関連 | ・学校保健室 ・大学の保健センター |
保育関連 | ・保育園 ・病児保育室 |
看護教育関連 | ・看護学校、看護大学教員 | 救護関連 | ・ツアーナース ・イベントナース ・公共施設、レジャー施設 ・自衛隊 ・フライトナース ・シップナース |
その他 | ・海外ボランティア ・裁判所 ・刑務所 |
では、ここからそれぞれの職場での看護師の仕事について見ていきましょう。
病院以外で働く看護師の仕事内容と向いている人
病院以外の看護師の仕事は、看護師としての経験や能力に加え、その業種に関する知識や関心、専門資格や学歴が必要なものもあります。
介護福祉関連(老人ホーム・福祉施設・訪問看護)
介護福祉関連で働く看護師は、高齢者や施設入居者、在宅療養者に対し、観察や服薬管理、医療処置などの健康管理を行います。
老人ホームは機能も多様化し、施設の規模や入居者の健康レベルもさまざまです。
老人ホームの看護師は、高齢者相手にのんびりとレクレーションやリハビリを行うイメージがありますが、施設によっては、IVHや人工呼吸器などを使用している方を受け入れているところもあり、仕事のイメージは、「病院看護師」に近いものがあります。
●介護福祉関連の仕事に向いている人
- 介護、福祉に関心がある人
- 基本的な看護技術や知識があり、急変対応できる人
- 児童福祉施設の場合は小児科経験者
- コミュンケーション能力が高い人
健診・献血関連
独立した健診センターや献血センターで働く看護師は、受診者や献血提供者に対し、検査や血液採取などの業務を行います。
病院勤務に比べると、単純作業で楽なように思われますが、集中力を欠かせないプレッシャーの強い職場です。
また、健診センターや献血センターの受診者は、健康な人で「お客様」です。
より快適に健診を受けてもらうために、設備やインテリアをホテル並みに整えているところもあり、その中で働く看護師にも、ホテルスタッフ並みの高い接遇マナーが求められます。
●健診関連、献血関連の仕事に向いている人
- 採血に自信がある人
- 決められた仕事を確実にこなす力がある人
- 第一印象がいい人
産業保健関連
一般の会社には、従業員に対する健康管理を行う部門や機能があります。その一つが企業内の「医務室」や「健康管理室」です。
そこで働く看護師は「産業看護師」と呼ばれ、従業員に対し、健康管理や保健指導を行います。
産業医が常勤している場合は、病院同様に医師の診療の補助を行います。つまり、「会社の中にあるクリニック」のような職場をイメージするとよいでしょう。
また近年は、働く人の心の健康にも関心が高まっています。
メンタルへルスケアやうつ予防の保健指導なども「医務室」の役割ですが、こうした役割の担い手としては、看護師よりも保健師が求められています。
憧れの職場! テレビ局でも働けます!
テレビ局の看護師は、局内の医務室に所属し、従業員の健康管理のほか、局内やロケ先で関係者や観覧者の救護や応急処置を行います。
もしかすると……。
●産業保健関連の仕事に向いている人
- 保健師の資格がある人(就職に有利)
- 産業保健に関心がある人
学校保健関連
学校の保健室というと「保健の先生」や「養護教諭」のイメージですよね。
しかし、看護師も学校の保健室で仕事をすることができます。
学校の保健室で働く看護師は、児童や学生に対する傷病の手当てや健康管理、保健指導を行います。
小中学校や高校の保健室では、看護師としてだけではなく「教諭」としての役割が求められるため、養護教諭の資格があるほうが好ましいとされています。
一方、大学の保健センターの場合は、看護師としての役割が中心となります。
企業同様、学校も児童や学生のメンタルヘルスには大きな課題を抱えています。スクールカウンセラーと協力して、これらの問題にかかわることも学校で働く看護師の重要な役割です。
●学校保健関連の仕事に向いている人
- 養護教諭の資格がある人(就職に有利)
- 児童や学生の健康に関心がある人
- 児童や学生と関わるのが好きな人
保育関連
保育園や幼稚園、病児保育施設や一時預かりなど保育施設で働く看護師は、園児の健康管理と保護者に向けた健康教育を行います。
基本的には医療行為を行うことはありませんが、乳幼児特有の症状や疾患、流行性の疾患に関する知識が求められる職場です。
また乳児の授乳やオムツ交換、園児と一緒に遊ぶといった保育の仕事も行います。
仕事のイメージとしては保育士に近く、実際に保育業務を優先したり、看護師としての役割があいまいな職場もあります。
保育関連の仕事に向いている人
- 子供が好きな人
- 小児科経験者
- コミュニケーション能力がある(対保護者)
- 自分の子育て経験を生かしたい人
看護教育関連
看護学校や看護大学などの看護師養成機関で看護学生を育成する仕事です。
学内での授業や臨地実習を通じ、看護師に必要な知識や技術だけでなく、看護師としての人間性を育てる役割があります。
自身の看護観が反映される仕事であり、看護師としてだけでなく「先生」や「教育者」としての姿勢を求められる仕事です。
看護教育関連の仕事に向いている人
- 看護教育に関心がある人
- 教育系の資格がある(またその準備がある)人
●看護学校の教員に必要な資格
看護専門学校の専任教員になるためには「看護師養成所専任教員資格」が必要です。
また、大学教員になるためには、学位(博士・修士)が必要です。
救護関連
旅行やイベント、コンサート、展示会場など多くの人が集まる場所*で働く看護師は、参加者の急病やケガに対する応急処置や初期対応を行います。
(*スキー場、海水浴場、プール、野球場、遊園地、行楽地など)
また、ホテルやデパート、長期運航の船(船内で勤務する看護師はシップナースと呼ばれます)などにも看護師は勤務しています。
こうした職場では、救護の仕事と産業看護師の仕事を兼務するケースもあります。
●自衛隊看護師
救護関連の看護のプロフェッショナルといえば自衛隊看護師です。
自衛隊の看護師は、国内外の大規模災害や紛争地での救護活動にあたる「自衛官」の一種で、通常は自衛隊病院で勤務しています。
しかし有事の際には自衛官として救護活動にあたるため、自衛官として訓練(野営や射撃、パラシュート降下など)も受けています。
●フライトナース
ドクターヘリに搭乗して救命処置を行う看護師です。
通常は病院の救急部門で勤務し、要請に応じて出動します。
救急看護師としての経験と、救命救急看護認定看護師やACLSなどの資格が生かされる仕事です。
●テーマパーク
毎日多くの人が訪れるテーマパークや滞在型リゾート地*でも、救護や応急処置のために看護師が勤務しています。
(*ユニバーサルスタジオ・ジャパンやディズニーリゾートなど)
ここで働く看護師には、救護としてのスキルだけでなく、おもてなしをする側のスタッフとして、企業イメージを壊さないような姿勢が求められます。
●救護関連の仕事に向いている人
- 体力がある人
- 現場適応力がある人
- 救急処置の経験がある人
- 救急関連の資格(ACLS・BLSなど)がある人(就職に有利)
その他
●海外ボランティア
海外ボランティアの看護師は、発展途上国で現地の人への看護の提供や、健康教育に携わる仕事です。
国際協力に関心がある人、体力に自信があり、文化の違いにも適応できる人、英語でコミュニケーションがとれる人などが向いています。
●家庭裁判所
家庭裁判所で働く看護師は、少年事件等の当事者の健康状態や心理状態を判断する仕事を行います。裁判所技官の一種で公務員資格が必要です。
●刑務所
刑務所で働く看護師は、一般刑務所または医療刑務所の医務室に勤務し、受刑者の健康管理を行います。
特に医療刑務所では、病院と同レベルの医療処置や看護を行います。
刑務所という特殊な環境で、受刑者とのコミュニケーションは限られており、特別なコミュニケーションスキルが求められることはありません。
病院勤務との違いを理解しておこう!
病院勤務との大きな違いって何だと思いますか?
そういうのが、一番問題です!
病院以外の職場で看護師が働く場合には、病院勤務との違いをしっかりと理解しておく必要があります。
「医療の場ではない」という考え方が必要
●医療中心の意識では仕事は上手くいかない
介護や福祉は「生活の場」です。しかし、病院の経験しかない看護師は、医療中心の意識が変えられずに苦労することが多く、それがもとで退職し、再び医療現場に戻っていく人もいます。
働く人を対象とする産業看護師や、保育、教育の場で働く看護師も、医療の理解だけでは役割を果たすことができません。
それぞれの職場で求められる看護師の役割を、しっかりと理解しておきましょう。
●限られた資源の中で看護を行わなければならない
病院以外の職場では、医療機器や医療材料は限られています。
訪問看護や保育、学校、救護の現場では、「○○(検査機器)がないので、異常かどうか判断できませんでした」は通用しません。
限られた情報や所見の中で危険性や重症度を判断し、次の対応ができる医療機関へ速やかに引き継ぐことが求められています。
医療職以外のスタッフとのコミュニケーションが鍵
病院以外の職場では、看護師や医療職以外のスタッフ(介護福祉士や保育士、学校職員、一般企業職員など)と一緒に仕事をします。
病院のように看護師が最大派閥ではなく、看護師としての立場や考えが理解されないこともあります。
関係職種とのコミュニケーションが上手くいかないと、職場の中で孤立してしまい、仕事に支障をきたしてしまいます。
そうした事態にならないよう、病院以上に看護師以外の職種とのコミュンケーションが重要と理解しておきましょう。
給料や処遇はさまざま
病院以外の職場での看護師の給与や処遇は、業種や職場の規模によってさまざまです。
産業看護師や看護学校職員では、病院勤務よりも高給となる場合もあります。
しかし多くの場合は、夜勤がないことや非常勤雇用という働き方により、収入が減ってしまうことを理解しておきましょう。
病院以外の看護師求人の特徴と注意点
病院勤務とは違った経験ができる職場は、看護師の人気の転職先です。
しかし転職のしやすさは、業種によって大きな差があります。
介護福祉関連は求人も多く転職はしやすい
老人ホームや訪問看護は、社会ニーズが高く看護師の求人も増加傾向です。
病院での経験や知識が応用しやすく、転職しやすい業種です。
また、常勤のほか、パートや夜勤専従、派遣、単発夜勤などさまざまな働き方があることも、転職のしやすさのひとつです。
専門分野では求人が少なく、キャリアの積みなおしが必要な場合も
看護学校教員や産業看護師への転職は、専門の資格や学位を必要とする場合があります。
新卒時からそれを見越したうえで「病院看護師」の経験を積む人も多い中、途中でキャリア転換をしての転職は容易なものではありません。
資格や学位を必要とする分野への転職は、資格取得と並行して転職活動を行うなど、時間をかけて計画的に行う必要があります。
短期就労では経済的な基盤をしっかりと
ツアーナースやイベントナースなど、パートやアルバイトの短期就労となる場合は、仕事がない時期もあり収入が安定しないこともあります。
こうした働き方を求める場合には、転職時にある程度の生活資金を確保しておきましょう。
病院以外の職場へ転職する方法
「病院がイヤだから」という気持ちだけで、病院以外の職場に転職しようとすると、思わぬ落とし穴に落ちてしまいます。
看護師転職サイトを活用する
病院以外の職場への転職では、情報が豊富な看護師転職サイトを活用することをおすすめします。
介護福祉関連は、常時豊富な求人がありますが、雇用条件や働きやすさなどの実態はさまざまです。
一方、その他の分野の求人数は非常に少なく、4月採用が多い傾向です。そこに標準を合わせて、早めに準備をしておきましょう。
産業看護師への転職では、一般企業の看護師求人が多いマイナビ看護師がおすすめです。
また、イベントナースの仕事は、単発アルバイトの求人に強いMCナースネットがおすすめです。
妥協できる条件も準備しておく
求人が少ない分野への転職は、希望通りの職場や業態に就職できないこともあります。
病院勤務がイヤになり、とりあえず病院を辞めてから転職先を探す場合にも、希望の仕事がないこともあります。
看護師転職サイトを利用した稀少条件への転職では、希望の転職先が見つからず結果として、望まない転職を推し進められてしまうこともあります。
そうした事態にならないように、第2希望、第3希望など、妥協できる条件を準備しておくことも必要です。
病院以外の職場への転職にあたっては、充分な情報収集が不可欠です。
それそれの仕事内容や、自身の適性を考え、自分に合った転職先を探しましょう。
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